経産省前脱原発テント座り込み日誌10月10日版
- 2024年 10月 16日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年10月10日は、座り込み4,779日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 事故被害者の声を聞け、COP28の原発推進を糾弾、石破の豹変許すな 10月4日(金)
最初にK.Mが、次を確認して経産省抗議行動を開始:石破自民党政権立ち上がりのひどさと石破が潜在的核兵器の為に原発必要と言っていた故に危険な首相である、猛暑の今年の夏に節電要請無し記事(東京新聞)を紹介、水曜の原子力規制委員会定例会議の原発審査状況で浜岡が話題になり六ケ所再処理も質疑、イランがイスラエルに攻撃し米国がイスラエルのイラン攻撃を止めない、国連事務総長の発言でレバノンで百万人の難民の報も。6日(日)に日比谷公園からの銀座デモ案内。
<脱原発、経産省は嘘をつくな、…>のコール。
続いて漆原さんが、<知っていますか?気候変動対策のために原発が進められてしまう危険>文を配布し、メディアで報道されないCOP28の詳細を報告、一部加盟国による原発輸出の企て、グローバルストックテイク(各国温暖化対策総点検)合意文書における原発推進方針を糾弾、気候変動を口実とする原発推進を止めよう・原発が最大の地球環境破壊であると訴えた。
続いて、311事故後避難している鴨下美和さんが、「避難住宅追い出し訴訟」(10月7日(月)14時、東京地裁103号法廷)の案内、事故による被ばく原因と思われるがんと闘病中の夫の鴨下祐也さんが意見陳述する、二度と同様の犠牲者が出ないことを願い、原発を動かすなと訴えた。
白倉さんが、経産省の人たちは今の鴨下さんのお話を聞きましたか?と問い、東海第二原発の集会での大石さんの話から、避難ができない、防潮提の基礎工事不良、廃炉にすべき、企業の杜撰さ、水戸市に影響。葛飾で11月23日に樋口さんの映画会を予定。地元自治体への働きかけも。
奥内さんが、鴨下美和さんのお話しを確認し、裁判で裁判長をにらんでやろう、「判決です!」の案内文の一部を紹介。
守屋さんが、8月24日に原発を最大限に減らすと言っていた石破首相の豹変を糾弾し、「座込め、ここへ」と「水に流すな」を歌う。
三上さんが、議論が必要と言ってきて官僚支配の原発推進を認めてきたことを反省していた石破茂が、舌の乾かぬうちに、原発推進していく。我々に何ができるか。裏金問題の前議員を今度の選挙でキャンペーンして落とそう、憲法改悪を止めようと訴えた。久しぶり登場の乱さんが、足尾鉱毒事件での戦いを紹介し、敵の動きが速い、老朽原発稼動、台湾有事報道、米不足、危機が深く速い、テントを維持して頑張ろう。
最後にK.Mが、選挙で自民党を追い落そうと確認して、<核のゴミを増やすな、被ばくさせるな、再稼動反対、命を守れ、地球を守れ、未来を守れ、脱原発、NONUKES,ガザ虐殺止めろ、NOWAR、武器輸出反対、…>のコールで終了。
片付けは、力持ち3人の男性が応援してくれて楽勝、事務所で、はしゆきさんの梅酒で一杯、明くる10月5日に季節外れの多摩川花火大会が開催される為、渡辺さんが応援に参加するそう。 (K.M)
◎ 世の中どうなっているのか 10月5日(土)
・支持率を上げた人たち
サッチャ-、J・W・ブッシュ。フォークランド戦争で甦った鉄の女。コカイン畑をカカオ畑と言い間違えたブッシュを救ったのはイラク戦争。イスラエルは、パレスチナ、ガザ地区、西岸地区を占領、ガザ地区侵攻に続いてレバノンに侵攻した。次はシリア、ヨルダン、イラク、イランか。イスラエルの自衛は続く。
・自民党が嫌いなのは「人権」「平和」
デモをテロと決めつけ、核武装の選択肢をなくしてもよいのかと、2013年頃に石破は言った。そして今、牧原と三原を入閣させた。袴田厳さんの無罪判決直後なのに牧原秀樹が法務大臣。八紘一宇は正しいと恍惚の表情で語った三原じゅん子が子供政策大臣とは。
・聞く力が必要なのは誰?
