カルチャーの執筆一覧

二十世紀文学の名作に触れる(22) 『第二次大戦回顧録』のチャーチル――大政治家・軍人にして当代稀な文筆家

著者: 横田 喬

 著作『第二次大戦回顧録』によって1953年にノーベル文学賞を受けたイギリスの保守党政治家ウィンストン・チャーチルは「ヒトラーから世界を救った男」として通る。人心の機微に触れる巧みな弁舌で国民を鼓舞し、ナチスに対する徹底

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二十世紀世界文学の名作に触れる(21) W・チャーチルの『第二次世界大戦回顧録』――未曾有の酷い惨禍はなぜ発生したのか?

著者: 横田 喬

 イギリスの宰相として第二次大戦を指導~勝利に導いたウィンストン・チャーチル(1874~1965)は著作『第二次世界大戦回顧録』によって1953年、ノーベル文学賞を受けている。彼は第一次大戦も閣僚の一員として経験しており

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』を読む ―平成おうなつれづれ草(12)―

著者: 鎌倉矩子

 2年前、ブレイディみかこさんの本『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社、2019)を読み、感想を本ブログに書いた(2019.12.16掲載)。それは、労働者と移民と性的マイノリティが多い町ブライトンの、

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二十世紀文学の名作に触れる(20) 『万延元年のフットボール』の大江健三郎――体制批判を貫く良心的な社会派作家

著者: 横田 喬

 大江健三郎さんは、誰もが知るノーベル文学賞受賞の現存する大作家だ。若くして文壇にデビューし、芥川賞受賞の学生作家として名を上げる。「ヒロシマ」「オキナワ」など重いテーマに関心が深い社会派として知られ、護憲運動のリーダー

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二十世紀文学の名作に触れる(19) 大江健三郎の『万延元年のフットボール』――閉鎖的状況での若年世代の革命的反抗を描く

著者: 横田 喬

 表題の作品は一九九四(平成六)年にノーベル文学賞を受けた大江健三郎さんの代表作の一つだ。  明治維新から八年さかのぼる一八六〇(万延元)年に四国の山村で起きた百姓一揆と百年後の一九六〇年の安保闘争を照合。閉鎖的状況での

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二十世紀文学の名作に触れる(18) 『荒地』のT・S・エリオット――日本の戦後詩人たちの一大指標

著者: 横田 喬

 代表作『荒地』での前衛的な試みによって、トマス・スターンズ・エリオットは英詩の一大革新を果たした。その活動時期から英米の詩壇では、20世紀前半は「エリオットの時代」と呼ばれるに至る。その影響は日本にも波及し、<荒地派>

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二十世紀文学の名作に触れる(17) エリオットの『荒地』――20世紀モダニズム詩の金字塔

著者: 横田 喬

 戦後の日本の現代詩は、トマス・スターンズ・エリオットの『荒地』から出発した。『荒地』派の詩人の一人、故北村太郎(本名・松村文雄)さんが私の新聞記者当時の先輩だった縁もあり、私は日本の現代詩に馴染んだ。エリオットの革新的

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葉山から城ケ島へ~香月泰男と北原白秋(2)

著者: 内野光子

 葉山美術館で、ゆっくりできたが、道を挟んでの山口蓬春記念館は、3時半で閉館ということで、間に合いそうにもなく、明日の一番で出向くことにした。それではと、隣の葉山御用邸付属施設跡地のしおさい公園に回ることにした。 葉山美

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二十世紀文学の名作に触れる(16) 『車輪の下』のヘルマン・ヘッセ――詩人肌の真摯な求道者

著者: 横田 喬

<ちきゅう座からのお知らせ:昨日掲載の「二十世紀文学の名作に触れる(15)」の内容が本稿と入れ替わっておりました。 読者の皆さまには、ここで謹んでお詫び申し上げるとともに、昨日掲載の「二十世紀文学の名作に触れる(15)」

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二十世紀世界文学の名作に触れる(15) ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』――思春期特有の孤独と破滅を描く名作

著者: 横田 喬

 ドイツ語のRat(車輪)は有為転変をも意味し、「車輪の下」は「落ちぶれる」意を含む。1946年にノーベル文学賞を受けたドイツの作家ヘッセ(1877~1962)の自伝的小説『車輪の下』は、私には思い出深い。十代の終わり頃

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