日本を沈没させた安倍政治との訣別を!
- 2022年 11月 2日
- 時代をみる
- 『731部隊と100部隊』アベゾルゲ加藤哲郎
●2022.11・1
『ゾルゲ・ファイル 1941-1945』出版記念・「尾崎=ゾルゲ研究会」設立記念
座談会(アンドレイ・フェシュン/名越健郎)開催
https://www.msz.co.jp/news/event/09514-ozaki-sorge/
https://www.msz.co.jp/book/detail/09514/
https://www.msz.co.jp/news/topics/09514/ 清水亮太郎「ゾルゲ神話を越えて」
11月7日(月)14:00-16:30 愛知大学東京霞ヶ関オフィス+リモート
● 私が代表をつとめる「尾崎=ゾルゲ研究会」の11月7日(月)午後、愛知大学東京霞ヶ関オフィスでの正式発足会の案内が、みすず書房からの4冊のシリーズ刊行案内とともに、発表されました。ZOOMでのリモート参加も可能ですので、ご関心のある方はどうぞ。
● 秋雨の候、日増しに寒いこの頃でございますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
OS(尾崎=ゾルゲ研究会)通信創刊準備号02をお届け致します。また、先に予告申し上げておりましたように、来る11月7日月曜日14時より「尾崎=ゾルゲ研究会」設立会合とそれを記念して、10月17日みすず書房より刊行されますA・フェシュン編『ゾルゲ・ファイル 1941−1945 赤軍情報本部機密文書』(名越健郎・名越陽子訳)をめぐる、フェシュンさんと名越健郎さんとの座談会を、愛知大学東京霞ヶ関オフィス(+リモート)にて、開催致します。
お時間許しましたなら、是非ご参加頂きたく、ご案内申し上げます次第です。
以下よりお申し込み頂けますと幸いです。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfgzpMgAEJTjhzEjTGI4I27v5KOUMisBaeAR0ALGFRgSCuu4w/viewform?usp=pp_url
時節柄、くれぐれもご自愛くださいますよう。
尾崎=ゾルゲ研究会準備会事務局
11.1● 日本政治の腐敗は、底が知れません。泥沼みたいです。世界市場は正直です。米ドルに対する円の価格は、2022年初が115円、私が入院する前の5月が130円、それがいまや150円です。政府の為替介入も焼け石に水です。国連やOECDの国際統計は、おおむね米ドルベースで表示されます。日本の国際的地位は、一人あたりGDPも実質賃金も社会保障や福祉の水準も、大暴落です。おそらくGDPもドイツやインドに追い越されますから、かつての「経済大国」からの退却です。20世紀のイギリスが経験した、「日没国家」への衰退です。少子高齢化は進み、教育も医療も生活保障も切り詰められます。外国人にとっても、アニメと観光以外では魅力のない国になりつつあり、底辺労働は、老人と非正規日本人雇用でまかなわなければなりません。
● 21世紀の日本の政治が、この国の今をかたちづくりました。元凶は、自民党政治です。しかもアメリカや統一教会とも結びついた売国政治です。安倍晋三が君臨した2010年代こそ、その典型でした。売国とは、2重の意味です。安全保障と外交戦略を日米同盟に委ねて自主的交渉力を育むことができず、国内政治の多数支配維持のために、韓国のカルト集団に選挙支援を受け政策協定さえ結ぶ自民党議員が多数いました。改憲・防衛力増強、家庭政策やLGBTQを否定する保守的・家父長的政策で一致していました。岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と続く国際勝共連合・統一教会人脈が21世紀の自民党内で支配的になり、国家の政策を動かすようになりました。リーマンショック後の「アベノミクス」という名の経済政策は、第一の矢と称した金融緩和・株価維持政策だけが突出し、第二の財政はそれに従属して世界一の財政赤字を恒常化し、第三の成長政策も名ばかりで、新規産業投資にも賃上げにもまわらない大企業の内部留保500兆円を増やしただけで、実質賃金は伸び悩み景気は低迷、貧困層が増え生活格差は広がる一方でした。
● 日本を取り巻く国際環境も変化しています。もともと20世紀の最後の10年には、旧ソ連の崩壊、東欧諸国の民主化、EUの拡大、中国の改革開放スタートアップ等が、湾岸戦争とアメリカの中東介入に併行していました。米国一極支配か多極化・多元化かが不明確なもとで、日本はひたすら日米同盟へと旗幟を鮮明にしました。それが、米国発のリーマンショックの頃から、隣国中国の台頭もあって、日本自身の在り方を脅かすことになりました。安倍晋三の長期政権が、民主主義破壊の独裁的指導者プーチンやトランプに取り入り、何とか「経済大国」の地位だけでもキープしようとしていた間に、EU諸国も、中南米も、アフリカ諸国も独自の成長を遂げました。米国と組めば何とかなると思っていたらしい「日没国家」日本は、存在感を失ってきました。急成長する大国インドを含むアジアの国々から、自国の成長と中国の影響力増大が相まって、停滞する日本への新たなまなざしが生まれてきました。低賃金外国人労働力として日本に「出稼ぎ」にくるのは、もはや中国でもフィリピンでもインドネシアでも、ブラジル等中南米諸国の日系人でもなく、今はベトナムとネパールの苦学生ぐらいになりました。産業構造の転換もできず、政権党政治家への票も不動産も「爆売り」するインバウンド「観光立国」への転身こそ、「アベノミクス」の所産であり、帰結でした。やがて確実に第八波がやってくるコロナ・ウィルスへの無為無策は、「ミゼラブル・ジャパン」を増幅しただけでした。
● 獣医学の小河孝教授とのコラボで進めてきた共著『731部隊と100部隊ーー知られざる人獣共通感染症研究部隊』(花伝社)の刊行だけは、何とか仕上げました。『戦争と医学』誌22巻(2021年12月)に寄稿した「戦前の防疫政策・優生思想と現代」をアップしました。日独関係史がらみで、『岩手日報』2月20日の社会面トップ記事、「可児和夫探索」の調査取材に協力しました。可児和夫は、ナチス・ドイツ敗北後に日本に帰国せずベルリン近郊に留まりソ連軍に検挙された医師・ジャーナリストで、もともとナチスの作った東独のザクセンハウゼン強制収容所に、1945−50年収監されていた唯一の日本人でした。片山千代のウクライナ「ホロドモール」体験に似た収容所体験記「日本人の体験した25時ーー東独のソ連収容所の地獄の記録」(『文藝春秋』1951年2月)を残した、現代史の貴重な証言者です。本サイトの更新も、まだまだ不安定ですが、カレッジ日誌(過去ログ) の方から、論文やyou tube 講演記録をご参照ください。
初出:加藤哲郎の「ネチズン・カレッジ』より許可を得て転載 http://netizen.html.xdomain.jp/home.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye4975:221102〕
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