一人負彦氏の「日本人の5大不思議」に答へる
- 2018年 1月 10日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
「一人負彦」とはペンネームだと思われる。小生が研究らしきものをしている評論家の故・加藤周一はペンネームで『天皇制を論ず』を書いたことがある。しかし『日本歴史の七不思議』(『山中人閒話』,119ー123頁 朝日選書,1987)及び『日本社会の七不思議』(同上139頁ー143頁)を実名で書いている。
また数年前,『七不思議』に対する小生の回答を文書に書き留めたことがある。その回答が加藤を十分納得させるかどうかは分からない。
2018年は加藤没後10年。一人負彦氏が加藤の『七不思議』をご存知のようにお見受けするが,できれば一人負彦氏のご見解を賜りたい。
ところで一人氏への回答を以下に記したい。回答になっていなかったらご免なさい;
1.およそ18万人の方が犠牲になられ,その後遺症に苦しむ方も多い。落とした側の大統領が広島を訪れた時,抱き合って涙を流す姿を見て多くの日本人が可笑しいと思わなかった。彼は日本人を代表しないが,「告訴」よりも「親愛・事なかれ」を好むのが日本人だから,国際法違反で訴えないのではないのか。
2.安倍・創価学会政権になり「自衛隊は事実上在日米軍の補完部隊」であるが,日本は米国の51番目の州ではないので,自衛隊は日本防衛専門部隊等と名前を変えても日本政府の文民統制下,日本国憲法の法の下にある。つまり自衛隊は違憲である。違憲であることを知りながら「事なかれ主義」で放っておくだけである。
3.私事になるが小生の亡くなった両親や戦争の,すべての被害者に陛下が「寄り添い耳を傾け」たとは、自信をもって言えない。よって小生は元従軍慰安婦の所へ訪問すべきかどうかは小生に無関係であり,例の「事なかれ主義」により,訪問してもしなくてもどちらでもいい、と思う。そういう日本人が大半では。常に例外はある。
4.「私以外にいない」のかどうか確かではないが,明治欽定憲法はポツダム宣言を受け入れた後,日本帝国議会で廃止されているので,「正式」の定義が分からない限り問題にならない。常に例外はある。
5.政府の答弁は時の政府によりコロコロ変わるので信用できない。また「何を具体的に『反省』したのか」を知りえても得しないから,現金主義,事なかれ主義でほおっておいて問題なしと考えているのでは。
以上,「日本人の5大不思議」への回答になったかどうか,大いに疑問であるが提出させていただく。
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