「すべては疑いうる」-どうも怪しげな話が多すぎる
- 2017年 2月 16日
- 交流の広場
- 山川哲
最初にお断りしたいが、僕は北朝鮮を支持していない、それどころか絶えず不信感を持っている。しかし、14日のニュースには何とも怪しげな疑惑が残る。この夜、北朝鮮の金正恩の異母兄にあたる金正男が殺害されたというニュースが飛び込んできた。映画の007まがいの「毒殺」だという。翌朝のテレビでも、どのチャンネルを回しても「北朝鮮による暗殺」「非情な金正恩による兄貴殺し」そして「北朝鮮とはかくもひどい国柄だ」と決めつけられた報道が一斉に流されていた。誰もがこのことを信ずる。
「僕は異常に疑い深いのかしら?」と、ふと自己嫌悪に陥りそうなんだけど、こんなみんながたやすく信じ込まされる方法、しかもスパイ映画もどきの「見え見えのやり方」で、兄を暗殺するものであろうか?かの国への世界的な逆風から考えても、また、今まで何人もの政府要人を粛清してきたことへの国内外の批判・不信感から考えても、あるいは「兄弟殺し」という東洋的倫理からいえば、誠に忌むべき所業と言われるであろう事、しかも表向き何の理由もない、現政権にとっては無害な人物を、「暗殺」というやり方で、殺すことに何か特別のメリットがあるのであろうか?
解説者の辺さんの一見誠にうがった意見を聞きながらも、彼が思わず「こんなことをすれば、北朝鮮国内でも金正恩体制への大きな批判が起こるのではないか」と言っている事を真逆に考えてしまう。つまり、北に混乱を持ちこむために誰かが仕掛けた「罠」ではないのか?と。
北が「大陸間弾道ミサイル」の発射に成功したのはつい先日である。その前には原爆実験にも成功している。この事を恐怖に感じている国は多い。何とか阻止しなければと躍起になっている。そして…?
片やアメリカでは、フリン補佐官が誠にあっさり辞任した(どうも辞任に追い込まれたようだが)。彼は親ロシア派の一人と言われているようだ。そして彼を辞任に追い込んだのは、補佐官就任以前の駐米ロシア大使との幾度かの電話連絡と、その内容を副大統領に詳細に報告しなかったからだと言われている。でも、就任以前の話なら、話をしても、報告しなくても何も問題ないんじゃないのかねえ…?あるジャーナリストが言っていたが、この程度のことで「辞任させられる」ことはかつてなかった、と。誰がこの「電話連絡」を暴露したのか?反ロシア派の敵対者か?親イスラエル派の娘婿か?気になるのは、辞任前のフリンが自民党の議員に漏らしたと言われる(「東京新聞」)「トランプの政権は一年ぐらいしか持たないだろう」という言葉だ。この問題ももっと探っていけば、「藪」から「蛇」が出ることになるかもしれない。
そして日本でも、なぜいきなり「慎太郎」が開き直ったのだろうか?この辺の事情も、報道されていることを素直に鵜呑みするわけにはいかない。むしろ、報道されている「事実」と、それがあたかも本当らしく思える点にこそ虚偽が潜んでいると思えるのであるが、いかがでしょうか?
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。