講演「難民・移民・アイデンティティ=ドイツの経験」2016年10月の紀要掲載のお知らせと補足
- 2017年 10月 20日
- 評論・紹介・意見
- 梶村太一郎
読者のみなさま、
昨年夏からこのブログへの投稿が1年ほど途絶えていた大きな理由は、1昨年2015年秋からの難民問題に注目して、その報告を『世界』などの活字媒体に連続して執筆していたことが大きな理由です。
またそれに加えて、立命館大学の国際言語文化研究所で、昨年2016年10月に行われた連続講座⇨「越境する民・変動する世界」の企画のひとつで講演をしたことなどで訪日して、いささか落ち着かない状態でした。
それに、なりよりも横文字の資料文献を読む速度が年齢相応に鈍化しており、読書中にこの写真のような膝の上の猫のアズキと一緒に眠ってしまうことも増えています。明日うらしまもいよいよの老化にはいかんともしがたしです。
さて言い訳と愚痴はこれだけにして、上記の昨年の連続講座の講演のすべてが掲載されている同研究所の紀要第29巻1号がようやく出版され、同時に⇨すべてがネットで閲覧できますのでそれをお知らせいたします。
そのうちで梶村の講演は⇨「難民・移民・アイデンティティ=ドイツの経験」です。
かなりの長文ですが、原文はレジュメをもとに話したものですので、あまり読みにくくはないと思いますので、お読みくだされば幸いです。
ただ、この講演では写真を多く示しましたが、印刷物のPDF表示のため鮮明に見えないものがありますので、読者の理解のため、使用した21点の写真のうちの3分の1の7点を以下ここに掲載しておきますので、ご参考としてください。番号は本文のものです。
ここの写真はクリックすれば拡大してパノラマで見れます。
写真1 |
写真4 |
写真11 |
写真13 |
写真15 |
写真20 |
写真21 |
なお、この講演はちょうど1年前のもので、その後難民問題は先月のドイツ総選挙にも非常に大きな影響を与えており、これについては今週からようやく連立交渉の予備会談が始められるドイツの新政権成立の見通しがついた段階で、できたら年末までにしかるべきところで詳しく報告する予定です。
とりあえず、上記の講演に関して、読まれた方のご感想、ご批判をいただければ嬉しく思います。
なお、写真について本文にはない説明をここで補足しておきます。
写真1は、1939年8月23日の独ソ不可侵条約の秘密協定に基づき、9月に独ソ両軍がポーランドに侵攻し、両軍が出会った直後の9月28日にリッペントロップがモスクワへ飛び、スターリンとの間でポーランドの地図に線引きして両軍の占領地域を現実に応じて確定したものです。だから赤鉛筆の日付は39年9月28日となっています。
写真20は主に、Die Zeit Nr.49. 3.Dezember 2015です。
もう一つ補足しておきます。本文で紹介しましたホモ・ミグランスという概念を提唱したクラウス・バーデ教授の論文、論評などを集大成した書籍が先月出版されましたので、早速求めてみましたら、この通り:
なんと、600ページの大著で、小さな文字でこれも事典並の構成です。
世論を啓蒙するだけの重みのあるドイツのアカデミズムの良き伝統と業績の実例ですね。
実際にこの著作はレンガの一つぐらいの重さがあります。これは彼の研究所に関する論考のページです。
初出:梶村太一郎の「明日うらしま」2017.10.15より許可を得て転載
http://tkajimura.blogspot.jp/2017/10/blog-post.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7043:171020〕
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