韓国通信NO754 9+4
- 2024年 9月 20日
- 評論・紹介・意見
- 「リベラル21」小原 紘韓国通信
9名が立候補した自民党の総裁選。内々でやる選挙ならともかく、国民を前にして統一教会も裏金も関係ないかのようにはしゃぐ茶番劇に呆れる。「同じ穴のムジナ」が何を喋ろうと知ったことではないが、不信感は一層深まるばかりだ。彼らの言い分をダラダラと報道し続けるテレビも新聞も同罪だ。ムジナの誰が総裁になろうと私には関心ない。
同時期に行われる立憲民主党の党首選には4名が立候補した。
<立憲民主党の党首は>
立憲の党首は誰でもいいというわけにはいかない。自民党から政権を奪う野党の党首選びである。その実現には卓越した指導力と国民への説得力が必要だ。だが、ここでは候補者たちに注文を付けて、「ほめ殺し」とは逆の立憲民主への激励としたい。
まず泉党首である。野党第一党でありながら支持率10%に満たない不甲斐ない政党の責任者である。定まらない他の野党との選挙協力体制。「連合」に頭が上がらない姿が国民に見透かされた。右往左往する立憲の姿と彼が重なって見える。だがすべてが党首の責任ではない。また、個人として党首「らしからぬ」行動や発言もあった。安倍元首が始めた拉致被害者救援のブルーリボン姿の泉代表からさまざまな疑問と憶測が生まれた。来日した韓国の尹錫悦大統領に韓国野党の説得を買って出て、笑い種(ぐさ)になったのは記憶に新しい。常識にとらわれない若さが強みと言えなくもない。
原発廃棄の決断をしない野田首相(当時)に業を煮やして船橋の自宅へ抗議に出かけたことがある(2012年9月)。野田政権が自民党政権並みになったと国民の間に失望が広がり始めた時期である。政権末期には政権維持のために原発擁護、消費税増額を認め、挙句の解散。選挙で大敗して悪夢の安倍長期政権誕生の道を開いた。前原誠司と同じ松下政経塾出身。党内で支持率が高いのは驚きだ。
枝野前代表は、民主党から民進党へ、さらに希望の党への流れを阻止して立憲民主党を創設した功労者だが、泉代表と同じく党の停滞を生んだ責任は免れない。野党性もあり説得力もある。活躍に期待したい。
残るは吉田はるみ衆院議員。前回選挙で東京第8区から立候補して共産・社民・れいわの支持を得て石原伸晃候補を破る快挙を成し遂げた。新鮮で誠実な話ぶりに好感が持てる。だが彼女を盛り立てる機運が党内にはあまり感じられない。
<立憲民主党への期待>
これほど国民が政権交代を望んでいるにもかかわらず、立憲民主党の支持が増えないのは不思議だ。党の「綱領」「基本政策」を読んだ。立派な内容で、政治の変革を望む人には説得力ある文書である。だが支持者が増えなければどうしようもない。「綱領」「基本政策」を広めることが必要だ。飾って置くのはもったいない。
総裁選報道に合わせて報じられる立憲の党首選で立憲が身近に感じられるようになったのは望外の効果といえる。自民党総裁選のおかげかも知れない。
候補者たちは連日大活躍だが、12万人に近い党員とサポーターたちの存在が気になる。自民党議員たちは「票読み」「多数派工作」に余念がないとして、国会が開かれないこの時期こそ、「国民とともに歩む」政党として草の根市民運動に取り組む絶好の機会ではないだろうか。従来から組織力の弱さと市民運動で影が薄いと揶揄される政党からの脱皮が必要だ。
16日に開かれた「さようなら原発」全国集会に立憲の姿はなかった。党として原発全廃を掲げながら、原発再稼働に邁進する政府へ対決姿勢が感じられないのが心配だ。
北朝鮮と中国の脅威を理由としたとめどない軍拡と戦争を心配する人が多い。野党として独自の平和外交に取りくみ、アジアの緊張緩和への貢献も期待される。知恵を出し合い、市民と一緒にやれることはたくさんあるはずだ。
今回の党首選挙をきっかけに党が大きく発展することを期待したい。
<朝日新聞に喝>
立憲に激励と喝を入れたつもりだが、曖昧で腰が引けた点で立憲と通底しているように見えるのが最近の朝日新聞である。
9月10日付け社説「日韓の首脳外交、改善の歩みを止めるな」には正直ため息が出た。条件付きだが、岸田首相と尹大統領によってもたらされた関係改善を評価して更に進めようという主張である。一方的に尹大統領が日本の主張を丸呑みした事実が無視された。大統領が変われば元の木阿弥は明らかである。一層関係悪化を招くことも予想されるが、朝日は意図的に無視した。タナボタ式の「関係改善」を実現した岸田首相を「ヨイショ」した情けない社説だ。国会で安倍首相から「朝日新聞はウソツキ」と恫喝されて以来、政府に迎合的な記事が目立つようになった。朝日新聞に「喝」である。
<9.16さようなら原発集会に5千人> <写真/デモスタート風景>
代々木公園で開かれた集会は午後1時半、佐高信さんの開会の挨拶で開始。女川原発の現状報告、福島から汚染水放出問題と甲状腺子どもがんの報告。東海第二原発、若者による環境問題の報告、むつ中間貯蔵施設問題、柏崎刈羽原発再稼働問題の報告があった。落合恵子さんの挨拶からは毎回元気をもらう。閉会の挨拶は鎌田慧さん。原発事故から13年余。次の世代へのバトンタッチが急務。
年を取っても気持ちは若い。渋谷の外国人観光客がデモする日本人にビックリ。会場の隣にあるNHKから今年も無視された。何十人もの公安警察がチェックするデモだというのに。NHKに喝!
初出:「リベラル21」2024.09.20より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion13883:240920〕
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