国民です。リテラシ-が必要です。
・衆院選2024
石橋を叩いて壊すか、石破氏を叩いて終わるか。 (O・O)
◎ 丸きりダメ、そういうほかない判決だ 10月7日(月)
きょうの午後2時に「東京・避難住宅追い出し訴訟」判決があるので、それを傍聴する為に、テントひろばには早くから座り込みに来て頂いた。田中一郎さん、三軒茶屋のナベさん、金曜担当のWさん、ヨーカンさん、乱さん。ナベさんには今川焼・バナナを差し上げて頂きました。皆で美味しく頂きました。
きょうの流れは ①午後1時に地裁前集合・門前アピール ②1時半から傍聴券抽選・配布 ③2時から判決(103大法廷) ④閉廷後、参議院議員会館での報告集会。
皆さん、12時半過ぎに裁判所に行かれた。乱さんはきょうの為に用意した、むしろ旗を取りに事務所に行かれた。午後2時前に抽選に外れたⅠnさん、Aさんが来られた。外れたのは4人だけだったそうで、お二人とも運が悪かったとしか言いようがない。残念でした。Aさんとは久しぶりなので最新号をお渡しした。カンパを頂いた。感謝です。
午後2時半過ぎに乱さんが来てくれて第一報「判決は丸きりダメ!箸にも棒にも掛からぬほど酷かった」。予測はしていたが。乱さんは直ぐに報告集会が開かれている参議院議員会館へ向かわれた。鴨下さんは、訴訟団の代表として活動されていて、自身の健康のことは二の次にならざるを得なかった事がガンに侵されることになったようです。鴨下さんには、ご自愛して頂きたい!
第一(月)ということで午後3時過ぎにⅠさん、英語の先生が相次いで来られた。Ⅰさんは相棒のSaさんと座り込み終了定刻までたくさん話が出来てご機嫌で帰って行かれた。「本を読むのが仕事」とおっしゃっていたが、他人と話をするのが一番の健康法。これからも元気で通って来て下さい。
事務所で休憩したあと久し振りに防衛省前の抗議集会に出かけました。(夏の暑さで疲れて、この間いけなかったので) (保)
◎ 水上勉の小説を久しぶりに読んだ 10月8日(火)
今日は朝から、しとしと雨。14時少し前に着くと、Asさんがすでに到着していたが、荷物を置いて昼食の調達に行っていた。先番のOogさんとOgwさんの他、ご婦人がひとり座り込んでいた。座り込み用の大きめの傘の下に自分の傘を2重に差しても、どうしても濡れる。ご苦労様。
パンフレットをいただいた。《ストップ・リニア!訴訟控訴審 第3回口頭弁論 10月10日 午前11時から東京高裁》
トンネル工事で井戸、ため池が涸れて地盤沈下。川の水が酸欠状態。大井川計画地に断層の存在。このようなことから国交省中央新幹線小委員会のずさんな審議を問題にし、環境学者諸氏の証人申請をしたことが書かれている。500km/hでふたつの壁の間を浮いた状態で走るリニアは、大きな地震に遭えば制動は間に合わず壁に激突だろう。しかも大電力が必要で、前述のような環境破壊が明らかになったリニアを誰が望むのか?
