しなやかに したたかに ~「辺野古ゲート前連続6日間 500人集中行動」その①
- 2018年 5月 15日
- 評論・紹介・意見
- shigeko kakiuchi沖縄辺野古
日米両政府とりわけ将来的に自衛隊基地としたい日本国政府が工事を強行する「辺野古新基地」は、世界一危険な「普天間飛行場」の代替ではなく、普天間にはない強襲揚陸艦・弾薬装弾場などの基地機能強化だ。専門家からは辺野古海底の軟弱地盤や活断層、しかも米本国では厳守される「高さ制限」の問題が指摘されている。さらに、米国防総省に工事中止を求めた「沖縄ジュゴン訴訟」の公開審理が6月28日にサンフランシスコ連邦地裁で開かれ、即日結審し、数カ月以内に判決が出る可能性もある。
辺野古の作業用ゲートから連日300台超の工事車輌が搬入され、本部港塩川地区で積み込まれたダンプ170台分の砕石が翌朝にはK9護岸に下ろされる。沖縄防衛局は当初計画の大浦湾ではなく、浅瀬で埋め易い辺野古崎の一部に6~7月にも土砂を投入し、県民を諦めさせ、来る県知事選での争点隠しを目論んでいる。一時に比べて減少している座り込み参加者を再結集し、翁長県知事の「埋め立て承認撤回!」を後押しするため、今回の「500人集中行動」が提起された。4月23~28日に取り組まれた「辺野古ゲート前連続6日間 500人集中行動」は、1,210名が「工事を止める“奇跡の1週間”に」と呼び掛け、県内・全国・海外から延べ4,780名が参加。県内6カ所からは“島ぐるみ”送迎バスと、2カ所から「乗り合い乗用車」が出された。以下、時系列で報告する。
【4月23日・1日目】
ゲート前座り込み1387日目の辺野古。今日から「6日間連続 500人集中行動」が始まった。“スカートチーム(※)”5人と金沢から駆け付けてくれた友人ほか数名もスカートで参加。8:00~11:00に続々と増え続けた参加者は700人! 防衛局・県警は2回の工事車輌搬入を強行し「強権力」をまざまざと見せつけた。
県警・機動隊は100名態勢で9:00から強制「排除」を始めたが、「排除」されて空間ができると詰める!を繰り返し、何度「排除」されても、戻って座り込む…「不屈」の精神が発揮された。9:05~13:00過ぎまで作業ゲートを封鎖!! 機動隊との押し合いによる将棋倒しで、2人の女性が救急搬送され、鎖骨骨折や肋骨にヒビとの診断(泣;)
16:00過ぎに集会を終えて仲間たちは帰路に着いた。駐車場への送迎車待ちをしていると、いつもは集会終了と同時に動く県警・機動隊の指揮車やカマボコが全く動かない! 案の定「ダンプ搬入!」との情報で、30人足らずになってしまったが座り込む。16:58に強制「排除」が始まった…計123台の工事車輌が搬入されたが、普段の3分の1に。
7:00に家を出、暴力的な強制「排除」により満身創痍で18:30に帰宅。最高気温27℃の炎天下での座り込みで疲労困憊だが、“スカートチーム”は6日間連続で座り込む!!
※ “スカートチーム”=辺野古では県警・男性機動隊員が女性市民に触れて強制「排除」し、県警採証班によるビデオ撮影など著しい人権侵害(行動・通行の自由・性の尊厳)が日常的になっている。昨年8月に辺野古を訪れた韓国人カトリック司祭から「済州島カンジョン村は韓国軍港が建設されてしまったが、いまも抗議の座り込みが続いている。カンジョン村でも市民が機動隊による引き抜きに遭い、ゲート脇で機動隊によって囲い込まれているが、以下3点の違いがある。カンジョン村では、①女性市民は女性警官が引き抜きを担当、②ゲート脇での拘束が20分を超えない、③ビデオ撮影はない」との発言が契機となり、昨年9月末から毎週月曜に有志によるスカートで座り込んでいる。
① 9:05、強制「排除」を通告する中隊長。上司の命令に従わざるを得ない若き機動隊員の眼 (哀!)
