対露強硬派ポーランド外相の本音
- 2014年 7月 6日
- 時代をみる
- ポーランド問題岩田昌征
「親米派ポーランド外相の本音」で、ワルシャワのある高級レストランで現外相シコルスキが前財務相ロストフスキ(長年の友人)に「ポーランド・アメリカ同盟は無価値、有害、Bullshit(直訳は牛糞、間投詞として、くそ!、ばか!腰抜け!)だ。」とののしった事を伝えた。ワルシャワの週刊誌Wprostの盗録である。シコルスキ外相は、波米同盟無価値論から、そんな牛糞に期待するポーランド人の心性の評価へ話を進めていた。
外 相:ポーランドの問題は、私達の浅薄なプライドと低い自己評価だ。
前財務相:そんなセンチメントだ。
外 相:そんなムジンスコシチだ。
前財務相:なに?なに?
ポーランド語のMurzyńskośćは、「黒人的である事」を意味する。「浅薄なプライド」と「低い自己評価」が、何故に「黒人的である」のか。シコルスキ外相は、ウィキベディアに頼って、ムジンスコシチとは「1930年代、フランスの植民地主義と人種主義の展開に対する回答として始まった文学・政治運動」を意味すると言った訳の分からない説明をしている。
アメリカ黒人の公民権運動以前、奴隷状態を所与として受け容れて、主人の白人に奉仕する黒人達の有様をムジンスコシチ概念として、それを現在のポーランド人の対米姿勢を表現し評価するのに用いたのであろう。私にはそう思われる。
それにしても、外交の広場では、波米同盟(注:ポーランド・アメリカ同盟)を自由と人権を共有理念とする両国の根深い関係であると謳い上げ、露国大統領プーチンに対抗するシコルスキが、私的会話(今年の1月末、2月初)ではこんな本音を吐露していたとは!!
平成26年7月6日
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
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