14時30分、Oogさん、服が濡れ、寒くなって帰路へ。リニア反対のご婦人も。15時、Ogwさん帰路へ。15時45分、Asさんと片付けを始め、事務所へ。
今日は水上勉の「鳥たちの夜」を読み返した。水上勉は1919年福井県大飯町に生まれた。この小説は、若狭で都会への集団就職の世話をした教師、木田又二郎が定年退職後、連絡が途絶えている5人と、その同級生だった、家出した娘を訪ねる物語だ。そのうちのひとり、新宿で働く堀内清美との対話。
清美:若狭など地方は都会に騙されている。
又二郎:しかし、その若狭から、いま、原子力発電所の電気がおくられてくる。都会の夜の町も、芸能プロダクションの事務所も、電気がつくから働けているんだよ。清美。オールナイトショーもね。原発がなくちゃ、どもならんだろ。地方はそんな力を持っている。ばかにされるのは心外だな。
清美:それはわかります。でも、こわい原子炉をもたされているのやさかい、都会にばかにされていることに、かわりないのではありませんか、先生。トルコ、ノーパン喫茶、ビニール本ショップ、大人のおもちゃ屋。新宿は、オールナイトのディスコ、レンタルルーム、ラブホテル・・・・深夜になると急に活気づく街です。これも先生のいわれる原子力発電所のおかげですわね。東京は、福島原発ですか。いや、東海村かしら・・・・
- 水上勉(1919-2004) 「鳥たちの夜」 上・下 1984 集英社 -
3.11の福島第1原発のメルトダウン事故は、原子炉という人工の太陽は人類と、すべての生物と、共存できないことを示した。その27年前に、若狭湾にも既に9基が建造されていた。故郷に戻れば原発関連の仕事に就くしかないので、戻るのを拒否し続けた若者たちの困窮を描いた「鳥たちの夜」。3.11から13年経った今も、未来の福島を思い描くことができない私たちが読み返すべき1冊だと思う。 (石上)
◎ 急に寒くなった一日だった 10月9日(水)
一気に寒くなった。セーター、コートの人と半袖の人がいた。朝から雨。午前11時半ころ、セッティングの時だけ、ほとんどやんだ。ラッキー。でも風があって、張ったバナーの一つがパタパタと激しく揺れて、うるさいので、はずした。
「デジタル庁はどこか」と聞いてきた人がいた。「わからない」というと、経産省に聞きに行った。(赤坂見附の方にあるそうだ)
9月の水曜日に、患者が医師をセクハラで訴えて、1審は無罪になったのに、2審では有罪になり、最高裁で2審差し戻しになった裁判で、医師を支援する人たちが今日も通り、挨拶。医師は精神科の医師で、患者さんはメンタルな病気を抱えている人のようだ。雨は降り続く。遅番のWさんはセーターを着てきた。OKさんたちが「飯舘村原発被害者訴訟」(原告12世帯29名)を傍聴したあと寄ってくれた。原告たちの訴えは「謝れ、償(まや)え、返えせふるさと」。次回は11/6(水) (T・I)
◎ 長距離ミサイル用大型弾薬庫の危険 10月10日(木)
昨夜から急に涼しくなりましたね、と話しながらInさん、Yoさんと3人で設営。男性が一人立ち止まって私たちを見ているので、Inさんが「原発に反対しています」と声をかけると「東電、酷いよね」と応じ、チラシを受け取って行った。
その後、リニア裁判を傍聴していたというFさんが参加、軍拡反対のプラカードを持って座り込みをしてくれた。地元では長年統一教会問題を追及している野党候補を応援しているという。ひとしきり政治談議に花が咲いた。Fさんは弁護士会館での裁判報告集会に行くと言って、去り際にカンパをしてくださった。
13:50 目の前を「希望するすべての人にワクチンを」というスローガンを掲げたデモ隊が通り過ぎる。14:10 Okさん参加、Okは、この間の6日のガザ虐殺抗議デモ、7日の住宅追い出し裁判等々、休みなく活動されているそうだ。続いてTaさん、Suさんが参加。Taさんは26日の「全国で建設進む『長距離ミサイル用大型弾薬庫』が超危険?」講演会の案内を持って来て参加を勧めるので参加費500円を払った。Suさんは請戸川河口テントひろばニュースを持って来た。今日は後半担当のお二人が揃ったので、Taさん、Suさんに後を託し、15:00に引き上げた。(M.U)
==========投稿==========
経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その230
