たんぽぽ舎から TMM:No3023
- 2017年 3月 11日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No3023】
2017年3月11日(土)地震と原発事故情報-
3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.福島第一原発事故から6年拡大する被害
今こそ 住宅支援の継続、コミュニティ丸ごとの避難、
収束作業員の権利保証を (その2)
小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)インタビュー
★2.福島第一原発事故は今も収束してはいない
被害者のために完全な賠償をして下さい
命がけで収束作業を続けている作業員を、
搾取や危険にさらさないで
3・11東電合同抗議へメッセージ
武藤類子 (福島原発告訴団)
★3.新聞・TVより2つ
◆大震災からから6年、
避難者が直面する根強い「風評」と「風化」
(3月10日TBS系(JNN)20:28配信より)
◆小泉元首相 脱原発訴え 郡山「生き方塾」特別講演会
(3月3日福島民友新聞より)
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・脱原発川柳【デタラメの極みの果ての再稼働】 乱 鬼龍 (転載自由)
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┗■1.福島第一原発事故から6年拡大する被害
| 今こそ 住宅支援の継続、コミュニティ丸ごとの避難、
| 収束作業員の権利保証を (その2)
| 小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)インタビュー
└──── (3月5日発行「人民新聞 通巻1608号」より
許可を得て転載)
◎地上と地下に3基分の石棺を
―東電が「過去最高の毎時650シーベルトを計測した」と発表しました。
人間が入れず、ロボットも故障するとてつもない線量の中で、建屋内の
状況と、必要な収束作業をお聞かせ下さい。
小出…650シーベルトは、人が1分以内で必ず死ぬ線量です。そして数値
だけでなく、どこでそれが計測されたかが重要です。コンクリート製の
台座=「ペデスタル」の壁と格納容器の壁の間でした。国や東電が発表し
た廃炉工程表の中で、熔け落ちた炉心をいつどのように取り出すかが書か
れています。ペデスタルの内部に饅頭のように堆積しているとして、それ
を掴み出して収束させる、と言ってきました。
しかし私は、「熔けた炉心は、ペデスタルの外側に流れ出ているはず
だ」と言ってきました。今回の調査で、外部に流れ出て飛び散っている
ことが証明されました。それがあの線量です。熔け落ちた核燃料を、
東電が言うように掴み出すことはできません。
石棺を作り、封じ込めることが必要です。しかし、チェルノブイリ事故
の石棺は1基のみで地上だけに作りましたが、福島は外側から地下水が
どんどん流れ込むので、地上と地下の両方に作ることが必要です。しかも
3基分です。とてつもなく長く大変な収束作業になり、今生きている私た
ちは、誰もその終わりを見ることはできません。
―そうなると凄まじく多くの作業員が必要になりますが、現実には作業員
の労働者としての権利や健康維持は踏みにじられています。
小出…チェルノブイリの収束作業は80万人もの人々が必要とされました。
しかも、事故後30年たった昨年末に新たに石棺を作り直しましたが、その
第2石棺も耐用年数は100年。そのたびに新たな作業員が必要になります。
福島はさらに時間がかかるため、何十~何百万人もの作業員が必要にな
ります。政府は、福島原発事故を忘れさせるためにオリンピックを盛り上
げ、労働者を五輪に吸い上げているため、作業員は不足し、手当もされま
せん。
すでに山谷や釜ヶ崎の日雇い労働者も多く働いていますし、外国人労働
者も増えて、現場で言葉が通じなくなっていると聞いています。
今後、ますます外国から労働者を大量に収束作業へ連れてくるでしょ
う。そのような形での作業員の投入や差別的な扱いは、許されません。
(その1は、3/10発信【TMM:No3022】に掲載しました)
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┗■2.福島第一原発事故は今も収束してはいない
| 被害者のために完全な賠償をして下さい
| 命がけで収束作業を続けている作業員を、
| 搾取や危険にさらさないで
| 3・11東電合同抗議へメッセージ
└──── 武藤類子 (福島原発告訴団)
