ソフトバンクに市民が公開質問状!~軍事見本市撤退の説明と経済協力中止を要求
- 2018年 9月 13日
- 評論・紹介・意見
- 杉原浩司
~軍事見本市撤退の説明とイスラエルとの経済協力中止を要求
https://kosugihara.exblog.jp/238754441/
8月29・30日に開催が強行された「ISDEF Japan」(イスラエル軍事見本市)に対して、2日間で延べ300人の市民が抗議行動を行いました。初日に発覚した武器カタログの展示問題も含めて、引き続き川崎市への追及を続けていきます。
一方で、既にお伝えした通り、開催前々日の9月27日に行ったソフトバンク本社への抗議申し入れの際、対応した総務本部の坂田氏は、「当社は出展も協賛も後援もやらないことになり、(相田セキュリティ事業本部長の)スピーチもやらないことになったと聞いている」と説明しました。これは、市民の反対運動が大手企業を方針転換に追い込んだ大きな成果でした。
坂田氏は、「文書はここでは受け取れないが、郵送であれば事実関係や当社の立場について回答したい」と表明していました。そこで、「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」として、同社に公開質問状を配達証明郵便で9月11日に発送し、25日までの回答を求めています。後ろに貼り付けましたので、ぜひご一読ください。
軍事見本市からの撤退は大きな決断とはいえ、従来から続いているイスラエル企業との前のめりの提携・協力が止まったわけではありません。あくまで、イスラエルとの経済協力の縮小・中止を求めていきます。今後の動向をぜひご注目ください。また、この取り組みをぜひ広めてください。
◆今回のソフトバンクの異例の方針転換については、メディアがほとんど報じていないため、まだまだ知られていません。報道関係者の方には、今からでもしっかりと報じていただきたいと思います。
【賛同・カンパをお願いします!】
「反対する会」では、10月12日(金)18時30分より、川崎市の教育文化会館4階第1・2・3学習室にて報告集会(詳細は後日)を行い、報告集も発行します。まだ取り組みは続きますが、残念ながら財政が厳しい状況です。
ご賛同およびカンパを大歓迎します。
<ご賛同>
個人 1口 500円
団体 1口 1,000円
※複数口を歓迎します。
〈郵便振替口座〉
口座番号 00140-4-486789
口座名 武器輸出反対ネットワーク
※通信欄に「軍事エキスポに反対する会」と明記してください。
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【公開質問状】
ソフトバンク代表取締役会長兼社長
孫正義様
イスラエルは、国際法違反のパレスチナ軍事占領やガザ地区の封鎖、入植地の拡大などを続け、パレスチナの人々への空爆や銃撃などによる虐殺、日常的な監視と抑圧など様々な人権侵害を繰り返しています。また、軍需企業やサイバーセキュリティ企業はイスラエル政府による人権侵害に加担して利益をあげています。
私たちは日本国憲法のもとで、日本政府および日本企業がこうしたイスラエル政府、企業と経済・軍事協力を行うことはあってはならないと考えています。世界ではイスラエルの人権侵害に抗議するためのBDS(ボイコット、投資引き揚げ、経済制裁)運動が高まりを見せており、日本とイスラエルの接近はこれに逆行するものです。
私たちは今回、川崎市とどろきアリーナで8月29・30日に開催された「ISDEF Japan」(イスラエル軍事見本市)に、貴社がいったんは積極的な参加や支援を決定しながら、再検討のうえで直接的な関与を中止されたことを歓迎します。そのうえで、今回のイベントからの撤退に留まらず、イスラエルとの経済協力の縮小・中止を求める立場から、以下の公開質問状を提出します。十分なご検討のうえで、真摯なご回答をお願いします。
※回答期限 9月25日(火)
1.貴社は、人権侵害に加担しないことを重要な柱とする「ビジネスと人権に関する指導原則」や「国連グローバルコンパクト」の内容を支持し、企業活動に反映させるための仕組みを設けていますか。また、国連グローバルコンパクトへの今後の参加を検討していますか。参加されない場合は、その理由も含めて教えてください。
