SJJA&WSJPO【西サハラ最新情報】244 大西洋クロマグロ
- 2018年 1月 19日
- 評論・紹介・意見
- サハラマグロ平田伊都子西サハラ
マグロのトロは高いので、貧乏な筆者は長年、マグロを食べたことがありません。 ところが、大西洋クロマグロの日本割り当て量が大幅に増え、「マグロが安くなるかも?」というニュースが入ってきました。 しかし、「小売り価格が下がるという期待は薄?」とは、スシ職人の話、、エエッ! またもや消費者騙し!! 安くなった分の差額は誰のポッポに入るの? 誰が得するの?
(1)EUCJ(EU司法裁判所)2015年の判決:
EU法務官メルチオ・ワスレトが「EU(ヨーロッパ連合)とモロッコの漁業協定(2016年12月21日締結)は無効だ」とした調査結果の法的根拠は、2015年12月20日に下したEU司法裁判所の判決にある。判決は、「西サハラ領海は国連が未確定地域とした植民地支配地域に入り、西サハラ漁業資源は封印されている。資源は地域住民のもので、他国の略奪は許されない」という趣意に基づいている。
判決が出たことを、筆者は取材中の西サハラ難民キャンプで、西サハラ難民政府国連代表アハマド・ブハリから報された。「日本はモロッコの共犯者だ。国連と国際法が禁じている西サハラの天然資源、魚とリン鉱石をモロッコから活発に買い上げている。この密輸行為は、西サハラ民族に対する資源侵略で、遅かれ早かれ、我々は日本政府に正式抗議をすることになる。日本の人々はこのことを認識し、政府に密輸不法行為を止める様に進言してほしい。EUCJ(EU 司法裁判所)も警告している。不法な生産活動や商業活動は、不法なモロッコ侵略を助けることになる」と、日本を非難した。そして、筆者を睨みつけて、「日本は恥を知れ!」と、どやしたのです、、イライラはごもっともですけど、、
(2)日本モロッコ漁業協定:
2017年5月から1年間の日本モロッコ漁業協定のマグロ操業に関する合意内容を以下に紹介する。出展は水産庁 資源管理部 国際課 海外漁業協力室
「2017年4月24日(月曜日)から4月26日(水曜日)まで、ラバト(モロッコ王国)において<日モロッコ漁業協議>が行われ、モロッコ水域における日本漁船の平成29年(2017年)の操業条件について合意。日本側は田原 康一(たはら こういち) 水産庁 資源管理部 国際課 海外漁業協力室長 (代表)や日本かつお・まぐろ漁業協同組合の担当者 ほか、モロッコ側 ザキア・ドリウォッシュ 農業・海洋漁業省 次官 ほか。平成29年度(2017年)における我が国まぐろはえ縄漁船の操業条件等について協議を行い、操業条件について前年と同条件とすることで合意。
(1)許可隻数枠:15隻、(2)ライセンス料:49,500ディルハム(約56万円)/隻/年
(3)入漁料:2,000米ドル/隻/年
(出展 水産庁 資源管理部国際課 海外漁業協力第1班 電話:03-3502-8111内線6750)
(3)ICANじゃないICCAT(The International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas)大西洋マグロ類保存国際委員会:(日本漁船の西サハラ領海不法操業):
ICCATは2017年ノーベル平和賞を貰ったICANではない。が、ノーベル平和賞候補に値するマグロの守護神だ。大西洋マグロの保存のため捕獲量を規制する年次総会で、その年のマグロ捕獲各国割り当て量を決める。
2017年11月21日、モロッコ・マラケシュで開かれていた「大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)」は、大西洋でのクロマグロの漁獲枠を2018年から徐々に増やし、2020年に17年比で52%拡大することで合意した。厳しい漁獲規制などで水産資源の回復が進んだため、日本に割り当てられる漁獲枠も2020年に45%増える。日本に出回るクロマグロのうち、大西洋産は輸入も合わせて約4割となっている。(参照:WWFジャパンなど)
(4)まず解決すべきは、領海問題:
さて、日本モロッコ漁業協定もICCATもクリアーした日本はえ縄漁船は、これで晴れて大西洋クロマグロがうようよ泳いでいる西サハラ領海で操業できるなか?というと、、そうはいかない。モロッコが乱発している西サハラ漁業権は無効なのだ。国際法違反なのだ。
2014年10月17日に11月4日に、WSRW(西サハラ天然資源監視)が、「が西サハラの領海で密漁をする3隻の日本漁船を発見した。「こうりょう丸No51(IMO番号8915990)、しょうえい丸No7(IMO番号9120023)、たいわ丸No88(IMO番号9053488)の3隻が10月16日から17日にかけて西サハラ領海で密漁をしていた。西サハラ領海内での漁業操業は国際法違反だ」と、WSRWは船名を明記して日本政府に抗議書簡を送った。10月28日にはさらに一隻、ちよ丸No18(IMO番号9016521)がWSRWにキャッチされた。獲物は高価なマグロで、WSRWは「日本・欧州マーケットでは一キロ当たり6ユーロ(822円)で、漁船それぞれの容量は400トン。しかし、西サハラ領海での密漁は、9,000,000ユーロ(1,233,000,000円)の罰金を払うことになる」と、言及している。WSRWは、世界の自然保護団体、IUCN(国際自然保護連合), ICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会),IUU(違法・無報告・無規制― 漁船)UNFAO(国連食糧農業機関)に報告した。日本漁船の違法操業は既に記録されている。EUモロッコ漁業協定や日本モロッコ漁業協定の違法性が国際裁判所に問われることになれば、国連は日本に制裁を科すことになるのかな?北朝鮮制裁を嬉々として推し進める日本に国際制裁?!、南北対話が開始されたことにケチをつけるケチな日本が制裁されたら、南北朝鮮民族は抱き合って歓喜の涙に咽ぶに違いない。
日本民族は、人種偏見とよそ者排除精神を克服できない。日本人は優しくない。
クロマグロさく売り100グラムの値段を比較してみましょう。 WSRW(西サハラ天然資源監視)は8・22円、通販で大トロが2,000円、近所のスーパーでは中トロが400円、、
お宅の近くでもそんなもんですか? しかも、その日のセリ状況によっては、もっともっと高くなるとか、、 おちょくられている気がしませんか?
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年1月19日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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