カルチャーの執筆一覧

(書評)堀利和編著:「私たちの津久井やまゆり園事件 ― 障害者とともに<共生社会>の明日へ」(社会評論社)を読んで

著者: 山本勝美

「これは大変な力作! 入所施設から共生社会への第一歩として」 <入所施設の凄まじさに思わず息を呑む> 一読して、なんと重みのある本だろうと思った。70年代を彷彿とさせる堀さんのプロローグ、「母よ、殺すな!」との青い芝の糾

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11.11リヒャルト・ゾルゲ・尾崎墓参会(多磨霊園)

著者: 山川 哲

毎年行われているリヒャルト・ゾルゲと尾崎秀実(関東軍の満州作戦変更をいち早く通報して、ナチのモスクワ進行を食い止めるのに役立った「スパイ・ゾルゲ」事件の当事者)の墓参会に参加した。 参加者は約30名足らず、概ね年配の方た

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ささや句会   第38回   2017年10月25日水曜日 

著者: 公子

結ふ食  楽屋(ささや)にて 評者 新海あぐり 鬼灯の一つ置かれし友の墓                      新海あぐり ・先日、友人の七回忌の墓参りをしたときの実景。彼女より頂いた句かも コスモスの風受け人を好き

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「忖度」が「まんじゅう」になって~正岡子規の「忖度」ふたたび

著者: 内野 光子

出先の夫から、大阪の知り合いから「忖度まんじゅう」をいただいたとのメールが入っていた。帰宅後、さっそく、熱いお茶を入れていただいたが、石川県の会社が製造した、大阪土産という、かわいらしいお饅頭であった。「商標登録申請中」

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ルター宗教改革500周年記念日への寄稿です

著者: 梶村太一郎

2017年11月31日はマルティン・ルターが宗教改革を始めて500周年記念日となります。これに関しては、その前後に日本のメディアでも少しは報道されるとは思いますが、一般的に関心は薄いと思われます。 わたしはルターが宗教改

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東大音感合唱研究会の内田義彦とその問題史的意義(4・終)

著者: 野沢敏治

 Ⅳ 東大音感合唱研究会――明日の糧となる音楽を  内田は戦後、どう抑えられても伸びんとして根を張る芸術と社会科学を求めて活動していった。前者の1つが東大音感合唱研究会(以下、音感と略す)での活動であり、後者は経済学史の

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東大音感合唱研究会の内田義彦とその問題史的意義(2)

著者: 野沢敏治

Ⅱ 音楽と社会運動 1 園部三郎――社会全体のための音楽を  音楽を現実生活と関係させた第2のものがプロレタリア音楽運動である。日本では近代を根づかせる間もなく早くも資本と労働の対立が生じ、社会主義の思想と理論が入ってき

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ささや句会  第37回   2017年9月9日土曜日 

著者: 公子

結ふ食  楽屋(ささや)にて 評者 新海あぐり 北海の光離さず初秋刀魚                       小宮桃林 ・光を離さないという表現が初にかかって見事な句に仕上がっている。 鮎の骨燻されてなほ透きとほる

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科学的常識から権力犯罪を疑う  青山透子『日航123便 墜落の新事実』を読む

著者: 小川 洋

 世界各地でテロ事件が続いている。その多くは社会不安を煽り、政治的不安定を引き起こすことを目的とするテロ組織によるものだろう。しかし、事件の中には科学的常識からして不審な点があって、権力犯罪の可能性を考えざるをえないケー

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東大音感合唱研究会の内田義彦とその問題史的意義(1)

著者: 野沢敏治

以下の文章は私が昨年ある小さな研究読書会で報告したことを元に大幅に加筆したものである。それは明治から昭和の戦後にかけての時期のものであるが、忘れさせようとする内と外の動きに対して意志をもって記憶し省みるべきことである。4

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公演『泥棒たち』(9月8日ー18日)   デーア・ローアー作 公家義徳演出  欧州で今、最も先鋭な劇作家が描くドイツの人間模様  

著者: 村上良太

 ドイツは「欧州で一人勝ちしている」とよく言われます。2003年に社会民主党のシュレーダー政権が始めた身を切る改革「アジェンダ2010」で生産性が高まり、失業率も半減したのです。そんな一見ハッピーなドイツですが、実態はど

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