【気候変動は人類の脅威】 COP20開幕:人間の安全保障が焦点に 「気候変動難民」を懸念+アンデス山脈の氷河融解、気候変動で危機的状況に
- 2014年 12月 9日
- 評論・紹介・意見
- uchitomi makoto
COP20開幕:人間の安全保障が焦点に
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=92849
2014年12月1日 17:47
地球温暖化対策を話し合う気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)が12月1日にペルーの首都リマで開幕する。専門家の間では気候変動による海面上昇や干ばつに伴って、低地や島しょ国などに住む人々が移住を余儀なくされる「気候変動難民」の増加を懸念する声が高まっており、温暖化が「人間の安全保障」に与える影響や国際社会の対応が今回の会議でも焦点の一つになりそうだ。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が今年発表した新たな報告書によると、今の温室効果ガス排出が続けばグリーンランドの氷床が千年以上かけて解け、海面が7メートル上昇する恐れがある。キリバス、ツバルなど南太平洋の島しょ国では国土消失の危機感が高まっている。
気候変動難民の言葉が広く知られるようになったきっかけは、キリバス出身の男性が「母国に戻れば温暖化による海面上昇で生命の危機に直面する」として移住先ニュージーランドで難民認定を求めた訴訟。「世界初の公式な気候変動難民」と認められるか注目されたが、同国高裁は昨年11月、難民条約では「人種、宗教、政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあり他国に逃れた人」を難民と定義しており、気候変動は含まれていないなどとして訴えを退けた。
ガンジス川などのデルタ地帯にあり、海抜が低いためサイクロンの被害をたびたび受けてきたバングラデシュは、フィリピンなどと共に温暖化の影響を最も受けやすい国の一つと指摘されている。これらの国々では、大量の温室効果ガスを排出する米国など先進国が気候変動難民に門戸を開放するべきだとの主張も出始めている。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2012年6月の声明で、ソマリアなど干ばつが続く東アフリカの例を挙げ「気候変動は世界の難民増加に影響している」と指摘。難民条約の対象にならない「環境の変化と気候変動のために発生した国外への避難民」の法的保護の必要性を訴えた。
同10月にはノルウェー、スイス両政府が気候変動などにより居住地を追われる人々の権利を国際的に保護する方策を議論する枠組み「ナンセン・イニシアチブ」を立ち上げるなど、温暖化に起因する難民問題への関心は高まりつつある。(共同=佐藤親賢)
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アンデス山脈の氷河融解、気候変動で危機的状況に
http://www.afpbb.com/articles/-/3033435
2014年12月04日 16:19 発信地:アンティサナ火山/エクアドル
【12月4日 AFP】アンデス(Andes)山脈の熱帯氷河は、融解が憂慮すべき速度で進行しており、それを食い止めるための手立てを講じる間もなくその多くが消失してしまうとの懸念を科学者らにもたらしている。──。
エクアドルからボリビア、コロンビア、ペルーにわたって点在するこの熱帯氷河をめぐり、現在ペルーの首都リマ(Lima)で開催されている国連(UN)の気候変動会議で詳細な話し合いが行われている。世界195か国が参加する同会議の目的は、地球に温暖化をもたらす炭素ガス排出量を削減するための国際的な取り決めの枠組みを打ち出すことだ。
熱帯氷河の融解は、アンデス地方の淡水の供給を脅かす上、海面上昇の原因となる恐れもある。
エクアドルでこの現象の調査を初めて行った研究者の一人、国立気象水文研究所(INAMHI)のボリバル・カセレス(Bolivar Caceres)氏は長年にわたり、雪深い7つの火山の上に位置する同国の氷河が後退する様子を観察してきた。
1980年代末当時、エクアドルには92平方キロに及ぶ氷河が存在したが、この面積は2010年までに42平方キロに縮小した。またカセレス氏によると、今年はさらに38平方キロにまで減少するとみられているという。ボリビア、コロンビア、ペルーでも、同様の現象が起きている。
氷河融解の原因の少なくとも一部は、自然のサイクルだと科学者らは説明する。だがその一方で、人為的原因による地球温暖化が事態をさらに悪化させていることを示す証拠も増えているという。
「まだ分かっていないことは、人間の活動が氷河の融解をどの程度加速させてきたかということだ」とカセレス氏は指摘する。
■気候変動の「見張り番」
20世紀初めから現在までに世界気温が0.8度上昇したことは、世界中の氷河に影響を及している。そのため気象学者らは、氷床の融解を地球温暖化の「見張り番」と呼ぶ。
フランスに本局がある開発研究局(Institute for Development Research 、IRD)のオリビエ・ダングルズ(Olivier Dangles)エクアドル支局長は「最悪の影響は極地方で起きているが、熱帯地方にある山岳地帯での影響も甚大だ」と語る。
例えばボリビアでは、チャカルタヤ(Chacaltaya)山にかつて存在した万年雪は、4年前に消失した。同山にはかつて、標高5400メートルの世界最高所のスキー場があった。
他方ペルーでも、氷河が1970年以降で40%あまり縮小しており、これが原因で新たな湖沼地が1000か所近く形成されていると同国の水資源当局が発表している。
この現象を受け、ペルーの先住民らは古くから行われてきたインカ(Inca)帝国の祭り「コイヨリッティ(Qoyllur Rit’i)」の内容を、状況に合わせて変更せざるを得なくなった。祭りではこれまで、何世代にわたり、参加者が氷河に登って氷の塊を持ち帰る行事が続けられてきた。
IRDが資金を提供した2011年の研究によると、これらの氷河の融解は、海面を24センチ上昇させる上、河川の容積と構成を変化させる可能性があるという。さらには、生態系で重要な位置を占めるカエルやハエなど、この環境に生息する生物種も絶滅の危機にさらされる。
ダングルズ支局長は「氷河が1つ融解するのは、まるで画家のパレットから色が1色失われるようなもの。この場合、画家は自然だ」と述べ、「それぞれの色は、かけがえのない生態系である」と続けた。(c)AFP/Héctor VELASCO
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5067:141209〕
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