SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】521 祝桜開花中国平和外交満開
- 2023年 3月 25日
- 評論・紹介・意見
- ウクライナ中国外交平田伊都子西サハラ
ウクライナ電撃訪問をした首相は、G7広島サミットにウクライナを招待しました。
<平和>という慣用語をサミットにも付けたいのなら、ロシアも電撃招待して、ウクライナ戦争に電撃平和をもたらしてください。 平和の使者・中国への招待も、お忘れなく、、
① 中国平和仲介:
2023年3月10日、中国の習近平首席は北京で、長年敵対関係にあったイランとサウジアラビアの代表に握手をさせた。紛争当事国でない中国による、まさに電撃中東和平外交の成果だった。
紛争当事国でない中国は、ウクライナ戦争停戦に向けても、2月24日に12項目からなる停戦和平案を発表した。停戦反対のウクライナ戦争仕掛け人・アメリカは、宿敵中国の和平仲介に反発し、ゼレンスキー閣下に「戦争当事者以外が停戦案を出すことはできない」といわせたが、閣下は「習首席に会いたい」と本音を吐露した。
そして、プーチン・ロシア大統領にICC逮捕状を出させたりして、欧米+国連事務総長が一体となって妨害するなか、中国の習首席はロシアに飛んだ。
2023年3月20日、ロシア北部のペチョラ川で獲れたネルマ魚、ロシアの伝統的なシーフード スープ、ウズラのパンケーキなどを含む 7 品コースの食事にロシア ワインが、習首席歓迎晩餐会のテーブルを飾ったそうだ(ニュースソースBBC英国TV)。
3月21日にプーチン・ロシア大統領と習中国主席のテーブルに載った中国和平案とは:
1) 国家の主権を尊重:一般に認められている国際法と国連憲章を厳密に遵守。
2)冷戦の考え方を放棄:自国の安全のために他国を犠牲にしてはならない。
3)敵対行為をやめる:全ての当事者は「合理性を保ち、自制を保ち」、紛争を煽らない。
4)和平交渉の再開:対話と交渉がウクライナ危機に対する唯一の実行可能な解決策だ。
5)人道危機の解決:人道危機の緩和に貢献する全ての行動は奨励され、支援される。
6)民間人と戦争捕虜の保護:紛争当事者は国際法を遵守し民間人や戦争捕虜を守る。
7)原子力発電所の安全確保:原子力発電所への武力攻撃を拒否する。
8)戦略的リスクの軽減:核兵器は使用されるべきでなく核戦争は行われるべきではない
9)穀物輸出の促進:全ての当事者は黒海穀物協定を実施する必要がある。
10)一方的な制裁を止める:一方的な制裁と圧力は問題解決にならず、新しい問題を生む。
11)サプライチェーンの安定化:全ての関係者は、既存の世界貿易システムを維持尊重。
12)復興計画:国際社会は、影響を受けた地域で紛争後の復興実施の措置を取るべきだ。
② 中国のおかげで、平和外交ラッシュ:
3月10日、中国の仲介で国交を正常化させたイランとサウジは、2か月の間に様々な分野で交流を活発化させることを約束した。
イランの国営メディアは19日、ライシ大統領がサウジアラビアのサルマン国王から招待状を受け取り、訪問を受諾したと報じた。 両国は2016年以降、断交。関係改善によって、両国の代理戦争の様相を呈するイエメン内戦で情勢を好転させられるかが焦点となっている。イラン・サウジ 首脳会談が行われれば、イエメンなど中東地域の緊張緩和のほか、関係改善に向けたさまざまな議題について協議が再開される。
3月10日、国連によるイエメン停戦合意が暗礁に乗り上げていたさなか、抜け目のないグテーレス事務総長は渡りに船とばかり、「北京で行われたサウジアラビア王国、イラン・イスラム共和国、中華人民共和国による共同声明を歓迎したい。イランとサウジアラビア王国は、2か月以内に国交を再開する。最近の会談を主催し、両国間の対話を促進した中華人民共和国に、感謝の意を表したい」と、中国に礼を述べた。
3月19日午後、シリアのバシャール・アル・アサド大統領はアラブのバラと仇名されるアスマ夫人を伴って、公式訪問のためUAEアラブ首長国連邦に向かった。アル・アサド大統領の飛行機は、UAE空域に入ると数機のUAE戦闘機が同行し、訪問を歓迎した。アブダビの大統領専用空港に到着したアサド大統領一行を、アラブ首長国連邦のムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン大統領が迎え、その後、アサド大統領はカスル・アル・ワタンに向かい、車列がアル ワタン宮殿に到着すると、バシャール アル アサド大統領公式歓迎会が開催され、ムハンマド ビン ザイード アル ナヒヤーン大統領がアル アサド大統領に同行して名誉の壇上に上がり、シリア アラブ共和国の国歌が演奏された。イランと同盟国のシリアは、イランを敵視する湾岸諸国と断絶していた。そのシリアの国旗掲揚と国歌がUAEの空に舞い、新時代の到来を告げたのだ!
