SJJA&WSJPOの【西サハラ最新情報】154 「国連西サハラ住民投票監視団」任務延長
- 2016年 4月 8日
- 評論・紹介・意見
- 国連平田伊都子西サハラ
あなただけに、そっと教えます。 MINURSO「国連西サハラ住民投票監視団」の延長が内定しました。 本来なら、4月28日に国連安保理が発表することになっていたのですが、国連安保理4月議長を務める中国の国連大使が、ばらしてしまったんですよね、、詳しい文書はこれから作成するようですが、国連の中で秘密という言葉はあっても存在しないようで、守秘義務などあるんでしょうか? が、我々、外野にいる者にとって、有難い限りです。 以下、西サハラに関する情報を包み隠さず申し述べます。
(1) モロッコ、必死に外交揺さ振り:
<占領>という言葉を使ったパン国連事務総長は謝罪し消去しろと、モロッコは国連事務総長に迫った。西サハラはモロッコの領土で、<モロッコ・サハラ>あるいは<南モロッコ>とモロッコは呼んでいる。CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)によると、「モロッコ国王陛下は自らロシアのプーチンをモスクワに訪ね、ケリー米国務長官には電話をされた。モロッコのサハラ領有権を容認する言質を取ろうと努力された」と、ある。が、失敗されたようだ。さらにCORCASは 、「カタール、ブルンジ、ニジェール、サウジアラビアなどが、モロッコのサハラ・モロッコ地方自治政策案を支援している」と、主張した。が、MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を排除しようとするモロッコの画策は成功しなかった。国連安保理はMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を承認し、その継続を発表した。
(2) 国連安保理がMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を承認:
2016年4月6日(日本時間4月7日)、中国国連大使劉結一が、「MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の任務の一年延期を、4月28日に公表する」と、国連安保理で発言した。MINURSOの任務は一年毎に更新される。4月1日、非公式に行われた4月予定会議で、西サハラ問題が議題に載せられた。その結果、西サハラ問題に関してはパン国連事務総長の報告前に少なくとも3回の会議を開くことを決め、5回開催された。
ボリビアとベネズエラの提案を受けた国連安保理は、4月8日にパン・ギムン国連事務総長に対して、西サハラ訪問を含む活動報告をするように求めた。
(3) EU(ヨーロッパ連合)法廷の決議とEU(ヨーロッパ連合)理事会:
国連安保理のMINURSO承認を受けて、4月7日、西サハラ側MINURSO代表モハンマド・ハッダードが、「モロッコは、<西サハラ領海におけるEUモロッコ漁業協定の廃棄>とのEU法廷決議に耳を貸すべきだ。決議は2015年12月10日に出され、EU理事会もモロッコに対して、<EUモロッコ漁業協定の廃棄>を促している」と、声明を出した。
さらにハッダードは、「EU理事会はモロッコの西サハラ領有権を承認していない」と、念を押している。2002年、当時の国連事務総長法律顧問ハンス・コラールも、「国連が指定した未確定地域(植民地)の天然資源に手を付けてはいけない。外国の採掘や漁労は禁止だ」と、西サハラを含めた植民地の天然資源に関して、国際法的結論を出している。
(4) AUアフリカ連合、国連と国連事務総長と西サハラを支援:
国連安保理のMINURSO承認を受けて西サハラ担当AUアフリカ連合特使ジョアキム・チサノ(元モザンビーク大統領)は、「アフリカ諸国はより一致団結して、西サハラ解放を妨害するモロッコに立ち向かっていかなければならない。かって、アフリカは南アフリカのアパルトヘイトと戦い、勝利を得た。今、我々に課せられた使命は、アフリカ最後の植民地・西サハラの解放だ」と、2016年4月6日、エチオピアのアジスアベバにあるAUアフリカ連合本部で声明を出した。
パン・ギムン国連事務総長のモロッコ訪問とモロッコ占領地・西サハラ訪問を食い止めたモロッコですが、国連安保理に圧力をかけてMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を撤去することはできなかったようです。 4月8日(日本時間4月9日)にパン・ギムン国連事務総長がモロッコの妨害にも拘らず決行した<西サハラ地域訪問>の経緯を、国連安保理で報告します。 さらに、2012年から現在に至るクリストファー・ロス国連事務総長個人特使に対するモロッコの妨害行為にも、言及するかもしれません。
人に意地悪をするもんではありません。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年4月8日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6019:160408〕
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