カルチャーの執筆一覧

40周年を迎えた読書サークル -哲学者・古在由重の理念を実践し続けて -

著者: 岩垂 弘

 一般市民を会員とする読書サークルが、スタートから40周年を迎えた。どんな活動であっても、中断することことなく、ずっと40年も継続してきたというケースはまれ、と言っていいだろう。こうした長期にわたる活動を可能にした理由に

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《藤田嗣治像のコペルニクス的旋回》-富田芳和著『なぜ日本はフジタを捨てたのか』の衝撃-

著者: 内田 弘

[不可解なスキャンダル] 藤田嗣治(フジタ・ツグハル:1886-1968)の回顧展が最近終わった。  不可解なことに、回顧展のたびに、藤田嗣治(以下、フジタを記す)はつぎのようなスキャンダルがつきまとう。 《なるほど、フ

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元号が変わるというけれど、―73年の意味(6)―敗戦直後の短歌雑誌に見る<短歌と天皇制>(3)

著者: 内野光子

『八雲』創刊号には、短歌の創作欄には、五島茂、佐藤佐太郎、鈴木英夫、香川進、坪野哲久、岩間正男、堀内通孝、岡野直七郎、長谷川銀作、橋本徳寿、山下陸奥、筏井嘉一、と12人の第一線の歌人の名が並ぶ。この辺が、編集陣の久保田、

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元号が変わるというけれど、―73年の意味(5)―敗戦直後の短歌雑誌に見る<短歌と天皇制>(2)

著者: 内野光子

吾が大君大御民おぼし火の群が焼し焦土を歩ませ給ふ (佐佐木信綱)(1945年9月号) 大君の御楯と征きしへいしらが世界に憎まるる行ひをせり (杉浦翠子)(1945年10月号) かすかなる臣の一人とつつしみて御聲のまへに涙

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元号が変わるというけれど、―73年の意味(4)―敗戦直後の短歌雑誌に見る<短歌と天皇制>(1)

著者: 内野光子

大地のブロック縦横にかさなり 断層數知れず 絶えずうごき 絶えず震ひ 都會はたちまち灰燼となり 湖はふくれ津波(よだ)となる。 決してゆるさぬ天然の気魄は ここに住むものをたたきあげ 危険は日常の糧となり 死はむしろ隣人

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映画「あぶない母さん」と「嘘はフィクサーのはじまり」を見る

著者: 宇波彰

去る2018年9月4日に,私は試写でジョージア映画「あぶない母さん」を見た。そのあと、9月12日に、やはり試写でアメリカ•イスラエル合作映画「嘘はフィクサーのはじまり」を見た。 「あぶない母さん」には、小説を書くことに情

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「没後50年藤田嗣治展」へ出かけました~「戦争画」とは何だったのか(2)

著者: 内野光子

戦争画への評価 藤田の戦争画は、もちろん体験に基づくものでもなく、写実でもなく、「想像」と多様な「技法」の産物であったことはどの評者も認めるところだが、その思想と鑑賞者の受け取り方については、大きく意見が分かれるところで

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勝負強さが戻って来た錦織、将来が期待できる大坂 -2018年全米オープンテニス選手権

著者: 盛田常夫

前代未聞のゲーム喪失  全米女子シングルス決勝は騒然とした異様な雰囲気の中で、大坂が勝利した。第1セットを失ったセリーナ・ウィリアムズが第2セットで3回の警告を受け、闘わずして1ゲームを落とすという前代未聞の展開の中、1

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「没後50年藤田嗣治展」へ出かけました~「戦争画」とは何だったのか(1)

著者: 内野光子

今回の藤田展のコンセプト 今回の展覧会(2018年7月31日~10月8日、都美術館)は、東京都美術館・朝日新聞・NHKの三者が主催であったためか、『朝日新聞』での広報が熱かった。NHKの特別番組(「よみがえる藤田嗣治~天

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