たんぽぽ舎から:No2146
- 2014年 4月 17日
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たんぽぽ舎です。【TMM:No2146】
2014年4月16日(水) その2地震と原発事故情報-規制委抗議行動の特集号
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◆4/16原子力規制委員会抗議行動の特集号=「地震と原発事故情報」を
お送りします
4月16日(水)昼休みに「川内原発の優先審査やめよ、再稼働反対」規制委抗議集会が原子力規制委前(東京都港区)で開かれた。主催は、再稼働阻止全国ネットワーク。
当日、多くの発言と4つの申し入れ文が出されました。いずれも時宣に合った内容で、今後の運動の参考となりますので、全文掲載します。
4つの申し入れ文
★1.再稼働阻止全国ネットワークより
★2.かごしま反原発連合有志より
★3.伊方原発50km圏内住民有志の会より
★4.福島原発事故緊急会議より
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┗■1.
原子力規制委員会 委員長 田中俊一様
委員 島﨑邦彦様、更田豊志様、中村佳代子様、大島賢三様
原子力規制庁 長官 池田克彦様、次長 森本英香様
「原子力マフィア」による再稼働推進を糾弾する!
放射能汚染水対策・廃炉化に専念せよ
安全性が保障できない原発再稼働を認めるな
防災計画、避難計画が不十分な原発を稼働させるな
立地周辺地域の範囲を拡大し、事前了解を得よ
適合審査を中止し事故検証をし直し新規制基準を作り直せ
川内原発の「審査書案」について広く有識者の意見を聴け
火山噴火リスク評価をやり直せ
非科学的・政治的知見を押し付けるな
2014年4月16日(8回目) 再稼働阻止全国ネットワーク
私達は、原子力規制委員会に対して、昨年7月、9月11日、9月25日、10月23日、12月11日、本年2月19日、3月13日に「再稼働審査は止めて汚染水対策に専念せよ!」と訴え続け、院内でも規制庁への要請行動を実施してきた。
東電福島第一原発(以下イチエフ)では、放射能汚染水じゃじゃ漏れで汚染水タンクが貯まるばかりか、ストロンチウム500万Bq/リットル高濃度汚染隠しが明らかになり、IAEAからも薄めて海洋放出を検討するように提案され総量規制管理が守れない状態。おまけに、命綱のはずの多核種除去装置ALPSが目標の性能に達しないばかりか故障を頻発。更に、1~3号機原子炉の状況が不明で、4号炉プールからの核燃料棒取り出し作業中である。
新たなアクシデントや自然災害による制御不能、労働者の被爆と労働者のイチエフ離れを私達は懸念している。イチエフ廃炉への工程も延ばし延ばしで、福島の人たちの人生設計が全く不可能な状態だ。
にもかかわらず、規制委・規制庁は、川内原発を優先して適合審査を続け「審査書」作成に着手、川内原発の再稼働を目論んでいる。更に、計11サイト19基の原発再稼働への道を開いている。
「原子力マフィア」出身の委員長や委員、原子力安全保安院から横滑りの規制庁職員、元警視総監の規制庁長官らで2012年9月に発足した原子力規制委員会は、5か月間も国会同意を得られないまま、東電福島原発事故状況を明らかにせず水汚染対策・事故収束・事故検証・廃炉化等当然実施すべき手立てをせず、私たちを欺き、IAEA他の世界の原発推進組織と連携しながら、巧みに既存原発の再稼働を目論み、次の施策を実施してきた。
イ.イチエフ事故による放射能汚染の過少評価
ロ.UPZ30kmを規定する原子力災害対策指針の制定と防災計画・訓練の押しつけ
ハ.再稼働ありきの「新規制基準」の制定
ニ.年間100mSv安全・年間20mSv帰還など、民衆の被曝を容認する非科学的考え方の提言
ホ.「原子力マフィア」専門家と規制委・規制庁のみによる「新規制基準」適合性審査以上の認識にたって、今回私達は次のことを要請する。
1 規制委・規制庁は、福島第一原発の放射能汚染水対策・廃炉化に専念せよ
規制委設置法でいう「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資する」ために今なすべきことは、放射能汚染水対策と廃炉化に専念することだ。
2 安全性が保障できない原発再稼働を認めるな!
安倍首相は「原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの規制基準で徹底的な検査を行い、これに適合すると認められた原発は再稼働を進めたい」と言い、田中委員長は「新規制基準に適合しても絶対安全とは言えない」と言う。誰が原発再稼働の安全性を保障するのか?
3 防災計画、避難計画が不十分な原発を稼働させるな!
