東京の大家による「琉球新報」記者への賃貸拒否事件は絶対に許してはいけない Racism in Japan: A Tokyo landlord denies rental to an Okinawan newspaper editor
- 2016年 3月 21日
- 評論・紹介・意見
- 「ピースフィロソフィー」
『琉球新報』3月20日8面の「記者の窓」というコラムで新垣毅編集委員は、今回東京に赴任になった際、借りようとした物件の大家から「琉球新報には貸さない」という理由で断られたという信じがたい出来事を書いている。
人種差別を禁止する法律さえまだない日本では、賃貸などにおいて「外国人お断り」といった差別行為がいまだに横行している。しかし日本は国際人種差別撤廃条約を批准しており、日本国憲法は人種差別を禁止しているのだから、これは明らかに違憲、違法な沖縄差別、レイシズムである。
たとえばカナダに住む自分が日系の新聞社に勤めていてそれを理由に賃貸を断られたら、ただちに州の人権裁判所に持ち込むであろう。
沖縄は日本の一つの県であるが、独自の歴史、文化、言語を持つ地域であり、もとは独立王国であったところ日本に植民支配され、その地出身の人が日本本土で差別を受けてきたという歴史がある。その差別は今も米軍基地の大半を押し付けるという形で続いているのだ。
だから、その地の名「琉球」を冠した、その地を代表するメディアの一つである新聞社の社員が、その社の構成員であるという理由で賃貸拒否されたということは、その地とその地の人々に対する差別行為である、つまりレイシズムであるということは明らかだ。
これは絶対に看過してはいけない人権侵害事件である。このような差別を行った者は法的、社会的に処罰を受けるのは当然であり、内外のメディアも最大限に取り上げてほしい。
もちろんこれは沖縄に対する差別だけではなく、在日コリアンの人々、在日外国人の人々など日本における少数派に対するすべての差別をなくしていくためのウェークアップ・コール(警鐘)となるべきものと思う。
@PeacePhilosophpy ブログ管理人 乗松聡子
初出:「ピースフィロソフィー」2016.03.21より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2016/03/a-tokyo-landlord-denies-rental-to.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5982:160321〕
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