毎月、たゆまず東電への抗議を続けておられる皆さまに、心から感謝致
します。
今年も3月11日が近づいてきました。昨年11月に福島県沖で起きた震度
5弱の地震が、多くの人にあの日をフラッシュバックさせ、改めて傷の深
さを思い起こさせました。
今、福島では次々と避難指示が解除され、人々の帰還政策が推し進めら
れています。
しかし、この帰還は「安全になったから帰って下さい」と言うものでは
ありません。「一応除染をしたから、まだ放射性物質はあるけれど我慢し
て暮らして下さい」と言う意味です。
避難指示が解除されていく地域に、除染廃棄物の黒や青い袋が山積みさ
れ、減容化のための焼却炉が作られています。復興のお金を巡って多くの
原発関連企業が群がり再び利権を得ています。
3月末に解除となる予定の地域ではまだまだ放射線量が高い場所があり
ます。帰らない決断をしている人も多いです。昨年解除になった地域の
帰還率は1割にも達していません。待ちわびた帰還をしても、商店や病院
の充実は十分とはいえません。農作物が作れない地域もあります。
帰還政策の中で国と福島県は区域外避難者の、住宅無償提供の打ち切り
を強行しようとしています。
原発事故のために、人生を大きく変えられてしまった避難者たちが、
この打ち切りが実行されると、住まいを失う、または経済的に困窮する、
家族がバラバラになる、ようやく慣れた環境から出なくてはならない、
望まない帰還をしなくてはならないなど更なる困難の中に置かれます。
一方、避難解除や、新たな企業誘致のために莫大な復興予算が投じら
れ、2020年までに避難者をゼロにすると言う福島県の目標のもとに、帰還
困難区域の除染や次々と居住モデル地域の建設が計画されています。
福島第一原発から4kmのところに建設される双葉町アーカイブ拠点に
は、50億の予算が計上され、原発事故の様相を伝えるための施設が建設さ
れ、高校生の修学旅行を誘致するということです。
しかし、原発事故は今も収束してはいないのです。
汚染水のタンクは今も増え続けています。期待された凍土壁はほぼ失敗
だと言われています。
福島第一原発1・2号機の120メートルある排気塔を支える鉄骨に生じ
たヒビや破断が増え、いつ倒れるか心配でなりません。
2号機のデブリと思われる写真が公開されましたが、そこは650シーベ
ルトだそうです。そこに人が5秒いたら放射線障害で確実に死亡する線量
なのだそうです。サイト内には何十年も人が近づけない場所が数多くある
のです。
福島県の子どもたちの甲状腺がんは疑いを含めて184人となりました。
仮設住宅や避難先で鬱(うつ)を発症する人が増えています。
福島県の自殺率は2014年から急激に増加の一途を示しています。
若者たち、子どもたちに向けた放射能の安全キャンペーンが大変な勢い
で繰り広げられています。昨年夏には、疑問だらけの放射能に対する教
育施設が開設し、小学生を中心として3万人の人が訪れています。
暮れには福島県の高校生が第一原発の収束作業を見学に行きました。
18歳以下は働けない場所です。
原発がひとたび事故を起こしたら、何百年もの間、土や海や山の木々は
汚染され、人々の人権は奪われます。
危険と諦めと分断を強要され、生きる尊厳を傷つけられます。
世界のどの原発ももう動かしてはなりません。
原発はあらゆる命と共存はできません。
こんな悲惨な事故は福島で終わりにしなければなりません。
そのために私たち福島の被害者は立ち上がり、つながり、必死で声を
あげています。
2012年に、私たち福島原発告訴団14000人が行った告訴により、2016年
2月にとうとう東電の元幹部3人が強制起訴されました。日本の行政機関
である検察はこの大事故の責任を裁判で問う必要はないとの結論を出しま
したが、市民による検察審査会が強制起訴を決めました。
ようやく、3月末に公判前整理手続きが開かれることになりました。
事故の責任を問う刑事裁判がもうすぐ始まります。
私たち原発事故の被害者がどんなにこの裁判を待ちわびたことか。沢山
の告訴人が既に亡くなり、健康を害したり、精神的に追い詰められていま
す。一日も早くこの裁判が開かれることを望みます。どうかこの裁判を注
目し、支えて下さい。
沢山の損害賠償裁判や行政裁判も結審を迎えます。全国の原発差し止め
裁判も続々と提訴されています。
皆さん、諦めずに行動していきましょう。もうすぐ春がやって来ます。
力を合わせ、ともに歩んで行きましょう。
最後に東電のみなさん
あなた方の会社が起こした原発事故は、何十万という人々の暮らしと
なりわいと地域のつながりと健康と命を奪ったのです。
そのことに真摯に向き合い、被害者のために完全な賠償をして下さい。
