――八ヶ岳山麓から(252)―― 毎年3月に入ると、中国のチベット人地域は至るところ警察と武装警察と軍隊だらけの戒厳状態になる。今年もそうだろう。10年前の2008年北京オリンピックの5ヶ月前、3月14日ラサで大きな「暴
本文を読む中国の執筆一覧
あるチベット人僧侶の物語
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(251)―― 中国青海省チベット人地域の学校で日本語を教えたとき、学生から「アジャ・ゲゲンの消息を知っているか」とよく聞かれた。「知らない」と答えると誰もがひどくがっかりした。 学生の話では、アジャ・
本文を読む中国とどう向きあうか ―― 護憲勢力の落し穴
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(250)―― 日本はこのままでは改憲に進む。 世論調査のたび、安倍政権のもとでの改憲に反対というひとは多数を占めるが、護憲世論は決して安定した多数ではない。先の総選挙では集団的自衛権に反対する衆議院議
本文を読む海峡両岸論 第87号 2018.02.10発行 - 強国化する中国は脅威なのか 米中二元論から卒業したい -
著者: 岡田 充中国脅威論が再燃している。米政治学者はことしのリスク第1位に「権力の空白を好む中国」を挙げ、米国防総省(写真「核態勢見直し」の表紙 米国防総省HP)は中国を米覇権に挑戦する「最大の脅威」と言い放った。日本の大手メディア
本文を読む最近の習近平政権論をよむ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(248)―― 中国関係の本はだいたい中国の悪口だ。しかもやたらに多い。こう多くてはなにを読んでいいかわからない。新聞の書評にとりあげられたのを買って「だまされた!」と思うことがときどきある。 『習近平
本文を読む海峡両岸論 第86号 2018.01.10発行 - AIは新たな統治モデルになるか 米国脅かす中国の国家戦略 -
著者: 岡田 充中国政府がAI(人工知能)産業を2030年に世界トップ水準に向上させる野心的な国家戦略を発表した。今世紀半ばに中国を「世界トップレベルの総合力と国際的影響力を持つ強国」にする「中国の夢」の第一歩と言ってもいい。ビッグデー
本文を読む「中国は法治社会か」
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(246)―― 中国湖南省長沙の裁判所は12月26日、国家政権転覆扇動罪などに問われた人権派弁護士、謝陽氏に刑事処罰免除の判決を言い渡した。謝氏が罪を認めていることや、社会への危害の程度が低いことを理由
本文を読む中国に傾斜するネパール
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(245)―― ネパールの国政選挙は11月26日と12月7日に投票、12月13日現在下院選の結果がほぼ確定しました。統一共産党(UML)と共産党毛沢東主義派(マオイスト)が主導する共産系諸派同盟は、10
本文を読むこれほどの強制立ち退きとは―北京火災現場のその後
著者: 田畑光永新・管見中国(34) 今月16日の本欄に私は「人権に国情ありや!南南人権論壇の茶番」(新・管見中国33)という一文を載せ、その中で先月18日に北京で違法建築アパートから出た火災の火元周辺が市当局によって取り壊され、住民
本文を読む人権に国情ありや! 南南人権論壇の茶番
著者: 田畑光永新・管見中国(33) 去る7日、北京で第一回「南南人権論壇」なる国際会議が開かれた。まず「南南」とは何なんだ?と思われるだろうが、よく発展途上国と先進国との関係を「南北関係」というところからの造語(多分)で、途上国どう
本文を読むミャンマーを手中におさめようとする中国
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(244)―― この秋、ミャンマー・ラカイン州をおもな居住区とする20万とか50万というロヒンギャ人が、同じムスリムの隣国バングラデシュに逃れました。もともと130万くらいしかない民族だから、国連は前例
本文を読む習近平新時代・幕開けの将軍の死 ― 張陽自殺の謎
著者: 田畑光永新・管見中国(32) 日本もなぜかいつまでも「安倍一強」だが、中国は文字通り「習近平一強」時代である。なにしろ「習近平新時代の中国の特色を持つ社会主義思想」なるものが、先ごろの党大会で党の指導思想として中国共産党規約に
本文を読む海峡両岸論 第84号 2017.11.12発行 - 中台の現状維持はいつまで続くのか 習近平も描けない統一時間表 -
著者: 岡田 充中国共産党の第19回党大会(10月18-24日)で、習近平総書記(写真 10月26日付人民日報一面)は、建国百年を迎える今世紀半ば(2049年)に、中国を「世界トップレベルの総合力と国際的影響力を持つ強国」にする野心
本文を読む習近平思想とは何か
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(240)―― 中国共産党第19回大会が終った。 習近平総書記(国家主席)は18日の報告で、「中国の特色ある社会主義は新時代に入った」と宣言し、3年後の2020年には「小康(ややゆとりのある)社会」を実
本文を読む米中関係のはざまで、ファッショ化する日本!
