ぼくがFacebookをやめない7つの理由
- 2013年 3月 2日
- 評論・紹介・意見
- Facebook木村洋平
先日、Twitterを開いたら「わたし、Facebookをやめました」という記事がリツイートで回ってきた。記事のタイトルは、実はよく覚えていないのだが、そんなところだったはずだ。
四つくらい、理由が書いてあって、20代半ばの女性なのだけど、結婚した友達の赤ちゃんの写真を見せられても仕方ない、とか、食事の写真が多いことに辟易する、だとか。自分が誘われなかった飲み会の写真をみると、がっかりするそうだ。なるほど。
僕の周りにも、「Facebookはつまらない。」と言っているひとは、けっこういる。そういうつぶやきは、Twitterで拾う。
もし、Facebook vs Twitter という勝負があって、紅白歌合戦みたいに参加者が投票できる機会があるとしたら、僕はTwitter派になるだろう。そして、そのために明日、Facebookが消滅するとしても、なにも困らない。では、なぜ、僕はそれでもFacebookをやめないのか?
1.ただ、なんとなく。僕はFacebookを始めた、そこにFacebookがある、いろいろ思うところはあるが、とくにやめようとまでは思わない、という流れで、使っている。「それは理由なのか?」と思われそうだけど、そういうひとは、意外と多いのじゃないかな、という気がする。
2.僕だって、赤ちゃんの写真をみて、端から和んでいるわけではない。可愛いなあ、と思って投稿者の名前をみると、「誰だっけ?」と思うこともある。ともあれ、赤ちゃんの写真に100人分の「いいね!」がつけられているからと言って、(やっかんで)やめる理由には、いまのところ、ならない。
3.食べ物の写真。これは苦手だ。べつに食事の写真は楽しくない。それどころか、個人的に、なぜか、食べ物の写真一般が苦手で、なんだか生々しく感じてしまうのだ。ただし、ビールの写真(真っ黒なギネスとか、小麦色のペールエールとか)は、格好いいな、と思う。それで、こまめに画像を保存している。
4.あとは、飲み会の話だったか。自分が誘われていない飲み会を、Facebookで目撃するのは、心が痛むかもしれない。「かもしれない」と書いたけれども、実のところよくわからない。僕にはその経験がない。というのも、Facebookのタイムラインをひと月にいっぺんくらいしか、見ないからだ。たぶん、気がつかないのだろう。
5.「ひと月にいっぺんというのは、少なすぎやしないか。」「もっと見ろよ。」「そして、いいね!をつけろ。」と、思われるかもしれない。そこまでは、思わないかもしれない。僕もべつに、よく考えて決めたわけではない。「精神衛生上、ひと月に一度がいいだろう。」と、とくに考えてもいない。ただ、Facebookに、あまり興味がないのだ、ひとことで言えば。
6.あまり興味がないのに、なぜ続けるのか。ひとつには、忘年会や新年会で、中学高校の友達から、誘ってもらえるから。一年に一度だけど、けっこううれしい。あとは、親しい友達の近況が舞い込むのもいい。通知が来る。それから、僕は意外に趣味の写真家さんが好きで、カワセミばかり撮っているおじちゃんがいるのだが、そんな写真もわくわくする。美瑛の雪景色を届けてくれるプロ・カメラマンもいる。本当に圧巻だ。
7.そんなわけで、僕はFacebookを使い続けている。細かく言えば、もっといろんな理由がある。でも、もう7つ目の項目に来てしまったし、「7つの理由」と言ったからには、ここで終わらなければならない。
そもそも、よく読んでみると、この文章は、7つの理由を挙げていない。ただ、番号が振ってあるだけだ。「ばかじゃないのか、作者は?」と思われるかもしれない。僕はただ、「~ない7つの理由」というタイトルを使ってみたかっただけだ。そして、タイトルの「僕」はひらがなで「ぼく」にして、親近感を演出してみたかっただけだ。
こういうタイトルは、最近、本でも雑誌でもブログ記事でも見かけるし、とてもキャッチーな感じがするけれども、真似てみたくならないだろうか。それで、内容が7項目に要約されているかどうかは、わりとどうでもいいと思っている読者も、僕だけじゃないだろう。とにかく、ちょっと読んでみたくなって、読んだあと忘れても、愉快な気分がそこはかとなく残ればいいよ、と。そういう経験が、たまにあれば。それは、Facebookも同じだ。
というわけで、そのあたりが、僕がFacebookをやめない理由のひとつである。
初出:ブログ【珈琲ブレイク】http://idea-writer.blogspot.jp/2013/03/facebook7.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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