SJJA&JWSPO【西サハラ最新情報】183 国連PKOのトップが西サハラ視察中
- 2016年 10月 25日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
2016年10月23日のNHK報道によると、安倍晋三首相が自衛隊観閲式で、自衛隊が南スーダンで国連のPKO=平和維持活動にあたっていることについて、「危険の伴う責務を立派に果たしている諸君に心から敬意を表す。今後も積極的平和主義の旗を高く掲げ、国際的な舞台で活躍してほしい」と、訓示されたそうです。 その、国連PKOのトップが西サハラを視察中です。 自衛隊が西サハラPKOに参加する可能性は、大いにあります。 積極的平和主義を謳われる安倍首相におかれましては、ぜひ国連PKOの最前線西サハラを視察されて、国連PKOトップと首脳会談されることをお勧めします。
(1) 国連安保理でMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)の審議:
2016年10月18日(ニューヨーク時間)、国連安保理で非公開のMINURSO討議が行われた。APS(アルジェリア・プレス・サービス)などの情報によると、国連西サハラ住民投票を巡るポリサリオ戦線(西サハラ難民政府)とモロッコとの直接交渉が、暗礁に乗り上げたままであることが討議されたそうだ。そして、アメリカ国連代表が、国連安保理として西サハラ地域に視察団を送る事を提案した。アメリカの提案は満場一致で承認された。
(2) 国連PKOトップの西サハラ視察:
10月19日、国連報道官が、「PKOのトップで国連副事務総長のハーベ・ラドスがモロッコ、西サハラ、そしてアルジェリアのティンドゥフを、10月21日から25日にかけて視察する。MINURSOとして知られている国連西サハラ住民投票監視団を訪れる機を利用して、両当事者に交渉と停戦を促すため、個別会談をする。またモロッコ占領地のラユーンでは、MINURSO要員の職場復帰と業務停滞の問題を検証し解決策を探る。訪問の途中に、モロッコ軍とポリサリオ戦線が膠着状態にあるゲルゲラト国連緩衝地帯も、ラドスPKO代表は視察する積りだ。さらにラドスPKOトップは、当該地で国連軍事監視業務の困難な状況を検証する。それから彼はパリに飛んで、フランス語圏PKOの閣僚級会議に顔を出す」と、発表した。
ハーベ・ラドス(66)は2011年10月からPKOトップの任務に就いている。フランスのベテラン外交官でインドネシアや東ティモールや中国などの大使を歴任した。
(3)10月21日の定例国連記者会見:
定例の記者会見でアラブ系の記者が、「国連事務総長がモロッコのマラケシュに行くそうだが、モロッコ高官と連絡を取る積りなんだろうか?」と、質問した。ステファン・デュジャリック国連報道官は、「ああ、モロッコね、、ここで言ったように、まだ公式には発表していないんだけど、国連事務総長はCOP22に参加するというのは事実だ。秘密ではない。もしモロッコ当局への公式訪問に関して情報があれば、発表する」と、答えた。「クリストファー・ロス国連事務総長個人特使の西サハラ地域訪問はどうなっているのか?」という記者の質問に、「ああ、ロスね、、ロスの訪問に関しては、何も進展がない。しかしご存知のように、PKOトップが現在、ラユーンや西サハラ地域、それからティンドゥフにも行く予定になっている。今回のPKO派遣団は、西サハラ問題に関する国連任務の一部だ」と、国連報道官は答えた。
どうして、8年間にわたって国連西サハラ住民投票の実現を目指しているクリストファー・ロス国連事務総長個人特使を同行させないんだろうね??ロスさん、可哀想、、
(4)PKOのトップが西サハラ難民キャンプ入り:
10月23日、PKOトップはMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)代表のキム・ボルダクなどを伴って西サハラ難民キャンプに入った。ロス西サハラ国連事務総長個人特使
の姿はなかった。ラドスPKOトップはアブドッラー西サハラ難民政府国防大臣などと会談した。ラドスは、「国連事務総長が急かせているにも拘らず国連平和交渉が沈滞していることに対して、ポリサリオ戦線西サハラ難民政府が納得していないことは十分に承知している」と、語った。それに対してアブドッラーは、「国連は西サハラ民族に約束した<民族自決権と独立>の実現に向けて、誠意をもって早急に行動すべきだ」と、国連を詰った。
10月24日(日本時間25日)の定例記者会見で記者の一人が、「モロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンに入ったラドスPKOトップを迎えようとした西サハラ住民を、モロッコ占領警察が不法な暴力で蹴散らしたと聞いている。事件を説明して欲しい」と、質問した。国連報道官は、「その事件に関して、何も報告を受けていない。では、よい午後を」と、会見を切って出て行った。
帰りに立ち寄るパリ?
パリで開かれるPKO会議とは??引っかかりますね、、しかも、フランス語圏のPKOに関する閣僚級会議だそうです。国連PKOは、フランス語を喋る国や地域、中央アフリカ、マリ、ハイチ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、そして西サハラなどに派遣されています。
フランスはモロッコの庇護者だから、当然、モロッコを招待するんでしょうね?
西サハラも招待されるのかな??
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年10月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6319:161025〕
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