② 9:09、今日の機動隊員は、いつもより暴力的で、片腕を掴んで引き摺り出す。が、スカートを気にしてくれた隊員も…
③ 13:08、工事車輌の搬入後も1台ずつ前に座り込む、を繰り返した
④ 米国から駆け付けてくれたVFP(ベテランズ フォー ピース)が世界中に発信してくれる
⑤ 16:51、集会解散後の工事車輌搬入に備えて座り込む30名は少数精鋭(!?) 沖縄防衛局・県警の姑息さにはかなわない
【4月24日・2日目】
「連続6日間 500人集中行動」の2日目。朝の参加者は300人超で最大680人が座り込み、福島・新潟の仲間たちとはすれ違いになってしまったが、大阪・広島の仲間たちが拙宅2泊で駆け付けてくれた。
昨日5時間近くも搬入を阻止された県警は7:40、倍するカマボコと機動隊員を投入し、作業ゲート前の座り込み空間を狭めたため、私たちは車道での集会に。9:00~2時間に亘る強制「排除」によって88台を搬入。強制「排除」後に閉じ込められる“檻”は、カマボコ1台から5台に増やされ、長時間「排気ガス」を吸わされたが、仲間たちの抗議によってアイドリングを中止させた。午後は、そのカマボコを囲むように機動隊員を配置し、計163台を搬入したが、先週の300台超えの2分の1に。
昼食休憩後、12:30から座り込むも参加者が減る時間を狙ったのか…16:00過ぎから74台を搬入した。午後は、カマボコや機動隊員の配置を替えて増やしたカマボコをアルソックと機動隊員が囲み、「排除」し易く…憲法に保障された「集会の自由」を奪う卑劣な行為…防衛局と県警は死に物狂いだ。
① 本部の仲間が作った看板。VFP(ベテランズ フォー ピース)の方も顔を入れて写真を撮っていた
② 8:22、作業ゲート前を埋め尽くした参加者。奥のカマボコが追加配置された
③ 10:51、市民を“檻”に閉じ込め、歩道に押しやり….機動隊員とアルソックに守られながらダンプ搬入
④ 11:48、早起きして少し多めに作った惣菜を並べた恒例の“ランチバイキング”は、ひとときの癒しと、午後の座り込みへの活力に
⑤ 12:51、カマボコを守る機動隊員、抗議集会の空間が狭められた
【4月25日・3日目】
辺野古「連続6日間 500人集中行動」の3日目は、800人が駆け付けた。私は午前中「4.25海上座り込み」に参加。今回は抗議船希望者が多かったため、2回目の9:45~11:00まで「不屈」に乗船し、カヌー83艇・抗議船130人とともに抗議。カヌーチームは果敢にオイルフェンスを乗り越えたが、海に飛び込んだ海保は1艇つき1名がカヌーを押さえた。暫くして数艇が拘束されたが、以前と違って強引にGB(ゴムボート)に乗せるのではなく力を貸していたのが印象に残った。
11:30に座り込み1389日目のゲート前着。昼食中に工事車輌が搬入され始めたとの報!で昼食もそこそこに作業ゲート前へ。今日も参加者が減り始める15:00から強制「排除」~15:50搬入開始。しかも県警がカマボコを道路側に増やしたため、抗議集会は車道で…「表現・集会の自由」を保障した憲法を無視し、市民を危険に晒す県警は、県民の安全・安心を守るという本来の職責を果たしていない。今日は、沖縄防衛局長も視察に訪れたらしい。警視庁から異動してきた県警本部長は、沖縄の歴史、県民の想い、不屈の精神の一切を顧慮せず、防衛局の手足となって「権力」の行使に邁進している。
① K1・K2護岸建設現場にはフロートが幾重にも張り巡らされ、多数の海保GB(ゴムボート)が規制している
② フロートを越えようとするカヌーチーム“辺野古ぶるー”。十数艇がフロートを越えたが、直ぐに海保に拘束される
③ 海保に規制されながらプラカードを掲げ抗議の声をあげる“辺野古ぶるー”の仲間たち。辺野古崎の水深は浅く、干潮時は膝下に
④ 作業ゲート前を埋め尽くした仲間たち。歩道に違法!駐車された県警・警備車輌のため、1車線相互通行に
⑤ 強制「排除」後に囲い込まれるカマボコは、2日目から5台に。トイレに行くのさえ規制される完全な人権無視!!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
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