2.海外の企業に投資したり、共同事業を行う際に、国際法や人権に関してどのような配慮を払っていますか。何らかの基準やガイドラインを定めているのでしょうか。
3.貴社はCybereason(ISDEF Japanに出展)、Zimperium(同)、VayyarImaging、Inuitiveといったイスラエル企業に出資や提携を行っています。
こうしたイスラエルで活動する企業に対する投資や共同事業に際して、それらの企業が、イスラエル軍やイスラエル警察、入植地などへの製品・サービスの提供等を通じて人権侵害や戦争犯罪に関与しているかどうか、国連が定めている「入植地関連ビジネス」に関与しているかどうかについての調査や考慮はなされていますか。
4.こうしたイスラエル企業との契約内容に、そうした問題に関する事項(例えば、人権侵害や戦争犯罪に用いられる蓋然性の高い事業や入植地関連ビジネスは行わないなどの条件)は含まれていますか。
5.今回のISDEF Japanに出展した貴社との合弁会社であるCybereasonのウェブサイトに「マスコミの報道によれば、IDFによる確認は得られていないものの、8200部隊は(米国と協力して)、2010年にStuxnetコンピュータワームを作成し、これを使ってイランの核濃縮プログラムを攻撃することで、核兵器の必須要素である兵器級のウラニウムの濃縮に使われる数千台ものイラン国内にある遠心分離機を停止させたと言われています。」という記述がありますが、敵国の重要インフラに対するサイバー攻撃は国際法の禁じる武力行使にあたる可能性があるとの議論を知った上で、こうした宣伝を行っているのですか。
6.CybereasonのCEO兼共同創設者はイスラエル軍の諜報部隊である8200部隊の出身であり、同社は8200部隊出身者を中心に研究・開発活動を行っていると強調しています。同部隊の主要任務にパレスチナ人に対する深刻な人権侵害(被占領地のパレスチナ住民の個人情報を盗聴やハッキング等により収集)が含まれていることを知った上で、こうした宣伝を行っているのですか。
7.2016年に立ち上げられたSoftbank Vision Fundにサウジアラビアが巨額の出資(450億ドル)をしています。深刻な人道危機を引き起こしているイエメンへの軍事介入や、自国における人権抑圧を続けるサウジ政府が最大出資者となっている同ファンドの投資基準において、国際法や人権に関する配慮はどのような形でなされているのでしょうか。
8.当初、貴社がISDEF Japanに関して予定していた具体的な関わり(出展[合弁会社を含む]、協賛、後援、スピーチなど)の内容を具体的に示してください。
9.8で回答された項目のうち、最終的に中止された項目はどれですか。また、予定通り実施した項目はどれですか。具体的に挙げてください。
10.中止するに至った理由と中止を決定した時期(日付)を明らかにしてください。また、予定通り実施した点があれば、その理由についてもご説明ください。
11.貴社の現在までのイスラエル政府、イスラエル軍、治安・諜報機関、
企業との具体的な関わり(提携関係、出資、出展、合併会社など)と今後
の計画を教えてください。また、イスラエル軍、治安・諜報機関への技術
流出を防止する対策はありますか。
12.今回のISDEF Japanへの市民の反発とそれを受けての貴社の方針転換という経緯を踏まえて、今までのイスラエル政府、企業との協力関係を抜本的に見直し、それらを縮小・中止するための検討に入る意思はありますか。
2018年9月10日 川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会
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※ソフトバンクが日本支社を合弁会社として設立したCybereason(ISDEFJapanに出展)、出資したZimperium(同)については、こちらを参照
イスラエル軍事エキスポISDEF Japan:広がる反対の声と隠される参加企業情報
http://u0u1.net/LzAB
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7989:180913〕
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