韓国通信NO747 日本国憲法―第2章第9条 戦争の放棄
- 2024年 6月 14日
- 評論・紹介・意見
- 「リベラル21」「韓国通信」小原 紘戦争の放棄日本国憲法
憲法公布から3カ月後、文部省は教科書『あたらしい憲法のはなし』を発行した。だが、わずか3年後に「副読本」に格下げされ、その翌年からは使われなくなった。
戦後の混乱期、生徒も教師も新生日本への期待に胸ふくらませて読んだに違いない。
防衛予算倍増計画によって、世界第三位の軍事大国になる。現実と憲法の違いに愕然とする。放置してきたのは私たち大人の責任ではないのか。
あたらしい憲法のはなし 文部省 1947.8.
戰爭の放棄
イラスト戦争放棄
みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんや兄さんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それとも とうとうおかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。いまやっと戰爭はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戰爭をして、日本の國はどんな利益があったでしょうか。何もありません。たゞ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。戰爭は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。だから、こんどの戰爭をしかけた國には、大きな責任があるといわなければなりません。このまえの世界戰爭のあとでも、もう戰爭は二度とやるまいと、多くの國々ではいろいろ考えましたが、またこんな大戰爭をおこしてしまったのは、まことに残念なことではありませんか。
そこでこんどの憲法では、日本の國が、けっして二度と戰爭をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戰爭をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戰力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心細く思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
もう一つは、よその國と あらそいごとが おきたとき、けっして戰爭によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの國をほろぼすようなはめになるからです。また、戰爭とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戰爭の放棄というのです。そうしてよその國となかよくして、世界中の國が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の國は、さかえてゆけるのです。 みなさん、あのおそろしい戰爭が、二度とおこらないように、また戰爭を二度とおこさないようにいたしましょう。
かつて作家の小田実が他国の侵略に「竹やり」、つまり素手でも戦うと決意を語ったことがある。彼は真の愛国者だった。以来、私は竹やり派である。
『あたらしい憲法のはなし』は静かなベストセラーを続けている。
<憲法を嫌悪する人たち>
アメリカの大統領は就任式で憲法の遵守を宣誓する。日本の首相は就任すると開口一番、「憲法を変えたい」と語る。半世紀にわたって自国の憲法をヘイトする政治家たちによって国の基本が崩れてきた。こんな国は世界にあるだろうか。
<我孫子通信>
🔷6月9日、手賀沼公園で東海第二原発の再稼働に反対する市民集会が開かれた。小さな町の「大集会」、150人が集まった。福島の原発事故から13年。市民は事故と放射能の恐怖を忘れない。現在稼働、稼働を目論む女川、柏崎刈羽原発に反対する住民との連帯行動に我孫子市住民の1000人に一人が集まったことになる。<下写真/「東海第二原発を動かすな」パネル 手賀沼公園/撮影筆者>
東海第二手賀沼
🔷「人生に悔いがあるとしたら原発の危険性を見逃していたこと」、「せめてもの罪滅ぼしに抗議活動や署名運動、駅頭のアピール活動に取り組んでいる。協力して欲しい」。最近、ある会合での私の挨拶だ。出席者は目をぱちくりさせながらも頷いてくれた。新たな仲間づくり、私の新規活動である。
🔷外国人に日本語を教えるボランティアを再開した。生徒に放射能で汚染した牛を飼い続ける『希望の牧場』という絵本を読んでもらった。「面白かった? 」と感想をたずねたら「面白くなかった。とても悲しかった」という返事が返ってきた。
🔷手賀沼の白鳥はコブ白鳥。農作物を荒らすので害鳥扱いだが、「鳥獣保護法」によって捕獲、駆除はできない。市民から愛される白鳥は市役所の頭痛のタネになっている。
「外国人が白鳥を食べた」という噂を聞いた。信じがたいことだが、「出入国管理法」の改定によってわが国で暮らす外国人への関心が高まっている折でもある。真相を明らかにするよう市に申し入れをしたが返事がない。100年前関東大震災時に殺された朝鮮人、中国人のことを思い出した。
初出:「リベラル21」2024.6.14より許可を得て転載
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記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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