2018年のおわりに At the End of Year 2018
- 2019年 1月 1日
- 評論・紹介・意見
- 「ピースフィロソフィー」
- 見解の相違は認めるが、嘘や個人攻撃、誹謗中傷は許さない。
- 歴史記憶のあり方についての意見の相違は認めるが、歴史自体の否定は許さない。
今年訪ねた場所でもっとも印象に残った場所の一つ、ウィニペグにあるカナダ人権博物館。
手前に見えているのはマハトマ・ガンディーの像。 |
You must be the change you wish to see in the world – Mahatma Gandhi
今年は2006年にブログを開設して以来、投稿数が一番少ない年となりました。
理由は、シンプルで、ブログに費やせる時間が減ってしまったことです。今年は別の媒体に書いた記事の転載が中心となりました。
今年は前半は『沖縄は孤立していない』の本の執筆・編集・出版イベントなどでまたたく間に過ぎました。
夏は、済州島を初めて訪れ、済州島国際連帯キャンプに参加しました。朝鮮半島の終戦・平和実現に大きく踏み出した年です。軍産複合体の妨害があっても、一歩ずつ進めるように関係諸国首脳を応援していきたいです。
また、2006年以来通訳・講師として参加してきている広島・長崎の日米学習の旅、例年のようにワシントンDCのアメリカン大学と、新しいパートナーである明治学院大学の学生さんや社会人参加者の皆さんと共に行いました。
地元バンクーバーでは、私は不在でしたが、「バンクーバー9条の会」の仲間たちが核兵器の恐ろしさを訴える「原爆展」を例年通り行い、何百人もの人に来てもらえました。
9月には、「海外識者103人声明」にたいし、琉球新報社から「池宮城秀意記念賞」を仲間と共に受賞しました。沖縄は、辺野古に土砂が投入され始め、南西諸島全体の自衛隊配備も進み、深刻な状況ですが、新年は、引き続き、そして新たな試みをもって、沖縄に対する軍事・植民地主義と闘っていきます。
『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』のエディター・ライター・翻訳コーディネーターとしても、役割を果たしてきました。来年は英語による執筆もこれまで以上に積極的に行っていきたいと思います。
日本の、鹿児島大学をはじめとするいくつかの大学でも講演・ゲストスピーカーをさせていただき、若い人たちの考えから学ぶことができました。
地元カナダでは、国会で「南京大虐殺を記憶する日」を設けることにたいする、日本政府、日本移民や日系カナダ人による反対に対して懸念を表明しました。また、これとは別に、12月、地元で、南京大虐殺追悼集会を主催しました。
銅像や記念日の法的制定については私はそこまでの関心はありません。制定よりも、実際に歴史と歴史からの教訓を学ぶことの方が重要です。私が関心があるのは、被害者に寄り添う歴史記憶のあり方であり、私が闘う対象は、被害者を傷つける歴史否定です。
相変わらず、日本国外に出てきてまで、日本軍「慰安婦」の歴史に「強制がなかった」とか、「南京大虐殺はなかった」とかいう、おおよそ日本国外では全く通用しない歴史否定の言説を流布する人たちの存在に心を痛めております。
そしてそういう人たちが、私や仲間に不当なレッテルをはり、ネット中傷やデマを流布するような傾向もあります。それらには断固対処し、必要とあらば法的処置も取っていきます。
私の原理原則は以下の二つです。
お互い敬意をもって意見交換ができるような土壌を創っていきたいと思っています。
地元の仲間、日本を含むアジア諸国の同胞、世界の同志と、平和で持続可能な世界を築くために2019年も頑張っていきます。また、考えの異なる人々へのコンパッションも忘れないでいきたいと思っています。
新年への願いをこめて
Live as if you were to die tomorrow; learn as if you were to live forever. – Mahatma Gandhi
乗松聡子 @PeacePhilosophy
『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』エディター
ピース・フィロソフィーセンター代表
バンクーバー9条の会共同代表
初出:「ピースフィロソフィー」2018.12.31より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.com/2018/12/at-end-of-year-2018.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
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