テント日誌11月25日…祈祷僧侶団の怒りの太鼓
- 2017年 11月 29日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1807日後(9・11から2335日)
多くの温かい方々の訪問もあって 11月21日(火)
この日は雲のない「暖かな」経産省前の座り込みだった。勿論、横断幕を括りつけた無人の椅子が冷たい風で倒れもしたが、多くの温かい方々の訪問もあった。最初の訪問者は若い機動隊員。Yさんが幟旗をセットしているところに、いきなり「何時まで?」「何人?」と話しかけてきた。いつも、ただアリバイ的に通り過ぎるだけの彼らにしては珍しい。
次は自転車に乗ったおじさん。「原発賛成」とつぶやきながら、昼休みの経産省職員らで賑わう歩道上を、かなりの速度で走り去ってしまった。少しでも立ち停まってくれたなら、ご意見をお聞きしたのに。
三人目は、1時前後になって地下鉄の出口から現われた男性。「ごくろうさま」と言いながら、私の座っている椅子の隣に座った。「シルバーパス」でやってきたと言う彼は、以前に座り込みに参加したとき、同じように「シルバーパス」を使っている男性(Mさんらしい)と話をしたと話してくれる。その男性(おそらくMさん)に都営バスのルートマップを渡して欲しいと頼まれた。
四人目は、マスク姿の男性。やおら、懐から財布を出してカンパ箱に一枚入れてくれた。それを見たYさん、すかさずお礼を言いながら出来たてのテントニュースを手渡す。2時を過ぎていたので、私は虎ノ門方面へ昼食に行った。その間にも通りかかった何人かの方々からカンパを頂いたそうだ。3時が過ぎて後半の担当者が揃うと座り込む椅子が満席になった。(O・E)
裁判に参加した人はSさん自家製パンを知っていた 11月22日(水)
座り込みグッズを運んでいる時、セットするとき暑かった。いや寒くはなかった。
それでも、ずうっと座っていると寒い。雲が出てきて日が陰れば寒い。なにしろ今日は今年一番の寒さだというので、Oさんはすっかり防寒対策をとってきた。
今日の裁判は、沖縄・高江のヘリパット建設の時、各県の警察機動隊員が動員された。大阪の機動隊員は「土人」発言をした。この時、警視庁の機動隊も動員されていた。
それに対して「警視庁機動隊 沖縄への派遣は違法 住民訴訟」が起こされている。11/22は第4回口頭弁論で、それに参加する人、参加した人がテントに寄ってくれた。その人たちに、Sさんの自家製パンを差し出したら、テントのブログを読んでいる人が「あっ、ブログに書いてあったパンですね」と言い、「おいしい」と言われた。
夕方から雨が降り出した。こういう日は早く終わってもいいと思う。(T・I)
落ち葉の音を聴きながらの座り込み 11月23日(木・祝)
自宅を出発する時は、雨が降っていたが座り込みの準備を始める頃には、雨も上がり13時頃には、すっかりお天気も良くなり太陽の陽射しが何とも心地良い。ヨーカンさんが2011年より書き始めたという、スケッチブックを取り出して子供さんから頂いたという12色の色鉛筆でスケッチを始める。
その後、中学生らしい男の子二人がサイクリング車で通りながら「原発反対」だってと言いながら通過、結構「のぼり旗」や「横断幕」を見ている事が解り嬉しくなった。私は、平日担当なので休日の座り込みは久し振りの事、閑散とした官庁街で晩秋の落ち葉のカサカサという音を聞きながらの座り込みで、鋭気を養うものもおつなものだ。
14時頃からヨーカンさんの指導で、White Christmasの楽譜を見ながら4人で合唱その他数曲を歌った。15時前になると、太陽がビルに隠れて若干の寒さを感じたが、今日は祭日なので座り込みは16時で終了、楽しく楽な一日でした。 (Y・R)
祈祷僧侶団の怒りの太鼓 11月24日(金)
