「小児甲状腺がんは福島だけの問題なのか?」についてコメントがあります
- 2013年 6月 23日
- 時代をみる
- グローガー理恵フクシマとチェルノブイリ小児甲状腺がん
6月20日に「ちきゅう座」に掲載されました「ブルマン!だよね」さんの記事「小児甲状腺ガンは福島だけの問題なのか?」に関して、ひとつだけコメントがあります。
【ブルマン!だよね】さんは、チェルノブイリ事故発生後4年以降に小児甲状腺ガンの急増がみられたことに言及さ れ、それが本当なのであろうかと入手なさったデータを基に考察なさっていらっしゃいます。
去年の10月のことですが、私は、IPPNWドイツ支部のドゥルテ・ジーデントップフ(Dörte Siedentopf)女医の横浜での講演を主催なさった方から、ジーデントップフ先生に宛てた質問と、それに対する先生の回答を翻訳することを頼まれたことがあり、そのお手伝いをさせて戴きました。その中で、ジーデントップフ先生が、チェルノブイリ後の甲状腺ガン検査に関して興味深いコメントをなさっていたことを思い出しましたので、それをご紹介いたします。
下記の回答の中でジーデントップフ先生は、1990年までの段階において、まだエコー機器(超音波機器)がなかったため、ベラルーシやウクライナでは甲状腺検査が殆ど行われていなかったことに触れています。このような当時のバックグラウンドが、甲状腺ガンの罹病率やデータに影響を及ぼした可能性もあり得ることなのではないでしょうか?& lt; br>
ジーデントップフ先生への質問:
福島の子どもの甲状腺検査で約35.3%の子どもに結節やのう胞がみられたと日本で報道されました。 このデータはチェルノブイリの場合と比較できますか? ドイツ国内における調査経験もありますか? また甲状腺にのう胞や結節がある場合、どのような間隔で検査を受けたほうがよいですか?
ジーデントップフ先生からの回答:
ウクライナやベラルーシでは、1990年まで、甲状腺検査は殆ど行われていませんでした。なぜなら、エコー機器(超音波機器)がなかったからです。子供の甲状腺ガンは、病像が現れてから後の最初の4年間に、診断されてから手術が行われました。
私達の意見では、子供に嚢胞や結節がある場合―サイズが小さい場合も含めて―いずれにしても6ヶ月後に再検査しなくてはならないと思います。そうすることによって、両親も不安の気持ちを抑えられることにもなるからです。
(6ヵ月後の検査で)もし嚢胞や結節が消えてしまっていた場合は、さしあたり、検査しなくても大丈夫です。しかし、嚢胞や結節がまだ消えずに残っているのだとしたら、一年後に検査します。もしサイズがもっと大きくなっていたら、嚢胞をせん刺細胞診検査して、それから6ヶ月ごとにエコー機器検査を行います。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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