スタディルームの執筆一覧

オットー・クレンペラー : 「芸術と政治」問題に立ちあった人 (1)               

著者: 野沢敏治

                   はじめに クレンペラーとの出会い  オットー・クレンペラー、この人はヨーロッパ音楽の指揮者です。彼はカラヤンやバーンスタインのようなスターではなかったけれど、フルトヴェングラーやトス

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海峡両岸論 第142号 2022.09.15発行 - 台湾を同盟国化し外交特権を付与 「日米台同盟」狙う台湾政策法案 -

著者: 岡田 充

 米国の対中挑発は続く。ペロシ下院議長の台湾訪問に続いて、超党派上院議員が台湾を同盟国にして攻撃用兵器を供与、在米機関の名称を「台湾代表処」に変え外交特権を付与する「2022年台湾政策法案」注1を米上院に提出した。法案が

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マルクスの〈強められた労働〉と新古典派マクロ経済学の〈効率労働〉

著者: 岩田昌征

 矢沢国光主催「世界資本主義フォーラム」ズーム研究会(7月23日・土)の伊藤誠教授講義「新自由主義と新古典派経済学」にて私=岩田が行った舌足らずの質問の趣旨をここで再現したい。  マクロ経済学がマクロ生産関数を論ずる時、

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海峡両岸論 第141号 2022.08.13発行 - 「一つの中国」、米日との対立が先鋭化 ペロシ訪台と「第4次海峡危機」 -

著者: 岡田 充

 中国はナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問(8月2~3日)=写真 総統府HP=の報復措置として、8月4日から7日まで台湾を包囲する6カ所の演習区域で、ミサイル発射を含む「重要軍事演習行動」を行った注1 。演習には中国空

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海峡両岸論 第140号 2022.07.12発行 - 「脅威にならない」の日中合意を 安倍対中外交の意外な「突破力」 -

著者: 岡田 充

 安倍晋三元首相が7月8日銃撃され死去した。(写真 死去を報じる新聞号外)首相退任後は「台湾有事は日本有事」など「親台湾」の本音を公言してきたが、首相在任中には二度にわたり日中関係を改善へ導き、意外な「突破力」を発揮した

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海峡両岸論 第139号 2022.06.04発行 - 「実利重視」のアジアは踊らず 「実利重視」のアジアは踊らず -

著者: 岡田 充

 バイデン米大統領が5月20~24日、韓国と日本を公式訪問し首脳会談を行った。東京では新たな経済枠組みの「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)=23日=を創設、日米豪印の対中枠組み「クアッド=QUAD」首脳会合も開いた。

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マルクスとガロア ― 《対称性崩し》をめぐる共通性 ― Both Marx and Galois engage on Breaking of Symmetry

著者: 内田 弘

[問いと解との橋がけ] 資本主義では、日常生活の経済行為の経験から、一方に商品が存在し、その対極に貨幣が存在し、商品は貨幣で購入し、貨幣は商品の販売で入手することができることは熟知されている。しかし、《数多ある商品と貨幣

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海峡両岸論 第138号 2022.05.06発行 - 政権に取り込まれたリベラル派 翼賛化する日本の政治・世論 -

著者: 岡田 充

 日本の政治と世論の翼賛化が急速に進んでいる。強国化する中国への反感をベースに、ロシアのウクライナ侵攻が、翼賛化に決定的役割を果たした。約1年前の日米首脳会談の共同声明は、日米安保の性格を「地域の安定装置」から「対中同盟

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明治大学国際労働研究所 講演会のお知らせ 「クーデター後のミャンマー労働運動」

著者: 石井知章

明治大学国際労働研究所 講演会のお知らせ 2021年2月のミャンマー国軍によるクーデターから1年が経った。この民主政権破壊に対して非暴力不服従抵抗運動を展開している市民に対して国軍は残虐な弾圧と情報管理を行っている。労働

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『プーチン3.0』から『ウクライナ3.0』へ  連載 下 ゼレンスキー政権の内幕

著者: 塩原俊彦

ゼレンスキーによる情報統制  前述のビデオ演説のなかで、ゼレンスキーは、2022年3月18日に採択された国家安全保障・国防評議会の決定「国家の情報セキュリティに対する脅威の無力化について」と「戒厳令下での統一情報政策の実

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『プーチン3.0』から『ウクライナ3.0』へ 連載 上 全体主義化するゼレンスキー政権

著者: 塩原俊彦

 「『プーチン3.0』から『ウクライナ3.0』へ」というタイトルで、ウクライナに焦点をあてた論考を二度に分けてこのサイトで公開したいと思う。その理由は、『プーチン3.0』という400字換算700枚ほどのウクライナ戦争にか

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中国における「普遍的価値」と近代――M.ウェーバーと丸山真男を媒介にして

著者: 石井知章

はじめに  中国の「市民社会」論とは、現存する「社会主義」の問題を考えるうえでの「理念型」(M・ウェーバー)的指標となっており、グローバルな視野での「市民社会の復権」として提起されている。いいかえれば、現代中国の「市民社

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緊急提言:ウクライナで燃えあがった戦火 いま、世界認識上のさまざまな問題点が浮かび出る

著者: 板垣 雄三

単色「悪魔化」論の落とし穴 「人類の敵=プーチンのロシア」式 かつてのサダム・フセインのイラク、ムアンマル・カダフィのリビアの場合と同じ。 プーチンのウクライナに対する軍事侵攻と欧米への核の威嚇とは批判されるべきだが、ウ

