テント日誌9月3日(木) 経産省前テントひろば1453日
- 2015年 9月 4日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
テントに対する反応は様々であるが…
八月末少し涼しくなったと思ったらまた夏に逆戻り、蒸し暑い一日だった。
今日のテントには色々な人がやってきた。
まずかなりお年を召した方、地球温暖化をどう思っている?安全な原発はどんどん動かさないと、と吐き捨てて反論するまもなくなく通り過ぎた。
次に通った人「汚い!」と一言
その後来た人、バリカーの「国有地・関係者以外立ち入り禁止」の文字を指差し
て読める?となじるので裁判中のこと説明し公示書のあることを教えようとし
たが、聞く耳持たず去っていった。
福島のことご存知でしょう?と言うと福島に親戚やら知り合いがたくさんいるけれど、テントのことで怒っているとも言っていた。本当でしょうか?
テントの写真を撮っている人が何か言いたそうだったので声をかけたら中国の方だった。言葉がわからなかったが、中国でたくさん原発を作ろうとしていることに反対のようだった。英語のチラシをお渡しした。
中国で原発事故でもあったら日本は大変ですよね。
世界中の原発を止めなくてはと思うけれど…
昼近く東京から沖縄に移住したと言う女性が生業訴訟のリーフレットを持って
やってきた。沖縄で避難している人たちと交流しているようだ。
国が何もしてくれないと嘆いていた。
彼女はたとえ一人になっても反対し続けたいと心強いことを言っていた。
通り掛りチラシだけ取っていく人もいる。
上京するたび寄ってくれる松山の男性によれば伊方の地元では再稼働容認が多いとのこと、東京新聞にも八幡浜町長が再稼働受け入れたと言う記事が出ていた。何かあれば国に責任を取って貰うと町長は言っているが、福島の責任も取っていないのに出来るはずないのでは。
また原子力規制委員会は伊方原発を対象に原子力総合防災訓練を実施する案を了承したといっているが、そもそも訓練や避難のことを考えなくてはならないようなものを動かすことがおかしいのではないかとOさんと話す。
安保法制で若い人たちが立ち上がったのは嬉しいけれど、原発のことも考えて欲しいと思う。3時過ぎ雨が落ちてきたのでテントを後にした。(I・K)
あれこれ考えながら時の動きに対して行こう
猛暑から抜け出したと思ったら秋雨前線がやってきての長雨続きである。春の長雨と違って秋の長雨は冷たく気持ちを鬱屈させる。それは致し方のないことかもしれないが、日本の政治も同じようなところがある。閉鎖的なあり方が僕らの気持ちをそうさせてしまう。それでも国会周辺での人々の異議申し立てや政治的意思表示の声が高まることで幾分かは気分を解放的にしてくれる。持久戦とでもいうべき闘いにあるテントでも事情は同じである。国会包囲行動などがあるたびにテントにも多くの人が訪れ、そのもたらす連帯感はテントにある人を元気づけるからである。
僕らは数年前から国会周辺での座り込みなどをやっていたが、こころの底では1960年安保闘争などを想起し、政治的意思表示の人々が再び国会を埋め尽くすことを願っていた。それは無理だろうが、このままで空しく自分たちの行動を終わらせてはならないと思っていた。僕らの願いが通じてとは言わないが、国会周辺を人々の群れが埋め尽くすという事態の出現を予想外のこととして驚きながら、期待すべきものがあるのだと思いをあらたにしている。今回の国会包囲行動などで特徴的なことは女性が多いこともあるが、若い世代が登場しはじめたことである。これは老い行く左翼層の頑張りという闘いから国民や市民の層に運動が広がりつつあることであり、可能性を感じている。
そしてよく言われるように運動の形態はかつてのような学生運動や労働運動などの主導ではなく、諸個人の集まりという形態をとっている。これはかつてのような社会運動の動員型ではなく、本来の市民的、あるいは大衆的な運動であるということだと思う。テントが社会運動や政治運動のグループの動員で4年間近く維持され、存続してきたのではなく、自発的な個人の集まりで維持されてきたのと同じと言える。これは大きくは市民社会の成熟ということがあるのだろうが、政治団体の主導で国家権力への異議申し立てや意思表示の運動が形成されるという時代の終焉である。このことは必然であり、よき兆候といえる。かつての運動経験者からは危うく見えたにして、かつての運動の内包していた病根(内ゲバ等)はここを経て解決されていくことを考えるべきである。敵よりも味方と思われていたい部分の対立で自滅して行ったことの多かった日本の反権力・反体制運動の歴史を思いやる時、今の運動形態は必然的にでてきたのであって、古びた思考や経験で批判してはならない。批判したかったら自問しつつ自分たちの歴史を振り返れ。それだけの我慢をしてこそ、若い世代の運動と連帯する道は開ける。僕はテントの維持に関わりながら、政治党派の問題に気に配ってきた。これは現在の安保法案に対する闘いにも言えることであり、そこでは「むかし取った杵柄風」の発想をしてはならない。
新聞報道によれば安保法案の参院での採決を自公は再来週あたりに決めているとあった。テントひろばは来週には9月11日を中心に4周年の闘いを組む。さらに再来週には控訴審の最終弁論がある。安保法案廃案の闘いと重なり、結構大変な週になる。多くの皆さんの結集を訴えておきたい。(三上治)
テント設立4周年 9・11(金)経産省包囲行動
抗議集会(19時~20時)正門前・経産省包囲行動(20時~21時)
「怒りのヒューマンチエーン」≪鳴り物、光ものを持参で参加を)
9月9日(水)「表現の自由とテント」
―新しい市民運動の一つの試み―
18時開場・18時30分開始・終了21時日比谷図書館CH
パネリスト
内藤光博(専修大学教授 憲法学)
三上治(テントひろば運営委員)
神田香織(講談師・「テント応援団」)
黒田節子(原発いらない福島の女たち)
主催・問い合わせ先:経産省前テントひろば(電話070-7473-1947)
9月18日(金)テント裁判控訴審最終弁論
東京高等裁判所102号法廷 15時開廷(傍聴券受付14時半迄)
事前集会(13時半)報告集会17時(衆院第一議員会館大会議室)
東京高裁を埋め尽くす傍聴参加を!
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