大阪大地震で「風評被害」を心配する馬鹿らしさ
- 2018年 6月 25日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
大阪北部地震の余震とその他地域での関連と思われる地震が続いています。 私の住む大阪の南部でも何度か余震があり、其処ら中にある断層帯が刺激されて動き出す可能性がある、と一般でも話されています。
この国では、阪神淡路大震災以来、大規模地震が連続していますので、全国何処でも大地震に襲われる恐れが実際に存在するのです。
2018年6月23日には、何度目かの余震が来ました。 震度3以上の地域は、京都府南部と大阪府北部でした。
処が、この災害の最中にも銭金の心配をする輩が居ます。 しかも、余震が連続している現在に「風評被害」の心配をするのです。
大阪北部地震 風評被害で訪日客減少懸念 情報発信を強化 毎日新聞2018年6月23日
https://mainichi.jp/articles/20180624/k00/00m/020/065000c
何が「風評被害」でしょうか。 この国の災害の現実を知らないにも程があります。
そもそも、この国は、先進国中で第一の「災害大国」です。 国民で災害を経験したことの無い人間は珍しいのではないでしょうか。
私自身が、例えば台風では、その経験と「被害」を何度も受けています。 勿論、幼少時には、経験したのみで、実際の「被害」、即ち、家屋の被害を受けたのは亡父でしたが。
大阪府の取り纏めた主な災害だけでも以下のとおりです。 私は、これ等の台風の経験は、全てしたことになります。
大阪府を襲った主な災害 大阪府
http://www.pref.osaka.lg.jp/kasenkankyo/boujyo/kakonosaigai.html
阪神淡路大震災では、私の妹一家が被災者になり、我が家に避難して来ました。 私も車で出勤途上に、陸橋上で停車せざるを得なくなった処に大きな余震が来て、死ぬかも知れない、と身構えたことがあります。
実害のある災害に関わり、「風評被害」を云々するのは、余りにも無責任です。 この国の災害大国の実態を外国人が知れば、旅行に来るのが可笑しい程なのですから。
例えば、地震については、日本付近でマグニチュード6の地震が全世界の20%も発生するのです。 また、地震に伴う津波でも、大きな被害を受けて来ました。
地震の多い国、日本 一般財団法人 国土技術研究センター
http://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary12#jump_09
地震の予知、と言われても、日本全国の其処ら中でおこる予測があるのですから、予測する意味があるのでしょうか。 国内全ての箇所で地震が何時おきても可笑しくはありません、と一言言えばそれで良いのではないのでしょうか。
意味の無い予測地図ですが、一応、参照先を引いておきます。
全国地震動予測地図2017年版 平成29年4月 地震調査研究推進本部
地震調査委員会
https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2017/
附言しますと、予測で赤くなったこの国の地図上に原発を加えるのを忘れてはいけません。
何時いかなる処で大地震が来るかも知れない列島の上に、原発を並べて配置する馬鹿がこの国の実態です。 今も余震で揺れる大阪にも小さいですが、原発があるのもお忘れなく願います。
この実態を外国人が知れば、観光客が来なくなるのは当然です。 仮に、私自身が欧米にでも生れていて、海外旅行先を選ぶとすれば、この国を除外するのは当然です。
思えば、今まで、我が身は、いったい何度災害を経験し被害を受けたのでしょうか。 自然災害と過去から現在も受けている人災、即ち、過去と現政府の悪政に基づく人災をも併せて、ですが。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7766:180625〕
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