平和創造研究会・第4回学習会(3・18)
- 2017年 3月 10日
- 催し物案内
- 宇井宙
平和創造研究会・第4回学習会
テーマ:「ガンディーと非暴力主義」
報告者:高橋静香(ガンディー研究会会員)
日時:2017年3月18日(土) 18:15~20:45
場所:東京ボランティア・市民活動センター(TVAC) 会議室C
〒162-0823 東京都新宿区神楽河岸1-1 飯田橋駅隣・セントラルプラザ10階
JR・地下鉄、飯田橋駅徒歩2分
地図 http://www.tvac.or.jp/images/infomap_large.gif
資料代:200円
【報告の趣旨】
(主宰者より):従来の、そして現在においても支配的な考え方は「平和を守るためには暴力(軍事力)が必要だ」というものだろう。ところが、この考え方には周知のパラドックスがつきまとう。自国の防衛力強化は他国の猜疑心を強め、他国の防衛努力を促し、それはブーメランのように自国の猜疑心と防衛力強化へと跳ね返ってくるから、防衛力拡大競争はどこまでいっても安心感をもたらすことはなく、「最低限の自衛力」は無限に増強され続けることになる。このパラドックスを打ち破る思考法こそ、「非暴力に徹することによってこそ平和が得られる」という考え方であり、日本国憲法もこの考え方に立脚していると、当初は誰もが考えていた。ところが、自衛隊の創設以後、政府は「自衛のための最小限度の自衛力は憲法9条に反しない」という解釈改憲を行い、今では国民の圧倒的多数もこの見解を支持していると言われている。
これに対して、「9条は戦争放棄と戦力放棄、すなわち非暴力と国家非武装の原理を定めたものだ」と主張すると、「非現実的だ」という決まり文句の批判が返ってくる。しかし、この常套句の批判は本当に正しいのだろうか。非暴力が非現実的だというのなら、ガンディー率いるインド国民会議が、非暴力抵抗運動によって、無敵と思われた大英帝国に勝利し、独立することができたのはなぜなのか。ガンディーの始めた非暴力運動は、その後の米国の公民権運動においても偉大な成果を獲得し、現在の沖縄の基地反対闘争においても、現実を変革する潜勢力を秘めているのではないだろうか。決して「非現実的」との一言で片づけられるような思想ではない。今、改めてガンディーの非暴力主義に学ぶ意義は決して小さくない。そこで、今回の学習会では、学生時代からガンディー思想を勉強し、大学卒業後も10年近くにわたってICUガンディー研究会に所属して研究を続けてこられた高橋静香さんに報告をお願いすることにしました。
(報告者より):日本国憲法第9条の掲げる、非武装による平和の実現を目指すとき、非暴力主義について考えることを避けることはできない。インドのM・K・ガンディーは、生涯の出来事を通じて非暴力主義に目覚め、実践していったことはよく知られている。現代の日本に生きる私たちが、日本国憲法を通じて、戦争と平和の問題を考え、実践する上で、ガンディーの非暴力主義から学べることは何か、また非暴力主義がたびたび晒される「非現実的」という批判にガンディーの実践が答えうるものなのか、をも併せて考えたい。
お問い合わせ:平和創造研究会
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