テント日誌7月26日…テント裁判傍聴記5
- 2014年 7月 29日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1050日 商業用原発停止311日
テント裁判傍聴記5 : 一傍聴人
5月21日の大飯原発稼働差し止め、福井地裁判決後のテント裁判として150人の参加の元、103号法廷にて行われた。河合弁護人から福井地裁判決の意義が語られた。「この判決の90%はすべての原発に当てはまる。」「この判決はテントが求めている事と同じであり、福井判決はテントの主張の正しさを裏づけるものだ。」「福島事故の張本人は、東電と経産省であり福島事故は50年間の原発政策の結論である。」その後福井判決の特徴として、「人格権は憲法13条の権利である。経済活動としての原発政策は人格権より劣位にある。」「この判決は科学的である。基準地震動、使用済み燃料プール問題の指摘等反論出来ないであろう」。最後に判決の素晴らしさとして「国富とは何か」を取り上げられた事が意見の最後に延べられた。
次に浅野弁護人より「テントの設置問題」が意見陳述された。「第2テントは、原発いらない福島の女たち~により作られた物であり、被告人2人の権利、第一テントの権利は及ばない。その後も、全国の女たちにより維持、管理されて来ている。」「第三テントも子供たちの避難、補償を求める、全国交流会の人々により建てられたものである。第一テントの権利は及ばない。」3個のテントはそれぞれ別々の人々により作られた物であり、お互いに権利は及ばない事が主張された。これを被告2人が建てたとする、国側の主張を論理的に否定した。
その後国側から「2人はテント専有権限を認めるのか」等の意見が出たが弁護人より「こちらの3個のテントの関係性をまず認めるのか!」という鋭い質問が飛んだ。
その後、宇都宮弁護人より福井地裁判決の意義が再度話され、正清、渕上の被告人意見が話された。正清氏は石原環境大臣の「最後は金目でしょう。」発言を鋭く批判した。渕上氏は、福井判決にも関わらず、規制委員会、安倍政権が川内原発をはじめとして全国の原発を再稼働しようとしている事に「誰が責任を取るのか。規制委員会は責任をとれないと公言しているではないか!」「誰が再稼働原発の安全性を担保するのか!」と安倍政権、規制委員会を批判した。
その後、議員会館にて150人参加の元、報告集会が開催された。渕上氏は「この裁判を我々の物にしたい。福井判決は我々が勝つ見込みがある事を示した。」と我々の正義性を示した。正清氏は原発問題の世界性を延べ、原発廃棄物問題に触れた。
次に、午前中の規制庁抗議行動より駆けつけた泊原発反対運動の先頭で戦ってきた「岩内原発問題研究会」佐藤英行氏より泊原発の問題点、大間原発建設差し止め裁判についての報告があった。大間原発問題では函館市議会の全会一致で、市長の差し止め裁判が起こされた事、泊村の人口減少が止まらない事等の、原発資金に頼る事の問題性が指摘された。浅野弁護士、河合弁護士の法廷報告に続いて大熊町の木幡さんより福島報告がなされた。
「私は原発労働者に~死んでは駄目だよ~といつも言っている。」「フクイチにいる東電社員は本社社員と違い逃げられない。」「放射能被害は甲状腺問題だけではない。鼻血が出た子供はその後皮膚に湿疹が出ている。動物も小さい物から死んでいる」。そして10月26日の福島県知事選挙に「スクラムの会」を作り闘い続ける事が報告された。最後に「これ以上原発の苦しみを多くの人に味あわせたくない。」と語り終えた。
最後に午前中の規制庁抗議にも参加された川内原発の再稼働に抗議し続けている岩井さんから、「原発事故の時に避難は出来ない。誰が避難させるのか!吉田調書が言うように電力会社社員、行政の人々、皆逃げるだろう。」と川内原発の再稼働は九州だけではなく全国的破壊をもたらすだろうと、再稼働阻止の決意が語られた。
*次回法廷は10月14日(火)午前10時30分~11時30分
第8回法廷にも多くの傍聴者が参加して下さい。原発再稼働反対の意思を、法廷の場で叫び続けよう。
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印象的な「原発のない未来へ~」での話