二度と同じ悲劇を繰り返さないために、原子力から即時撤退して下さ
い。
命がけで収束作業を続けている作業員を、搾取や危険にさらさないで
下さい。
そして裁判では、隠さずに真実を語って下さい。
それが、未曽有の事故を起こした企業の取るべき道だと思います。
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┗■3.新聞・TVより2つ
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◆大震災からから6年、避難者が直面する根強い「風評」と「風化」
東日本大震災からの発生から6年。福島県ではおよそ8万人が避難生活
を続け、このうち2万6000人余りが自主避難しています。「原発いじめ」
という言葉が示すように、根強い風評や風化が「復興」を妨げている現状
を取材しました。
10日、震災と原発事故で関西に避難している人たちがイベントを開き
ました。森松明希子さん(43)。福島県郡山市から避難して、もうすぐ6
年が経とうとしています。原発事故の2か月後、森松さんは、当時3歳
の息子と0歳の娘を連れて、福島からおよそ550キロ離れた大阪へ避難し
ました。
郡山市は原発事故の避難指示区域外でしたが、森松さんは子どもたちを
放射能の影響を心配しなくていい環境で育てたい思いから、自主避難を決
断しました。夫は仕事で郡山に残り、家族は二重生活。
福島県は、森松さんのように避難指示区域外から自主避難した家庭を
支援するため、避難先の住宅の家賃を全額負担してきました。
しかし、今月で打ち切られます。
「今、住宅の支援を受けている人たちは、住宅が避難するための命綱
なんです」(森松明希子さん・先月)
打ち切りの対象となるのは2万6000人あまり。来月からは、経済的な
負担がさらに重くのしかかります。
「打ち切るということは、避難したいと思う人が避難を継続できないと
いうことになる」(森松明希子さん)
震災と原発事故でピーク時には、避難者が15万人余りに上った福島県。
今月31日に、浪江町と川俣町の一部と飯舘村、来月1日には富岡町の避難
指示が解除されます。これで、放射線量が比較的高い「帰還困難区域」
などを除き、再びふるさとで生活することができます。
そんな中、今も県外で避難生活を送っている人たちに、差別や偏見の目
が向けられています。
「いままでなんかいも死のうとおもった」(避難した生徒の手記)
クローズアップされたのが、「原発いじめ」です。
「偏見や差別に基づく被災児童生徒への、いじめ防止に努めてまいり
たい」(松野博一 文科相)
松野文部科学大臣は10日、「原発いじめ」の実態を把握するため、初め
て、全国規模の調査に乗り出す考えを示しました。
「(福島に)残っている人を決して責めているわけではない。ただ私の
選択も認めてほしい」(森松明希子さん)
森松さんは、まだ、子どもたちと一緒に郡山へ戻る決断ができません。
さまざまな事情で、自主避難を続ける人たちへの理解が進むことを望んで
います。
「平穏な暮らしを取り戻して、安心して暮らせる社会があることが復興
だと思う。当事者として発信できることを伝えたい」(森松明希子さん)
(3月10日TBS系(JNN)20:28配信より)
◆小泉元首相 脱原発訴え 郡山「生き方塾」特別講演会
小泉純一郎元首相を講師に迎えた「下村満子の生き方塾」の特別講演会
は2日、郡山市で開かれ、小泉氏が原発再稼働に反対し、脱原発を訴えた。
市民ら約2100人が聴講した。パスポート、城南信用金庫の協賛、福島民
友新聞社などの後援。
小泉氏は「日本の歩むべき道」と題して講演。東日本大震災、原発事故
を振り返り「首相時代に原発は安全で安くクリーンと信じていたが、全て
うそだった」と述べた。「反省の意味も込めて、原発ゼロに取り組んでい
かなければならない」と力説した。
自然エネルギーの可能性などを指摘し「変化に対応する能力は日本に
ある。ピンチをチャンスに変え、今よりもいい国造りを進めていくのが、
若い人に対する私たちの役目だ」などと話した。講演に先立ち、下村満子
塾長があいさつした。
原発ゼロに行き着く
講演会終了後、小泉氏は記者会見を開き、本県への思いなどを語った。
「福島の復興は大事だが、同時に災害をどうやって克服していくかを同
時に考えていくと、原発ゼロに行き着く。県民が変化に対応し、災害を克
服していくと信じている」と述べた。また「(原発再稼働に対し)根強く
反対運動を展開していくことが大事だ」と話した。
(3月3日福島民友新
聞より)
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