《自然主義論争における石川啄木》 時代閉塞という言葉の本家・本元のテキスト「時代閉塞の現状」を読んだ。 それは若き詩人石川啄木(1886~1912)が、死の2年前である1910(明治43)年8月に書いた論文である。韓国併
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
書評:内田弘の快著『啄木と秋瑾』の印象的評
著者: 岩田昌征内田弘教授から『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年)を去年の末に贈られた。記して感謝する。副題に「啄木歌誕生の真実」とある。真に気になる題名である。私は短歌というより和歌が好きである。時にふれて詠歌することもある。拙著
本文を読む周回遅れの読書報告(その14)
著者: 脇野町善造まだフルタイムで働いていたある時期、給料は出るが、仕事も部下もなく、日中は新聞か本を読むか以外にすることがないという奇妙な経験をした。時間的余裕がある割にはたいしたものを読んだわけではなかったが、本屋にはよく行き、現実
本文を読む「太平洋で米軍が優位を失うのは時間の問題」?―孫崎氏のツイートへの疑問
著者: 安東次郎孫崎氏のツイッタ―には、いつも教えられることが多いが、「中国軍事力」(11月9日)と「米国と安保」(11月9日)――このサイトに転載されたものは、https://chikyuza.net/archives/5744――に
本文を読む日本山妙法寺、平和運動への一層の精進を誓う -藤井日達山主の27回忌法要で-
著者: 岩垂 弘日本山妙法寺の藤井日達山主の27回忌法要が1月9日、千葉県鴨川市の同寺清澄山道場であった。同寺の僧侶、信徒をはじめ日蓮宗各宗派関係者、米国・英国など海外の団体代表ら山主を敬う約400人が参加したが、「国内外で平和が脅か
本文を読む米国の宗教右派と中東政策
著者: 宇井 宙最近、新たにスーザン・ジョージの『アメリカは、キリスト教原理主義・新保守主義に、いかに乗っ取られたのか?』(作品社、2008)を読んだので、そこから得た知識により、先日書いた「アメリカの原理主義(1)(2)」を補足したい
本文を読む中国の将来の変化と底流で密接につながる客家問題 〔書評〕矢吹晋・藤野彰著『客家と中国革命―「多元的国家」への視座』
著者: 雨宮由希夫〔書評〕矢吹晋・藤野彰著『客家と中国革命―「多元的国家」への視座』 (東方書店、¥2400+税) 客家(はっか)なら誰でも、自らの祖先は中原から来たと「中原」の出自を強調するという。客家とは、中国古代のたび重なる戦乱や
本文を読むアメリカの原理主義(2)・(1)
著者: 宇井 宙アメリカの原理主義(2) 原理主義者(ファンダメンタリスト)という言葉は福音主義者(エバンジェリカル)と同じ意味で用いられることもあるが、一般的には福音主義者よりもさらに頑迷なクリスチャン、という意味合いで使われること
本文を読むおかしいぞNHK、まだ岡本行夫氏かつぐ
著者: 坂井定雄1月8日のNHK朝のメイン・ニュース。今年の焦点を各界一人ずつの「専門家」に語らせた。日本を取り巻く国際情勢に登場したのが、元外務官僚・外交評論家の岡本行夫氏。 岡本氏のご託宣は「中国・北朝鮮の拡張勢力と、日本・米国・
本文を読む菅政権への評価を巡って
著者: とら猫イーチちきゅう座で、菅政権を巡って小さな論争が起きている。 この論争は、今のところ数人の論客間で、政権の評価を巡る価値観の相違として表れている。 しかし、実相は、現下の日本が置かれた状況への認識の相違が存在すると、私には、思
本文を読む政治的混迷の背後で進む戦争(きな臭い)体制の進行に抵抗を 連帯・共同ニュース 第94号
著者: 9条改憲阻止の会2011年1月6日 ■ 新年おめでとうございます。紋切り型しか思い浮かばないというか、それが何となく気持ちを落ち着かせるというのか、こんな挨拶をさせていただきます。昨年は沖縄の基地移設問題を活動の中心にした一年でしたが
本文を読む朝鮮・韓国のキリスト教詩人 尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩
著者: 醍醐 聡去年、取材で知り合った某出版社の記者の方からもらった年賀状にユン・ドンジュ(尹東柱)の「序詩」が添えられていた。彼の詩集『空と風と星と詩』の序に置かれた詩である。この詩はユン・ドンジュが1942年から留学した同志社大学
本文を読む明らかになった自民党政権のウソ -沖縄返還は「核付き・基地自由使用」返還だった-
著者: 岩垂 弘「やはり返還運動側の主張は正しかった」。暮れの12月22日に外務省が公開した外交文書に関する報道を読んで私の脳裏に去来したのはそういう思いだった。1972年に実現した沖縄の施政権返還にあたり当時の自民党政権は「米国政府
本文を読むアメリカ映画とアメリカ社会
著者: 宇井 宙私はあまり映画好きではないので、わざわざ映画館に出かけることは少ない。テレビで映画を観るのも、食事時などに他に観たい番組がないから、といった消極的な理由であることが多い。そのため、どうしても相対的にはアメリカ映画を観る
本文を読む「菅内閣はもうたくさんだ!」―田畑光永氏説への疑問