長年にわたって対立してきたイスラム教シーア派の本家イランとイスラム教スンニ派本家サウジアラビアの和解は、仲介者中国の紛れもない歴史的大ヒットだった。そして、ウクライナ戦争停戦という和平外交を目指して、中国はモスクワに入った。
③ 国連報道室の新星・ディジー・シュイ中国中央テレビ特派員:
「対話を通じてウクライナ危機を解決するという、ロシアと中国の指導部による共同声明を見た。ロシア側は、和平交渉をできるだけ早く再開すると言い、中国はこれを高く評価した。これについて事務総長から何か反応は?」と、3月22日の国連事務総長昼の記者発表でデイジー・シュイ中国中央テレビ特派員が質問した。「もちろん、対話を通じて紛争を解決するためのあらゆる努力に感謝する。もちろん、国連憲章、国際法、および2月23日に総会で可決された決議に沿って、公正な平和を達成するためだ」と、ファラハン・ハク国連事務総長副報道官が答えた。米国国家安全保障会議のスポークスパーソンであるジョン・カービー氏は、「現時点では受け入れがたい結果である。今、停戦を要求することは基本的に、彼らがウクライナ国内で手に入れたものを批准し、将来の作戦に備えるための時間とスペースを与えるだけだ」と、中国の平和交渉に反対した。
「あなたは、国連が劣化ウランを使った武器庫の使用について常に懸念していたと言った。この場合、懸念で十分だと思うか?、、英国の国防省は声明を発表し、ロシア人を偽情報とだ非難している」と、ディジーが畳み込んだ。「ええと、(国連)軍縮局が言ったことを紹介したいと思う。世界中での劣化ウランの使用に反対している。」と、副報道官は答えた。NHK は「イギリス国防省のゴールディー閣外相は20日、議会上院でウクライナに主力戦車「チャレンジャー2」とともに、劣化ウラン弾を供与する」と発表している。
「今日で、イラク戦争から20周年を迎えた。 元国連事務総長のコフィ・アナンが、国連憲章の観点から違法だと言った」と、3月20日にイラク戦争の不法性を質したのは、アラブの記者ではなく、中国中央テレビのディジー記者だった。
常連記者と国連事務総長報道官のいささかマンネリ化したやり取りが多い中で、ディジー記者の一途な突っ込みは、爽やかでこぎみがいい。
そして、3月24日の記者会見でディジー記者は、23日のシリア米軍基地へのドローン攻撃と米軍による猛空爆を質問し、国連憲章、国際法、関連決議を無視してシリアに駐留する米軍の違法とそれを放置する国連を質した。BBC英国TVも、約 900 人の米軍部隊が、シリア政府の許可なしに、シリア南部と東部の基地から活動していることを暴露している。
国連事務総長報道官室の定例記者会見で質問する
ディジー・シュイ中国中央テレビ特派員
BBC英国TVが、「プーチン大統領は<ウクライナ問題に、中国のバランスの取れた立場と歴史的背景・根本原因に対する理解を高く評価し、、、中国の役割を歓迎する>と述べた。習主席は<対話と交渉を堅持するなら、危機を解決する合理的な道を探ることができるだろう>と表明した。欧米諸国は中露密着の動きを鋭意注視している」と、報道しました。
ブリンケン米国務長官は22日の米上院外交委員会で、「中国の対ロシア外交は便宜結婚と、揶揄しました。
誰がウクライナ停戦を望んでいて、誰が望んでいないのか?、明白です、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年3月25日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12923:230325〕
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