土曜日の午前中は人通りも少なくのどかだ。今朝は涼しい風が吹いてここ数日に比べてちょっと過ごしやすかった。11時すぎおずおずと近づいてきた青年、原発推進なのですけど…と言う。
何故ですかと聞いたら、石油はもうじき枯渇するでしょう。ぼく達の将来が心配です。と言うので、そんな事は無いのでは、京都大学の小出裕章先生も言っています。それに今原発は一基も動いていないで電気は足りているのですよ、再生エネルギーへの転換も始まっていることだしとはなし、原発を使ってはいけない理由、高レベル廃棄物の処理の事、被曝労働者の事、原発を動かす事による海の温度の上昇、決して原発は安くないこと、そして事故を起こした福島の現状などなど、私の持てる知識を総動員してお話した。
彼は浪人生で実家は福井だとのこと、原発がなくなればそこで働いている人や、原発で生計を立てている人がいるので心配だと言う。それに関しては地域の経済をどうするか考えなければなりませんね。としか私も言えなかった。彼は原発について漫然とした不安を持っているだけで、積極的に勉強しているよ
うには見えなかった。現に小出裕章さんの名前すら知らなかったのだから…
ただ原発がなかったら困るのではないの?と言う程度でとりあえず反原発のテントに興味を持って寄ったらしい。でも私のつたない説明にもちゃんと耳を傾けてくれ、チラシも受け取って下さったので、これから原発のいけないわけを学んでくれる事を願う。
今日、私は午前中だけテントにいて、午後ウィメンズプラザに行きトークアンドライブ「原発のない未来へ」~上関原発を建てさせないために~に参加し、
祝島33年原発反対を続けてきた清水敏保さん、東海村前村長の村上達也さんのお話を聞いた。
清水さんによれば。島の人口は33年前には1500人だったのが、現在445人だが近年移住者も増えてきたとのこと。新しく来た人たちは畑が有って食べられれば良いということで来ている。人間、価値観の転換も必要ではないかという言葉に同感である。日本人は贅沢に慣れすぎているのではないだろうか?
村上さんの話で印象的だったのは東海村には未だに低レベル、高レベルの固体、液体の核廃棄物が処理されずに置かれているという事だった。村上さんはJCOの事故、水俣などを通して反原発の気持を強くしたそうです。
休憩後の寿のライブも盛り上がって良かった。その後のパレードには参加せず帰宅する。(I・K)
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七夕祭り 8月2日(土)午後7時から約2時間
1) 講談「望郷桜」15ー20分
福島県双葉郡富岡町は昔から東北有数の桜の名所。しかし放射能に町を奪われ、人々は散り散りに避難していました。ところが埼玉県幸手市の権現堂公園には一本の富岡桜が育っていたのです。埼玉県内に避難している富岡町の人々が…
アマチュア講談師 甲斐織淳さん
3.11以来、田中正造の取材を始める。神田香織「チェルノブイリ」を聞いて入門、「田中正造伝」シリーズを自作自演で語る。
2) 音楽 浦邉力さん他の方々 約1時間半?
3) 飲食物: 素麺(新橋事務所で茹でて、冷やして持ってくるつもりです)、胡瓜、ほか。
リクエスト受け付け中。
4) 笹飾り 前日(8月1日)昼間に出します。金曜行動のみなさんにも見ていただき、短冊を書いていただくために。願い事を書くための短冊用紙は第1テント受付にお願いしてあります。 (H・Y)
僕の家の近辺でも滂踊りをやっている。盆踊りに夢中だった少年期のことを思い出すのか足を運ぶ。何か儀式でやっているようで熱気も何もない。淋しい思いで帰る。昨年は江東区で開かれた河内音頭踊りに出掛けた。これは良かった。今年も行きたいと思うが、テント前でこれが出来たらいいのにとあらぬ妄想をする。民衆のエネルギーとその自然な匂いの残るこうしたものへの郷愁が僕の心というか、体の底にあるのだけれど、祭りを失った都市というか、その現在を思う。想像を働かせ場、原発の存在と祭りを失っていく都市化は深く関係していると思える。想脱原発には自然と祭りの再性が関係しているのであり、運動にはその再性というか、要素が必要なのだとも思う。これは難しいことに違いないが、今回の七夕祭りが一端でも実現するいい。という意味でこのイベントに「いいね」を送る。(三上治)
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