著者: 山川哲高名なジャーナリストの田畑光永氏が「菅内閣をもう少し使ってはどうか」という一文を物している。もちろん氏の意図は「暴論珍説」という副題にある通り、ある種の茶化し、強烈な皮肉にあるだろうことは想像に難くない。しかしその諧謔の
本文を読む『リベラル』とは、「体制擁護」だったのか? 「菅内閣をもう少し使って…」を読んで、やっぱりと思う。
著者: 安東次郎田畑氏の「菅内閣をもう少し使ってはどうか」https://chikyuza.net/archives/5635は標題の通り、菅政権を擁護するものだ。氏は菅政権に対して距離をおくような言い方しているが、失礼ながら、これはポ
本文を読む周回遅れの読書報告(その13)
著者: 脇野町善造薄田泣菫『茶話』(ちゃばなし)には私の知る限りでも、岩波文庫版と冨山房百科文庫版の2種類がある。ただ私は岩波文庫版を読んだことがない。どこかの書評で、谷沢永一が岩波文庫版は所詮は抄録に過ぎず、泣菫が『茶話』で伝えようとし
本文を読む菅内閣をもう少し使ってはどうか -暴論珍説メモ(99)-
著者: 田畑光永新しい年が明けた。人はその時、なにがしか新しい希望を抱きたくなるものだが、今、この国には残念ながらこれという国としての希望が見えない。どこへ向かうべきかが分からず、あるいはどこへ向かおうにも足を進めることができず、立ち
本文を読む4日後の「ガザに生きる」中間報告会のご案内
著者: 土井敏邦土井敏邦です。 新年おめでとうございます。 1月8日(土)のイベントまで4日となりましたので、度々で恐縮ですが、最後のご案内をさせていただきます。ぜひ、ご参加ください。 土井敏邦・最新作「ガザに生きる」5部作/中間報告会
本文を読む言葉の暴力について考える
著者: 岩田昌征世の中に言葉の暴力がある。様々な種類の言葉の暴力があって、紀元前4世紀の古代インド・マウリア朝の名宰相カウティリヤ作とされる『実利論 アルタシャーストラ』には各種の言葉の暴力の規定と罰則が明文化されている。現代の情報(戦
本文を読む2011年を迎えて
著者: 田畑光永本ブログがスタートしたのは2007年3月であった。4回目の新年を迎えたことになる。いつまで続くか、どれほどの人に読んでもらえるか、不安に満ちた出発であったが、ここまで1日も欠かさずに内容を更新し、のべ90万人に近い読者
本文を読む新しい年の初めに 2011年1月1日
著者: 醍醐 聡皆様、よい新年をお迎えのことと存じます。新しい年が皆様にとりましてよい1年となりますよう、お祈りいたします。 私事ではありますが、昨年は退職して最初の年でした。5月には夫婦でポーランド(ワルシャワ・クラクフ)、ウィー
本文を読む周回遅れの読書報告(番外その2)
著者: 脇野町善造正月だから「笑い話」をしたい。もう10年以上も前の話であるが、1999年10月3日付けの『読売新聞』に、「笑い話がある」という書き出しで、次のような記事が掲載されていた。記憶に残る出色の「笑い話」である。 〈引用開始
本文を読む笹本征男さん(占領史研究家) 逝く
著者: 石川逸子在韓被爆者市民会議代表の笹本征男さんが、二〇一〇年三月二十日逝かれた。彼を失い、偲ぶ会を市民会議主催で開くなかで、彼の仕事の大事さと大きさが今さらながら見えてきた気がする。 主な略歴は、一九四四年島根県生まれ。中央大学法
本文を読む周回遅れの読書報告(その12)
著者: 脇野町善造『去年マリエンバートで』という映画をはじめて見たのは、一体何年前のことかもう定かではない。早稲田の小さな劇場に、あるイタリア映画を見るために入った。そしたら、『去年マリエンバートで』を併映していた。この映画のことはそれ
本文を読む革命の組織論 歴史と宗教に学ぶ ⑤ 中央集権、階層制組織の病理と限界
著者: 浅川修史一つのカノン(教条)をつくりあげ、そのカノンを組織の指導者(名称は書記長でも委員長、議長でもなんでも良い)の解釈に従って、「異端」「偏向」などのラベルを貼って党内反対勢力を弾圧し、排除するのがこれまでの共産主義政党に見
本文を読む組合員が組合委員長を訴えた -労労裁判・新運転訴訟の本質とは-
著者: 松岡宥二労働者供給事業(労供)とは何か 本誌(『地域と労働運動』)第104号に、職業安定法第45条で厚生労働大臣から許可された労働組合等による労供事業について詳しく述べたが、職業安定法第44条で禁止する労働者供給事業とは、労働基
本文を読む「尖閣は中国領」の鉄証の値段、1億7000万円! -管見中国(34)-
著者: 田畑光永今年の日中関係は9月、尖閣諸島海域で不法操業していた中国漁船が逃走する際にわが国の海上保安庁の巡視船に故意に衝突した事件ですっかり暗転してしまった。尖閣諸島がニュースの焦点になったのは、03年に7人の中国人が魚釣島に強
本文を読む生きた歴史の証言に感動
著者: 宇井 宙今年は60年安保闘争から50周年ということで、「ちきゅう座」でも特集ページを設けている。戦後の日本が経験した最大の国民的民主主義運動であった60年安保闘争も、その後に生まれた世代にとっては、歴史的事件ではあっても、これ
本文を読む「テロ政局」の到来を予期し、「主権奪還政局」を準備せよ
著者: 海の大人1、テロへの注意を喚起する 民主党の小沢元代表への攻撃は、とうとう、本日、民主党役員会での「年明け国会への小沢氏の喚問決定」へと至ってしまった。表の政局を見ている限り、此れは、民主党分裂覚悟の「菅首相の金権政治一掃への乾
本文を読む