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海峡両岸論 第137号 2022.04.09発行 - 対米協調するが拭えぬ相互不信 中ロ同盟は復活しない -

著者: 岡田 充

 ウクライナ危機で国際政治の文脈から注目されるのは、対ロ経済制裁によって地球規模の経済が分断され、ブロック化していくかどうかだ。バイデン政権は中国とロシアを「グローバルな世界秩序の変更」を目指す「専制国家」として同一視し

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NPO法人アジア・アフリカ研究所2022年度第二回定例・(愛大人文社会研「尾崎=ゾルゲ」研究プロジェクト共催)研究会 「ロシアのウクライナ「特殊軍事作戦」(「侵攻」)をめぐって」

著者: 板垣雄三

「ロシアのウクライナ「特殊軍事作戦」(「侵攻」)をめぐって」 開催日: 2022年 4 月 23 日(土曜日)15:00~17:00 開催地: ZOOMにて開催 お問い合わせ: 03-3946-1479 または &#82

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子安宣邦『日本人は中国をどう語ってきたか』(青土社、2012年)をいかに評価すべきか  ――竹内好と吉本隆明の言説の間で

著者: 石井知章

1. なぜ本書が日本ではなく、中国で評価されるのか  子安宣邦『日本人は中国をどう語ってきたか』(青土社、2012年)が中国語に翻訳され、『近代日本の中国観』(生活・読書・新知三聯書店、2020年)として出版されたという

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戦後における「江湖的中国観」の欠如――日本に冷遇された方法論的著作

著者: 郭穎(廈門大学外文学院准教授)/訳:陳璐(早稲田大学兼任講師)

書評:子安宣邦著『日本人は中国をどう語ってきたか』(青土社、2012)  ミシェル・フーコー(1926-1984)によれば、人間はつねに「起源を求めること、無際限に先立つ系譜を遡ること、伝統を再構成すること、進化の曲線を

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ゼ大統領の失敗で幕を閉じる世界オレンジ革命 ――悪役プーチンを隈取りしたヌーランド国務次官の陰謀

著者: 矢吹 晋 

 ソ連邦解体に始まるいわゆるオレンジ革命は、舞台をウクライナに転じて最後のステージが演じられた。主役はタレント出身のゼレンスキー大統領、悪役はプーチン大統領だ。独裁者の孤独、精神鑑定が必要か、といった論評が日本メディアに

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「ビルマ 危機の本質」を読んで、考える(タンミンウー著、河出書房新社/2021.10)

著者: 野上俊明

 2020年11月の総選挙でNLDが2015年に続いて大勝利し、第二期スーチー政権のもとで「改革開放」の歩みが本格化していくのだとだれもが思っていた矢先、2021年2月1日に国軍クーデタが起こり、民主化・自由化・近代化の

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なぜ20世紀社会主義は狂気の独裁者を生み出したのか

著者: 盛田常夫

 ソ連邦社会主義はスターリンのような独裁者を生みだし、第二次大戦後の中東欧諸国にはスターリン率いるソ連型社会主義が移植された。治安警察が超法規的権限をもつソ連型社会主義は人々の社会的自由を奪い、共産党統治に反対する政治家

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海峡両岸論 第136号 2022.03.12発行 - 見えなかった多極化を可視化 ウクライナ危機と世界秩序 -

著者: 岡田 充

  ロシアのプーチン政権はウクライナ東部の親ロシア派支配2地域の独立承認(2月21日)に続き同24日、ウクライナへ全土への軍事侵攻を開始した。(写真 南部マウリポリで爆撃された子供・産院で立ちすくむ女性 TV朝日画面から

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プーチンのウクライナ侵略とクリントンのセルビア侵略――西高東低気圧配置下皇帝廟算誤テリ――

著者: 岩田昌征

 2月24日、プーチン大統領の露軍がウクライナに侵攻した。  私=岩田は、1999年3月24日、クリントン米国大統領のNATO軍が新ユーゴスラヴィア(セルビアとモンテネグロから成る連邦国家)に大空爆を敢行した事件を即座に

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海峡両岸論 第135号 2022.02.02発行 - 戦争シナリオを放置していいのか 戦争シナリオを放置していいのか -

著者: 岡田 充

 台湾有事を念頭に、日米共同「戦争シナリオ」が出来つつある。(写真 グアムで島嶼防衛のため米軍と共に合同演習する自衛隊=2012年10月13日)日米両政府は1月7日の外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(「2プラス

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ユーゴスラヴィア内戦の真相――多民族戦争と階級形成闘争 マスコミが伝えない真実に迫る

著者: 岩田昌征

まえがき  去年の暮12月26日に社会主義理論学会の研究集会がZoomで開かれた。集会の終了間際になって、日本共産党の理論家聽濤弘氏(元参議院議員)――主報告者であった――から一般会員として参加していた私=岩田に鋭い問が

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【模倣と経験――戦後精神史序説(3)】  喩の技法と型の論理 ――塚本邦雄・大岡信《方法論争―1956年》をめぐって(Ⅰ)――

著者: 大田一廣

歌人・塚本邦雄(1920-2005)と詩人・大岡信(1931-2017)との間で1956年3月から7月にかけて行われた短歌、ひいては詩歌としての〈現代-詩〉にかんする《方法論争》(『短歌研究』1956年3月号~7月号)は

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