12時過ぎには、Tさん、Sさん、Yさん、私の4人での座り込みスタートだ。このところの冷え込みで,みんな冬支度には抜かりがない。椅子を並べて座っていると、「頑張ってください。」と声掛けをしてくれたり、黙ってカンパ箱の前で立ち止まり、野口英世を入れていったりする方もいた。
2時頃に今日はお世話になります。と言ってくる男性がいた。何だろう?と思っていると、「今度名前を変えましたので宜しく。”呪殺”というのはどうも引いてしまう人がいますので。」との説明で分かった。以前「呪殺祈祷僧団四十七士」と名乗っていた人々だ。改名して「日本祈祷僧団四十七士」だそうだ。略称は共に、JKSである。
3時から祈祷が始まる。福島原発の過酷事故を何ら反省もせず、原発再稼働に突き進む安倍政権を鋭く追求している。亡国の官庁経産省を徹底的に糾弾するその念仏の声は霞ヶ関一帯を震撼させる。我々も、太鼓を借り力強く太鼓をうち鳴らした。
途中、わずかであるが雨がちらついたが、たいしたことがなかった。今日は参議院議員会館で経産省との院内ヒアリング集会があり、前半の座り込みは普段より参加人数が少なかった様でもある。(S・S)
経産省よ、脱原発に変われ! 11月24日(金)
院内ヒアリング集会「核燃料サイクル・日米原子力協定・エネルギー基本計画」には30名が参加、経産省・外務省・内閣府の計6名から事前提出の質問について回答を得た。
核燃料サイクルは、(破綻しているけれど)止めるとは言えない、使用済み核燃料は再処理が前提、保管管理の目途が全く立っていないが再稼働はする(プルトニウムが増える)、(見かけの)プルトニウム減のためにプルサーマル発電を進める。日米原子力協定については、今後の進め方について国民に明らかにする予定はない。エネルギー基本計画は、これまで同様、エネ庁が選んだ委員とエネ庁の考え方で今年度中に策定する。
と、不満足な回答であり、厳しく追求したが時間が足りなかった。
この模様は、既に三輪祐児さんが動画をアップしてくれた。
https://www.youtube.com/watch?v=Of5E2zdkZic
17時からの経産省本館前行動は、久方ぶりにTさんの司会・コールで実施、東海第2の20年延長申請が出されたこともあり、経産省に強く抗議した。夜も、座り込みが続き、暖かいレモンティーが振舞われ、火炎瓶テツさんらの行動もあって、本館前は抗議の声が止むことがなく続いた。(K.M)
変哲もなく過ぎゆくような日々から 11月24日(金)
時間の流れは速いものでいつの間にか年末が近づいた。ハロインで街頭に出ていた女子高校生の「次はクリスマスね」という対話を耳にした時早いこった、と笑ったが、そのうちに街ではクリスマスソングも聞こえてくるのだろう。紅葉を始めた霞が関一帯の木々をめでてゆっくり散歩でもしたいとおもうのだが、なかなかそうはいかない日々だ。変哲もなく過ぎゆく日々の中で
小さいけれど重いドラマにも直面している。僕らの年代では少なからずやってくる訃報を耳にすることもその一つかも知れない。
今日は院内ヒアリング集会があり、祈祷僧侶団の祈祷会があった。経産省前テントひろばとすればちょっとした動きなのだが、僕は祈祷会に参加した。思えば祈祷会も回を重ねること、指では数えきれないほどになったのだが、毎回、祈祷としてなされる話がおもしろい。話に刺激されながらあれこれと想像を膨らませることも楽しい。僕は最近、他のところで西郷隆盛について書いたことを想起しながら、あれこれを想像した。来年の大河ドラマが林真理子原作の「西郷どん」になることに因んで、前から気になって探索していた西郷隆盛のことを少し書いたのだ。それが尾を引いていたのだろうか。
