米国による対キューバ経済封鎖を解除せよ 第8回全国日本・キューバ友好の集い開かれる
- 2024年 11月 1日
- 時代をみる
- 「リベラル21」キューバ経済封鎖岩垂 弘第8回全国日本・キューバ友好の集い
10月30日に開かれた国連総会で、米国による対キューバの経済・通商・金融封鎖を解除すべきとの決議が、賛成187、反対2(米国、イスラエル)、棄権1モルドバの圧倒的多数で可決された。これに先立つ同月25日、駐日キューバ大使館(東京)で、第8回全国日本・キューバ友好の集いが開かれ、米国政府に対して「対キューバ経済・通商・金融封鎖の1日も早い解除」と「テロ支援国家リストからのキューバの排除」を求める声明を採択した。
全国日本・キューバ友好の集いは、キューバ大使館と日本のキューバ友好団体との交流を深めるための行事で、2年おきに開かれている。今回の集いは、キューバと世界各国の民間団体との交流の窓口となっているICAP(諸国民友好協会)のフェルナンド・ゴンサーレス・ジョルト総裁が来日したのを機会に開かれたもので、駐日キューバ大使館と、キューバ友好円卓会議、思想運動、キュー バの主権を擁護する有志の会、全日本民医連、日本アジア・アフ リカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本キューバ科学技術交流委員会、日本キューバ友好協会、日本キューバ連帯委員会の共催。
集いでは、ヒセラ・ガルシア駐日キューバ大使をはじめ、ゴンサーレスICAP総裁、日本側の8つの友好団体の代表らが発言したが、ここでは、ゴンサーレスICAP総裁の発言の一部を紹介する。
挨拶するゴンザレス総裁
「私たちの友好の歴史を通じて、日本の友人たちが示してくれたキューバとの連帯は、決して忘れることのできない、消すことのできないページとなっています。1960 年代から 1970 年代において、キューバで サトウキビの収穫に参加するために自発的なサトウキビ刈り取りブリガーダに参加された多くの日本人の皆さんは、私たちに寄り添ってくれました。そのことは、それらの方々の傍らでサトウキビを刈り、 彼らの規律と技量を賞賛したキューバのサトウキビ刈り労働者の記憶に深く残っています」
「日本におけるキューバ連帯運動は、経済・通商・金融封鎖という犯罪的な政策に対するキ ューバ国民の正当な大義を一貫して擁護してくれるものでした。私たちは、60 年以上にわたって、封鎖の犠牲者となってきましたし、その政策は、新たな法律や制裁によってさまざまな段階で強化され、キューバの状況をさらに悪化させ、国民の福祉のためにあらゆる分野でより大きな発展をめざすという私たちの革命の目的を遅らせています」
「また、敵対的な封鎖政策だけでは不十分であるかのように、キューバは一方的なテロ支援国リストに含められ、キューバと交渉し、商取引を行い、キューバに投資しようとする国々にさらに大きな恐怖を与えています」
「しかし、連帯は、憎悪や制裁、制限や限界に打ち勝ってきました。友人グループや代表団によるキューバ訪問は、真実以上に価値のあるものはないこと、キューバはこれまでも、そしてこれからも決して孤立してはいないこと、そして連帯は、決して封鎖されないということを示してきました」
「私の挨拶を終わるにあたり、この65年間、愛と連帯、そして諸国人民の生命、平和、主権という最も基本的な原則の擁護のために、私たちとともに歩んでこられたすべての方々に、あらためてお礼を申し上げます」
集いは、最後に友好8団体と個人参加者による声明を採択したが、その全文は次の通り。
第8回全国日本・キューバ友好の集いにおける8団体の声明
今日ここに集まりました私たち8団体と個人は、下記の点を日本国民に強く訴えます。
1. アメリカ政府が、1962 年以来、国際法及び国連憲章を無視して、不当にキューバに押し付けている対キューバ経済・通商・金融封鎖は、キューバ国民に多大の被害をもたらしています。被害総額は、この一年間で 5 億 5,680 万ドルに達します。封鎖がな ければ、キューバの GDP は 2022 年に 9%成長した可能性があると言われています。こうした無法な経済封鎖は、国連総会でも、1992 年以来圧倒的多数で 32 年連続して、解除決議が採択されています。こうした非人道的な封鎖が一日も早く解除されるよう求めます。
2. アメリカ政府が、独自の判断で、キューバをテロ支援国家リストに指定していることから、上記の経済封鎖に加えて、毎年数十件のキューバへの制裁措置が実施され、キ ューバの貿易と金融に大きな障害をもたらしています。2021 年 1 月、退任直前のトランプ大統領は、再びキューバをテロ支援国家に指定し、バイデン政権は、それを引き継いでいます。キューバ政府自身も、あらゆるテロリストの支援を否定していますし、キューバが、テロリストを支援している事実もありません。米国の一方的なテロ 支援国家の指定には、同盟国も同調していませんし、日本政府もキューバとは友好的な関係を維持しています。この措置は、アメリカ政府の政策によって、議会の同意を得ずともテロ支援国家リストからの排除できますので、早急な排除を求めます。
3. アメリカ政府だけでなく、EU の国々にも、キューバの国内問題で一方的に人権問題などを批判している事例が見られますが、必ずしも正確な報道がされていません。人権問題、国内の政治制度は、キューバの主権の問題であり、キューバ国民が判断をす る問題です。私たちは、関係各国が、キューバの主権を尊重するよう強く求めます。
2024 年 10 月 25 日
キューバ友好円卓会議、思想運動、キューバの主権を擁護する有志の会、全日本民医連、 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本キューバ科学技術交流委員会、 日本キューバ友好協会、日本キューバ連帯委員会及び個人出席者
初出:「リベラル21」2024.11.01より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5804:241101〕
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