11.21「特定秘密保護法案」反対集会(日比谷野外音楽堂)・デモ(国会、銀座)の異様な盛り上がり
- 2013年 11月 22日
- 交流の広場
- 高田浩子
この日の夕方、地下鉄「霞が関」駅構内は、5時頃から次々にやって来る大勢の人たちで混雑していた。駅構内のあまり多くなく、小さいトイレは行列ができ、特に女子トイレは2~30分待ちの状態。
駅を出てすぐの「日比谷公園」入り口付近では、既に多くの人たちが屯し、あるいはぞろぞろと歩いていた。公園内を「野外音楽堂」に向かって歩いて行く途中の道は、暗がりの中でチラシを配る活動家たちが慣れた手つきでチラシを渡している。たちまち多くのチラシで手が一杯になる。暗がりの中を陸続と続く人垣のため、たちまち連れとはぐれてしまう。
会場の「野音」は、早くからきている人たちで既に8割方埋まっていて、舞台では主催者の一人、海渡雄一弁護士が「秘密保護法」の危険さについて説明していた。
集会の開始(18:30)前には、既に定員(3000人)をオーバーし、およそ4000人位が入っているため、入口を閉鎖させていただきますとの構内放送が流れる。その段階で、「野音」の外にも約2000人ほどの人たちが集まっていたようである。(その後、主催者の発表で、今日の参加者が1万人であることを知る)。
私も、知った人たちの顔を探したり、知った団体の「のぼり」や「旗」を探したのだが、残念ながら会場の真ん中辺にはとても入りきれないまま、後ろ側の通路をただうろうろしていた。それでも6人位の知り合いと挨拶をし合ったのだが。
その中の一人、「60年安保闘争」を経験した古参の活動家は、「まだまだこんな程度ではだめだ、人垣で国会周辺を埋め尽くす、60年安保を上回る人々が集まってこそ初めてこの悪法を廃案に追い込めるからだ」と感想を話してくれた。それでも、闘いの始まり時期としては、上出来なのではないだろうかと私は思うのだが…。
18:30~19:30のわずか1時間ほどの集会であったが、なかなか内容のある発言を聞けた。発言者は次の方々だ。
司会 中森圭子(盗聴法に反対する市民連絡会)
主催者挨拶 海渡雄一(秘密法反対ネット・弁護士)
政党・国会議員 近藤昭一衆議院議員(民社党)
志位和夫委員長(日本共産党)
吉田忠智党首(社会民主党)
山本太郎参議院議員 などなど
カンパアピール 土井登美江(許すな!憲法改悪・市民連絡会)
挨拶 日本弁護士連合会代表
発言 青井美帆(学習院大学法務研究科教授)
落合恵子(作家)
日比野敏陽(新聞労連委員長)
藤本泰成(平和フォーラム事務局長)
鈴木怜子(5.3憲法集会実行委員会 キリスト者平和ネット)
田島泰彦(上智大学教授)
集会宣言 西川香子(憲法会議)
請願デモ説明 高田健(5.3憲法集会実行委員会)
私の印象だと、この中でも非常に興味を引いた発言は、海渡雄一さん、志位和夫さん、それと日比野敏陽さんだ。
海渡さんはさすがにこの問題に関して非常に詳しい方で、既に本も出されている。「60年後の開示」などというお話にならない欺瞞を持ちだしているが、「60年後にここで生きている人は何人いるのか。ほとんど永久に封鎖しているのと同じだ」という意味のことを言われた
日本共産党の志位和夫さんは、いろんな例をあげながら、非常に分かりやすい口調で「特定秘密法」という情報隠しの中で、裁判は全くの暗黒裁判化し、弁護士は情報を得られないままで被告の弁護をする羽目になる。つまりは、何の弁護も出来ずに、相手側の言うがままに受け入れざるを得ない事態が発生しうる危険を訴えた。
因みに、この日、日本共産党の議員は、多分10人以上が参加していたと思う。
また新聞労連委員長の日比野さんは、新聞は中立をモットーとしなければならないといわれるが、この問題では、そんなものはありえないのであって、「断固反対」という立場で闘い抜くという強い決意を述べられていた。
集会の終了後、二手に分かれてデモ行進した。国会方面への請願デモと銀座へ向かうデモである。ものすごい混雑の中で、それでも元気よく大声でシュプレヒコールを上げながら、国会に向けて行進した。
こういう行動をこれからも粘り強く続けたいと思うし、多くの人たちがこの「悪法」を廃案に追い込むまで街頭に出てきて共に闘うことを切に願いたい。願わくは、数百万人のデモ隊で国会を包囲し、安倍反動内閣および、それに追随する諸政党を打倒したいものである。
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