川内原発について、昨年10月に国が総合防災訓練を実施したが、あまりに非現実的な避難計画・訓練であることが明らかになった。米原子力規制委員会前委員長グレゴリー・ヤツコ氏は「避難計画が不十分なら、米国では原子力規制委が原発停止を指示するだろう」と指摘している。原発推進機関である IAEAでさえ要求している深層防護第5層が満足できないのだから、再稼働を許してはいけない。
4 立地周辺地域の範囲を拡大し、事前了解を得よ
規制委・規制庁は、立地周辺地域の事前了解を得よ。また了解対象となる住民の対象地域を拡大するべきだ、UPZ30km圏では狭すぎる。30km圏外にも放射能汚染が発生しうることは飯館村の被害が実証している。
5 適合審査を中止しイチエフ事故検証をし直し新規制基準を作り直せ
多くの専門家や民衆が指摘しているように、新規制基準は既存原発を再稼働させるための基準で、これに適合しても何ら安全性の保障にならない。国会事故調の調査結果などイチエフ事故の教訓を生かし、多くの有識者の意見を取り入れて新規制基準を作りなおすべきだ。特に、地震による配管破断影響確認、基準地震動設定の見直し、立地基準尊重、複数基稼働禁止、コアキャッチャーの設置、防災計画・訓練、立地・周辺住民の理解など、これらを規制基準に追加すべきだ。
6 川内原発の「審査書案」について広く有識者の意見を聴け
新規制基準の問題とともに、今の新規制基準への適合性審査についても多くの専門家から問題点が指摘されている。一旦田中委員長がやると言った「公聴会」を全国で実施し、川内原発の「審査書案」に対する専門家や民衆の意見を聞き、不合格の「審査書」を作れ。
7 火山噴火リスク評価をやり直せ
火山噴火によって火砕流や火山灰が原発に到達すれば、原発の制御が不可能になりメルトダウン必至である。川内原発は桜島を含む姶良カルデラに近く、過去に火砕流が川内原発に到達した記録も明らかにされた。モニタリングで核燃料などを他に移すことも不可能だ。
8 非科学的・政治的知見を押し付けるな
規制委は、100mSv/年以下の安全、20mSv/年以下の帰還を押しつけて、「チェルノブイリ基準」(5mSv/年以上:移住義務ゾーン、1mSv/年以上:移住権利地域)よりも甘い基準で事故被害者を人体実験させている。
また、放射線審議会を復活したが、食品放射能汚染の基準を甘くするべきではない。
以上、ノーリターンルールを無視して推進官庁と連携して原発再稼働を推進する規制委員会・規制庁に強く申入れするとともに、後日回答を求める。
再稼働阻止全国ネットワーク
メール info@saikadososhinet.sakura.ne.jp
TEL 070-6650-5549 FAX 03-3238-0797(再稼働阻止全国ネットワーク宛と明記)
(東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5Fたんぽぽ舎気付)
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┗■2.
経済産業大臣 茂木俊充 様
原子力規制委員長 田中俊一 様
2014年4月16日 かごしま反原発連合有志 副代表 松元成一
抗議文
鹿児島県の川内原発再稼働へ向けた規制委員会の審査が、全国で最優先であり、大詰めを迎えていると聞いています。原発周辺の自然災害に対する検証もろくにできていないのに、拙速な再稼働急ぐ事は重大な誤りです。この審査に対して鹿児島県から厳重に抗議します。貴職は、福島第一原発の大事故以降、最大限原発の安全性を検証する責任ある任務を担ってこられたはずです。
しかし、3、11から3年以上経った今、貴職の動きは川内原発の再稼働を推進しようとしているようにしか見えません。私たち鹿児島県民は規制委員会の九州電力に対するいいかげんな検討を断じて許せません。伊藤佑一郎鹿児島県知事は、鹿児島県民に何の説明もなく川内原発再稼働の急がせるよう経産省に要請する始末です。有効な避難計画さえ示していないのにです。
川内原発の稼働の安全性について全く証明も実証も何らされていません。次の項目については、さる3月13日にも指摘したところですが、それに対する回答も対策も論議もされていません。もう一度、回答を求めます。
イ.川内原発に向かって幾つもの活断層が延びている(九州電力は、このデータを改ざんして報告している)。更につい最近原発建屋の至近800mの所に活断層が発見されている。
ロ.日本最大の活断層である中央構造線が川内原発のすぐ北を通っている。
ハ.世界有数の地震列島であり火山列島でもある日本列島に我々は暮らしている。その中でも稀な5つのカルデラが存在する南九州に川内原発は建っている。
これらに対する検証もなく川内原発再稼働を推進するのか、全く非科学的です。九州電力は適合審査会合において基準値震動を540ガルから620ガルに引き上げました。しかし、その事への対策はどうなったのでしょう。何らかの物理的措置がされたという報告はありませんよね。何の危惧も想定していなかった福島第一の大事故に対し「想定外の事故」と政府は発表したではないですか。しかも、事故の原因を東京電力も政府も解明していません。再度問います。日本の原発のどれが安全だと誰が判断できるのでしょうか。規制委員会のお粗末で無責任な仕事を糾弾します。
川内原発でひとたび事故が起これば、その放射能は日本列島を覆い住民の生命を完全に脅かす事になるのは明らかです。私は世界最大級と言われる姶良カルデラの中で暮らしています。自然災害と向き合って生きているのです。その周辺に原発があることは火山地帯に超大型地雷を仕掛けているのと同じです。もうこのような愚行は止めましょう。
今、子どもたちの未来と引き換えに、原発マネー欲しさに川内原発の再稼働をする事は、断じて認めません。福祉を作り守る為に仕事をするのが行政の義務です。
九州電力のいい加減な申請は絶対認めず、再稼働の推進ではなく、規制する審査をして下さい。
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┗■3.