西郷隆盛は明治六年の征韓論からその後の西南戦争にかけての行動から、明治維新という近代化に対する反動を演じたという評価を僕らは刷り込まれてきた。地元での西郷人気は高いから、そこで育った人は別なのかもしれないが、僕はそうだった。古くは福沢諭吉や中江兆民、さらには内村鑑三などの西郷評価があり、これはよく知られている。左翼というか、進歩史観でも、西郷を士族におされた反動という見る見解と、西郷は永久革命者であり、明治維新の第二革命を目ざしたとされる評価がある。西郷は明治維新の最大の功労者にして、反動(逆賊)になった存在とみなされ、明治維新の最大の謎とされてきた。これには様々の理由があるのだけれど、多くの人たちを西郷の探索に赴かせてきた。
僕は反動としての西郷と永久革命者としての西郷に引き裂かれた状態で探索をしてきたのだが、段々と西郷の永久革命者的な評価に傾いてきている。西郷は儒教の信奉者であり、彼の言葉は現在の革命の言葉とは隔たりがあり、そこは注釈がいる。例えば、「道義の革命」あるいは「道義」ということをどう解釈し、理解するかというように。これらは差し置いて、僕の西郷の評価には大久保利通や伊藤博文らの日本の路線に対する疑念、そこからくるこれまでの明治維新の評価に疑念があることと関係している。僕らが刷り込まれてきた明治維新と日本の近代化の像に疑念を持つことと深く関係している。
経産省前にテントを張って以来、僕は日比谷公園やその周辺を散歩する。それと同時に、明治維新前後のこの周辺のことに想像を働かせ、歴史的な散策を楽しむ。それには日本の国家権力や権力についての探索が伴う。西郷隆盛の出入りしていた薩藩邸等もその一つだ。それは楽しいのだが、その時に官僚。あるいは官僚制という権力形態のこと、その明治維新期を経ての受け継ぎや起源などに関心が行く。封建官僚制から近代官僚制への移行を担ったのは大久保利通や伊藤博文らの路線だった。司馬遼太郎の『翔ぶが如く』では大久保は高く評価され、西郷はそうではないが、僕は疑念を持つ。もしも、明治維新が封建的権力の形態、そのあり方に対する革命であるとしたら、その継承は大久庭や伊藤のコースにあったのか、西郷の見果てぬ維新の夢にあったのか。近代的な制度を取り入れるということは誰が権力を担おうとやってきたことであり、この面で僕は明治維新を特別に評価しない。日本の権力のあり方をどうするかが問われたのが明治維新であり、明治維新とその後をこの視座で問うとき、大久庭や伊藤と西郷は違って見えてくるのではないか。政治革命とは何かということに関わるが、権力」の形態、権力の存在様式を変えることが、課題であるとすれば、ここに根底をいて明治維新を見る時、それはこれまでと違ってみえてくる。
祈祷会の怒りの太鼓は経産省に向かう。この権力としてのあり方は制度的には近代官僚制の中にあるが、その権力様式は徳川時代の遺制を、徳川時代の遺産として受け継いだもののように思う。西郷の道義の革命の挫折はここと深く関わっているのではないのか。西郷と大久保の対立も違ってみえる。そんな想像を僕はした。(三上治)
あきらめない人に激励されて嬉しかった 11月25日(土)
文句なしの快晴。日差しが頭にあたると焼けるように熱い。大きなマフラーを二枚持ってきたが早速はずした。風は穏やかで水色の空に紅葉が映える。白い雲がゆっくり形を変えながら流れていった。
「核のゴミの地層処分に反対です」。突然声をかけられた。「核のゴミを減らすように頑張ってください」と熱く真剣に語る。その男性は河原井純子さんとお知り合いで、ご自身も日の丸君が代裁判に関わっているとのこと。決して諦めない人に激励されるのはとても嬉しかった。ネットで見つけた河原井さんの「がんばらない、あきらめない、楽しみたい、つながりたい」の言葉。しかし寄せられるコメントは真逆の世界も多くて…アベがこの世の春を謳歌するのもむべなるかな。
因みに最近見た映画「ゴッホ 最後の手紙」。人に敬意を払うことの素晴らしさを教えてくれた。