著者: 加藤哲郎2017.11.1 ◆ 日本で総選挙と野党再編が急速に進んでいるあいだ、中国共産党大会開催中の中国東北部、ハルビンから中ロ国境の虎頭要塞まで、旅していました。ハルビン市郊外平房は、関東軍731部隊の本部があった、人体実験
本文を読む満つれば欠くるは・・・“習一強”体制のゆくえ
著者: 田畑光永新・管見中国(31) 注目された中国共産党の第19回全国代表大会が終わった。10月24日の閉会に続いて、翌25日に開かれた第19期第1回中央委員会総会で、中央政治局、中央軍事委員会、中央紀律検査委員会のメンバーが決まり、
本文を読む日本への恨み考 ― 「満州事変を忘れるな」の補遺
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(239) ―― 先月のことだが、産経新聞に概略次のような記事があった。 9月22日、河南省鄭州大学で行われた就職説明会で、通信機器メーカーの小米科技(シャオミ)の幹部社員が、「英語やアラビア語を勉強し
本文を読む海峡両岸論 第83号 2017.10.15発行 - 中国軍越境し核管理のシナリオも 予想以上に進む米中協調関係 -
著者: 岡田 充米朝チキンゲームは口先の「ののしり合い」から、米軍による北朝鮮への軍事攻撃という最悪のシナリオを想定すべき段階に入った。戦端が開かれれば、核戦争の危機が現実のものとなり、犠牲者は数百万人にも上るだろう。日本
本文を読む地理学者駒井正一先生を記念する
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(237)―― このほど思いがけなく、東京大学出版会の元編集者渡邊勲さんから「自著を語る」という原稿を求められた。渡邊さんが面倒を見て出版した本の著者たちに、自著を語らせてそれを本にするというのである
本文を読む「満洲事変」を忘れるな
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(236)―― また9月18日がやってきた。この日を迎えるたび、何かをいわずにはいられない気持ちでいっぱいになる。 「国民政府軍と中国共産党=紅軍との対決が激烈になりつつあった1931年9月18日夜半、
本文を読む中印国境は緊張している
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(234)―― 8月半ば、北京の友人が「中印国境では、我国とインドとの本格戦争の恐れがあるが、日本ではどう見ているか」といってきた。日本では小さいニュースだったが、中国ではメディアがかなり緊張を煽ってい
本文を読むこの焦燥ぶりが恐ろしい ― 正念場の習近平(5)
著者: 田畑光永新・管見中国(30) この秋の中国共産党第19回全国代表大会(略して「19全大会」)が10月18日から開かれることが、8月31日に発表された。大会は5年に1度で、そこでは次期最高指導者を含めて、同党の重要人事が決まるの
本文を読む意外な落とし穴? 中印国共の緊張―正念場の習近平(4)
著者: 田畑光永新・管見中国(29) 今回は習近平における外交を考えてみたい。習近平もわが安倍首相に劣らず外国にはよく出かける首脳の1人だ。それについて私はつねづね不思議に思っていることがある。 習近平が出かけた先で会うのは、大統領と
本文を読む中国にも「正論」はある、ただ民衆のものになっていないだけだ
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(232)―― はじめに 中国では人文系社会科学系の学者は、たいてい中国共産党の召使にされてしまいました。それでも骨のある人はいます。「物言う経営者」として著名な大手不動産会社の任志強が「(メディアが党
本文を読む似非毛沢東への道
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(231)―― この秋の中国共産党19回大会の最大の見どころは、党規約が改定され、毛沢東以来の党主席制が復活して習近平がその座にすわれるかどうかである。 毛沢東の専制政治がいくたびもの悲劇を生んだ反省と
本文を読む「習近平思想」ってなんだ? ―正念場の習近平 3
著者: 田畑光永新・管見中国(28) この秋の中国共産党全国大会(第19全大会)で自身を毛沢東、鄧小平に直接連なる、つまり江沢民、胡錦涛というつなぎの指導者の3人目ではない、終身的な指導者に位置づけようとする習近平の動きを、これまでイ
本文を読む中国人の批判精神は健全である
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(230)―― 中国では、近頃次期国務院総理候補だった重慶市の中国共産党書記・孫政才氏が罷免されました。代って重慶市党委書記となった陳敏爾氏、すでにその職に就いた蔡奇・北京市党委書記、応勇・上海市長らは
本文を読む異例づくめの閲兵から読み取れるもの―正念場の習近平 2
著者: 田畑光永新・管見中国(27) 8月1日は中国軍の、より正確には中国共産党軍の建軍記念日である。1927年のこの日の夜、江西省南昌で共産党員による最初の武力蜂起が起こった。それ以来、今年で90年である。その記念日を前に7月30日、
本文を読むいま、ゲーツ氏のアプローチを読む - ウォールストリートジャーナル紙インタビューから -
著者: 木村知義朝鮮半島の核・ミサイル問題は、北朝鮮によるあいつぐ「ICBM発射成功」という緊迫感をはらみつつも、ある種の危機の「こう着状態」とでもいうべき局面にある。 いうまでもなく7月28日深夜の2度目のICBM発射によって米国は一
本文を読む「親しまれるより」より「畏れられたい」―正念場の習近平 1
著者: 田畑光永新・管見中国(26) しばらく中国のことを書く気がしなかった。なぜなら最近の中国は、何を書いても、かねてから「反中国」を売り物にしている某紙の論調と似たようなことになるものだから、自分で自分がいやになってしまうのだ。し
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