申し入れ書
原子力規制委員会委員長 田中俊一様
今年、1月20日の原子力規制庁との院内交渉集会(主催:再稼働阻止全国ネットワーク)で、「規制基準を満たした原発でも事故は起きますか」という質問に対して、規制庁は「規制基準を満たした原発でも事故は起きます。この基準は最低のもので、あとは事業者の責任です。規制庁の役割は審査することであり、審査結果と審査過程を国民に丁寧に説明していくまでで、地元了解をとる事はしません。地元への説明と了解は切り離すというのが政治的判断です。」と回答しました。
この答えから、規制庁の規制基準は原発事故が絶対に起きないことを保証するものではないことが明らかになりました。福島での実際の被害を見れば、原発事故を想定した再稼働など絶対に許されないことです。東京電力福島第一原発事故は発生から 3年以上たちますが、国も、電力会社も事故を収束させることができません。深刻な放射能汚染が福島県を超えて広がっています。太平洋には一日何百トンもの超高濃度放射能汚染水が垂れ流しのままです。多くの人々が故郷を奪われ、原発事故被害者の苦しみは今も続いています。
今回、規制委員会は九州電力川内原発を優先的に再稼働審査することを決めましたが、事故が起きることを前提にした基準で審査を進めることは、原発立地自治体住民として受け入れることも認めることもできません。私たちはみな、健康で安全に安心して生活する権利があります。再稼働反対は生存権を守ることです。
以上の理由から、原発再稼働審査をやめ、東京電力福島第一原発事故の収束と原因究明に取り組み、環境と国民の生命と財産を守るために原子力を規制するよう強く求めます。 2014年4月16日 伊方原発50km圏内住民有志の会
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┗■4.
【抗議声明】
私たちは再度、原子力規制委の川内原発優先審査決定の全面撤回と田中俊一委員長の辞職を要求する
原子力規制委員会が、原発再稼働のための前提条件である新規制基準の「適合審査」合格への手続きに関して、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)を最優先で審査することを決めた、と発表したのは3月13日である。これを前提にした3月26日の記者会見で田中俊一委員長は、以下のような発言をくりかえしている。「第一優先は川内に決まりましたね。今その方向で仕事は進めています。次々と出てくるように、私は期待しています。事業者にきちっと対応していただければね」。
なんと電力会社の再稼働へ向かう動きを、公然と後押しし、急がせる言葉を吐いているのだ。語るにおちるとは、このことである。
田中らは、この間、自分たちの「科学的」審査は、「規制基準」に適合しているか否かであって、再稼働のための安全性全体の判断ではない、ゆえに、自分たちが再稼働を決定するわけではない、という主旨のことをくりかえし主張している。
それがあらかじめの責任回避のための詭弁にすぎないことは、安倍晋三政権が「規制委」の判断をもって次々と再稼働をスタートさせると公言し続けている事実をふまえるだけでも、まったく明らかである。
事実上、規制委の判断(決定)が原発再稼働を可能にするのである。ゆえに合格スタンプを手にしながら、電力会社(事業者)に急いで対応しろと要求してみせるのは、再稼働を急がせているということをしか意味しないのだ。それは規制委が再稼働を急ぐ〈原子力ムラ〉の出先機関にすぎない事実をあからさまに示している。
火山学者がこぞって危ないという警告を発している、大噴火山である桜島(かつての噴火で数メートル~10メートル以上の火砕流堆積物が見つかっている)を近くにかかえる川内原発を、「最優先」にパスさせようという原発利権にむらがる政治屋の姿勢、「周辺の火山が噴火しても、原発に影響はない」という九州電力のデタラメきわまりない報告を「了承」してみせる、住民の命など、どうでもいいという「御用科学者」ぶりは、断じて許せない。
私たちは、あらためて、優先審査決定の全面撤回と、田中俊一委員長の辞職を要求する。 2014年4月16日
(「再稼働阻止・全国ネットワーク」呼びかけの抗議行動の日に)
福島原発事故緊急会議
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