バーニーとトランプ ー 女3人の矢が不発に終わるか?米大統領予備選 -
- 2016年 5月 30日
- 評論・紹介・意見
- アメリカ大統領選平田伊都子
「世界のリーダーたちは、トランプ米新大統領誕生にガタついている」と、オバマ米大統領はG7サミットの記者会見で国際政治に疎いトランプを非難しました。 そういうオバマだって、7年前、新米大統領になった時には、外交政治ド素人だったじゃないですか?
オバマとトランプの政治的立場は全く正反対で、オバマ贔屓としてはトランプの不穏な発言には絶対反対です。 一方、変化を嫌う日本では、オバマと同じ民主党のヒラリーがいいと思っているようです。 少なくとも、米大統領本戦は<トランプ対ヒラリー>と信じているようです。が、、
(1) バーニー、トランプに不戦勝:
2016年5月25日、ABCアメリカテレビの人気番組<ジミー・キンメル・ライブ!>に出演した共和党大統領候補確定のドナルド・トランプが「民主党大統領候補のバーニー・サンダースと討論会をやろう。視聴率は上がるだろうし、集まった金は寄付するよ」と、バーニーに公開挑戦した。「よし!受けた!!寄付金の案は大賛成!!!」と、バーニーは即答した。ところが、2日後の5月27日になって言い出しっぺのトランプ陣営が、「ヤ~メタ、バーニーは民主党大統領予備選でまだ2番手じゃん。討論会は民主党が決めた一番手とやるよ」と、声明を出した。すかさずバーニーが、「おいおいトランプさん、何を怖がってんだ?まるでガキ大将だね、、」と、トランプの変心を促した。大金持ちトランプと貧乏人バーニーの対決には、他の2局も乗ったそうだ。極端な二人だが、夫々、共和党と民主党から馬鹿にされてきた経験を共有している。トランプが、「大統領候補のヒラリー・クリントンと民主党全国大会議長のデビー・ワッサーマン・シュルツがバーニー・サンダーズの指名獲得を妨害している」と、暴露している。
(2) 民主党全国大会議長・デビー・ワッサーマン・シュルツ:
共和党大統領候補トランプが名指しで非難した、デビー民主党全国大会議長とは何者?デビー・ワッサーマン・シュルツ民主党全国大会議長は、民主党の米大統領候補を指名する民主党全国大会の主催者で、長期の米大統領予備選を仕切る最高責任者だ。ヒラリー・クリントンがオバマに敗れた2008年の大統領予備選で、デビー・ワッサーマン女史はヒラリー陣営で働いていた。公平で公正であるべき民主党全国大会議長に、ヒラリーは子分を送り込んだのだ。バーニーは民主党予備選挙戦当初から民主党全国大会議長の非公正さと非公平さを非難し、組織の透明性を求めてきた。
イスラエル紙ハーレツが転載した情報紙ユダヤ・インサイダー・デイリー・キックオフは、「米大統領予備選の終盤戦に入った5月26日、デビーの進退に関して、議会会報が報告している。報告書によると、民主党下院議員たちは、デビーに議長職辞任を迫るかどうかを討議し、12人の民主党上院議員たちはデビーの処遇を議論しているそうだ」と、伝えている。
デビー・ワッサーマンは、1966年にニューヨークで生まれたユダヤ人だ。学生時代から政治活動に参加し、フロリダ州下院議員や上院議員を務めた後、ユダヤ女性として初のアメリカ連邦下院議員に選出された。ユダヤ女性政治家として、アメリカ議会のみならずユダヤ系アメリカ人社会でも強い影響力を持っている。
(3) 外れて欲しい女3人の矢、:
第一の矢はヒラリー・クリントン、アメリカ大統領を狙う。
第二の矢はデビー・ワッサーマン・シュルツ、アメリカ副大統領を狙う?
第三の矢はナンシー・CBSレポーター、大統領報道官を狙う?
第一の矢ヒラリーは的を外れて、米連邦捜査局(FBI)向かっている。国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていたことが、改めてアメリカ国務省監察総監室から明らかにされたからだ。さらに、ご亭主がアメリカ大統領時代に起こした3件の不倫事件が再びやり玉にあがってきた。そのうえ出てきたのが、彼がアーカンサス州知事時代の数知れないご乱行、、東京都知事もビックリの公私混同だ。ビル・クリントン知事お忍び不倫を、公用車を操りヒラリーの目をそらしてやった、二人の軍関係者ラリー・パターソンとロジャー・ペリーが暴露している。涙ぐましい滅私奉公に、ビル・クリントン知事は「ありがとう」も言わなかったと、二人は怒っている。
第二の矢デビーは的を外されそうになっていて、民主党議員団の査問会議に向かうことになりそうだ。
第三の矢ナンシーは、第一と第二の矢に操られてCBSテレビで散々バーニーに悪態をついてきた。「鏡で自分の姿をごらんよ」とか、「もう勝目はないんだから民主党結束のため選挙運動を止めなよ」とか、「選挙戦から撤退してヒラリーを応援しろ」とか、、ヒラリーとデビーの選挙メッセージをテレビ画面で代弁してきた。
が、美しくも楽しくもない3本の矢は、お早めに尽きて欲しい。
2016年5月27日、カリフォルニア州のサンディエゴ市で開かれたトランプ集会の後、トランプ支持派と反対派が衝突し、35人が逮捕されました。 トランプの移民追放政策に反対するラテン系の人々や人権団体が抗議の座り込みをし、それを潰そうとする反対派の中には、人種差別と白人至上主義を象徴する南北戦争の南部海軍旗が翻っていました。
サンディエゴ市はメキシコ国境に近く、三分の一以上がラテン系で、BBC英国テレビによると、毎日、千人や数百人単位でメキシコから不法移民が流れてくるそうです。
アメリカ新大統領によっては、アメリカとメキシコの国境に避難民テントが林立するかもしれません。
あなたがアメリカ人だったら、誰を大統領に選びますか?
文:平田伊都子 ジャーナリスト、 イラスト:川名生十 カメラマン
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6120:160530〕
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