核発電(原子力発電)は、脱炭素電源ではない、直接的な熱汚染源である
~山本義隆<核燃料サイクルという迷宮?核ナショナリズムがもたらしたもの>から(2)~
2024年10月11日 木村雅英
10月8日の経産省(資源エネルギー庁)総合資源エネルギー調査会基本政策分科会をオンライン傍聴して驚いた。「エネルギーの国際動向」が論じられたのだが、資源エネルギー庁事務局の資料に「電源の脱炭素化の推進」が強調され、事務局や委員の発言の中に原子力が脱炭素電源であるとされているのだ。
再生可能エネルギーは脱炭素電源であるが、原子力は決して脱炭素電源ではない。ここでは、山本義隆さんの書が「CO2排出削減に核発電が有効だというキャンペーンの正否と真偽」の記述から真実を確認する。
核発電はそのすべての過程で多大なエネルギーを消費し、その際に大量のCO2を生み出している
たとえば 100万kwの原発を1年間運転すると
・約30トンの濃縮ウランが必要
そのためにはウラン鉱石を含む岩石や土砂合計300万トン近くをウラン鉱山から掘り出さなければならず、その採掘にも輸送にも当然大量の化石燃料を必要とする
・使用済み核燃料の後処理と残される核のゴミの長期に渡る保管が必要
その為に要する化石燃料はさらに増大する
・原発は、石油の代わりになるどころか、むしろ化石燃料の浪費を加速する
・火力発電より石油節約的であることを実績値によって証明した原子力発電所は皆無である
・原子炉建設には膨大な量のセメントが使用されている
セメントの主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)を熱して酸化カルシウム(CaO)としたもので、この生産のさいにはCO2が直接多量に発生している
・原発の出力調整の為の揚水式発電が無駄
揚水発電所はコンクリートの城(東電高瀬ダムは霞が関ビルの約30倍)で、揚水式発電所とダム建設も含めれば、原発の建設自体が甚大なる自然破壊とエネルギー消費。
鉄骨とセメントの膨大な使用が大量のCO2を生み出している
核発電(原発)は直接的な熱汚染源
原子力発電は熱効率が30%あまりできわめて悪く、実際の発電量の2倍程度の熱を環境に直接棄てている
原発では汲み上げた海水より約7度高温の廃水を海に戻している
その水量は、100万kwの原発で毎秒70トン、つまり一級河川並みの量
原子力発電拡大と温室効果ガス排出削減の間には負の相関関係
1990年から2004年までの23か国の調査では、原子力発電拡大に熱心な国ほど、温室効果ガス削減の達成度が悪い傾向
他方、再生可能エネルギーを増加させている国ではCO2排出量が優位に減少。
地球温暖化問題解決には省エネルギー(消費構造・産業構造の変革・転換)しかない
地球温暖化に本当に対処するためには、過剰生産・過剰消費の先進国経済の変革が第一であり、そのうえでエネルギー源として循環型エネルギーの使用、つまり風力や太陽光のような自然エネルギーやバイオマスのような生物資源エネルギーへの乗り換えが求められる。
=====添付資料=====
・原発週報 2024.10.02~10.08 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
◆10月15日(火) 月例祈祷会「死者の裁き」
14時30分~ 経産省前テントひろば (JKS47士)
◆10月16日(水) 原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動 12時~13時 六本木ファーストビル前
◆10月18日(金) 17時~18時 経産省前抗議集会(毎週)
経産省前テントひろば経産省正門 ◎経産省前の座り込み行動は、平日:12~16時(月 ~木)、13~17時(金) 土・日・休日:12~15時
◆10月18日(金) 「第40回原発いらない金曜行動」
首相官邸前 18時30分より~
◆10月20日(日) 脱原発青空テント川柳句会 12時~
経産省前テントひろば 選者;乱鬼龍
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye13915:241016〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。