今日はTさんとUさんが来てくれた。例によって話題沸騰、ひとしきりしゃべりつくすと全員読書にはいる。聞こえるのは潮騒のような車の音だけ。暖かい日差しの下の静かな午後。
経産省前が霞ヶ関ビルディングのバベルの塔のような大きな日陰にはいると一気に寒くなった。15時半ころサイトウミチコさんがやってきた。最近はいつもこの時間が多く、手作りのお弁当を食べてから新宿に向かう。あきらめない人たちばかりだ。(O・O)
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経産省前テントひろばからのお知らせ
(1) イベントの案内
① 青空川柳句会 12月10日(日)13時~ 経産省前にて
② テント紅白 12月31日(日)20時~ 経産省前にて
(2) 抗議行動の案内
① 玄海原発 再稼動を許さない! さようなら原発12・2
玄海原発再稼働を許さない九州総決起集会
12月2日(土)14時~ 唐津市 松浦河畔公園(国際交流ひろば)
唐津ボートレース場前
渕上さんの声明
淵上です。
いろいろ考えた結果、玄海原発再稼働反対で「玄海」に行くことにしました。11月29日に唐津(玄海の手前)にはいる予定です。
12月2日に唐津で「さようなら原発 12・2玄海原発再稼働を許さない九州総決起集会」が開催されますが、それまでの数日間、事前に何らかの宣伝活動をやりたいと思っています。
玄海は、3・11以後、私が初めて訪れた原発です。それがいよいよ再稼働(2018年の1月?3月?)ということで、川内を除いて暫く原発立地には行っていないのでということもあります。
また、最近の世論調査では、佐賀県全体ではまだ「再稼働反対」が多いですが、唐津では「賛成」の方が多くなっているようです(11月21日の運営委員会で、首長が反対していると申し上げたかも知れませんが、それは伊万里市の間違い)、合わせて「使用済燃料の中間貯蔵施設誘致」問題もくすぶっているようです。
とりあえず12・2集会に参加するだけというのではなく、何かできそうなことをやってみたいということです。
② 大飯原発動かすな!現地集会
12月3日(日)13時~ 大飯町総合町民センター
③ 大飯原発再稼働やめろ 関電東京支社前抗議行動
12月6日(水) 富国生命ビル前 17時30分~18時15分
第51回 東電本店合同抗議 18時30分~19時30分
④ STOP!伊方原発高松集会12.10
12月10日(日)13時~ JR高松駅前広場
◆第6回福島原発告訴団総会のお知らせ◆
秋も終わろうという時期になってしまいました。開催が遅れて申し訳ありません。第6回の総会を、福島県郡山市のビッグアイにて行います。記念講演として、サイエンスライターの添田孝史さんの講演も予定しております。
皆様のご参加をお待ちしております。
第6回福島原発告訴団総会
日時 12月10日(日)
第一部 13:30 開会・議事
第二部 15:00 記念講演
16:30 閉会
場所 郡山市ビッグアイ 7階会議室1
(郡山駅西口 徒歩すぐ)
無料
*第一部は告訴団会員のみの参加とさせていただきます。
以下のアドレスより入場券を印刷し、記入してお持ちいただけると助かります。
https://goo.gl/5VwEPX (googleドライブへのリンク)
印刷ができない場合、当日受付でお名前・ご住所の記入をお願いします。
*第二部の記念講演はどなたでもご参加頂けます。
記念講演「東電を助けた『国策』手抜き捜査」
講師:添田孝史さん(サイエンスライター。元国会事故調協力調査員)
12月1日(金)5時~6時経産省前抗議行動(テントひろば)
官邸前抗議行動は6時30分から(首都圏反原連)
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