安倍政権による改憲を阻止しよう - 憲法公布記念日に1万人が国会正門前で気勢 -
- 2019年 11月 4日
- 時代をみる
- アベ岩垂 弘憲法
「戦争反対、9条守れ」「改憲発議、必ず止めよう」。三連休の中日の11月3日(文化の日)午後、1万人のコールが国会議事堂周辺に響き渡った。この日が日本国憲法公布から満73年にあたるところから、護憲派の「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が、国会正門前で「11・3憲法集会」を開いたもので、そこでは「安倍政権を退陣に追い込もう」との発言が噴出した。
「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が共催して11月3日に国会前で集会を開いたのは、2年ぶり2回目。
この集会に先立ち、改憲を目指す自民党は「改憲集会の全国開催」という方針を打ち出し、まず手始めに10月18日、二階俊博幹事長も列席して和歌山市で「憲法を考える県民集会」を開いた。「11・3憲法集会」は、いわばこれに対抗して開かれた形となり、護憲・改憲をめぐる大衆運動は「草の根の対決」の様相をみせてきた。
11・3憲法集会のスローガンは「安倍改憲発議阻止!」「辺野古新基地建設やめろ!」「東北アジアに平和と友好!」の3本。参加者は関東一円から集まった労組員や護憲団体「九条の会」の関係者、一般市民ら。
集会は午後2時から始まったが、主催者あいさつで登壇した小田川義和・総がかり行動実行委員会共同代表は「自民党は4項目の改憲案を、臨時国会中に衆参両院の憲法審査会に提出しようとしている。改憲を阻止するためには、なんとしてもまず、これを押しとどめなくてはならない。事態は緊迫している」と訴えた。
その後、社民、共産、立憲民主各党の代表のあいさつがあり、続いて各界の人がスピーチをおこなった。
山本隆司・オール沖縄会議事務局長は「米軍辺野古新基地は、地形的にも工法的にも建設不可能で、工事はまだ5%しか進んでいない。建設費は2300億円と言われているが、沖縄県の見積もりでは、工事は10年かかり、建設費は2・5兆円になるという。沖縄はこれまで74年間、日米両国と非暴力で戦ってきた。力を合わせてトランプ政権と安倍政権を打倒しよう」と訴えた。
安保法制違憲訴訟に関わる杉浦ひとみ弁護士は「安倍政権が成立させた安保法制、いわゆる戦争法によって、自衛隊は制限付きながら集団的自衛権をもつに至った。それまで、政府も国会も、自衛隊は集団的自衛権をもたないということでやってきた。なのに、安倍政権は集団的自衛権をもつと変更してしまい、自衛隊が戦争に巻き込まれる恐れが出てきた。なぜ、そんなことができたのか。それは法制局長官のクビをすげかえたからだ。私たちは、全国で安保法制は違憲との訴訟を起こしている。その判決が近く出る。皆さん、裁判の傍聴に来てください。それが、私たちの力になる」と訴えた。
千葉真・国際基督教大学特任教授は「安倍政権がやってきたのは軍拡だ。いまや防衛費は6兆円にのぼり、世界で8番目だ。安倍政権は、自衛隊は戦力でない、実力だなどと言っているが、世界からは軍隊とみられている」と切り出し、さらに、こう述べた。「中期防衛力整備計画によると、防衛費が5年後に10兆円になる。今こそ、軍縮して災害救助隊の完備や教育支援の充実に予算を回す時ではないか。日本は世界に優れた文化を発信する平和国家となるべきだ」
韓国で民主化運動を進めている団体の代表2人も登壇し、「日本政府は、徴用工に関する韓国大法院の判決を尊重し、韓国に対する貿易規制を撤回せよ」「朝鮮の非核化を目指す運動と平和憲法を守る闘いが連動することによって、東アジアの平和を実現させよう」などと述べた。
集会の始まりと終わりには、演壇上の女性の主導による、参加者全員によるコールがあった。あまりにもたくさんで数え切れなかったが、中にはこんなのがあった。
戦争反対
改憲反対
自衛隊を戦地に送るな
中東派兵絶対反対
原発反対
再稼働反対
辺野古を土砂で埋めるな
民意を無視する政府は許さん
日韓友好
嫌韓あおるな
表現の自由侵害するな
検閲反対
萩生田大臣即刻やめろ
女性差別反対
安倍政権をみんなで倒そう
市民と野党は共闘するぞ
みんなの力で政治を変えよう
集会にやってきた人たちがどんなことに関心を持ち、何を望んでいるかが、分かろうというものだ。憲法問題はもちろんだが、日韓関係、原発問題、あいちトリエンナーレ問題、大学入試への英語民間試験導入問題などにも関心を寄せていると見てよさそうだ。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
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