現職裁判官よる問題提起 名古屋地裁の寺西和史判事が『週刊金曜日』二〇一〇年九月三日の「論争」欄に、「裁判をしない裁判官について 特に高裁長官って何なんだ?」と題した一文を寄せた。彼が取り上げているのは、今年六月一七日に発
本文を読むスタディルームの執筆一覧
「怒りを忘れた国家神道論」―島薗進『国家神道と日本人』批判
著者: 子安宣邦1 村上重良の怒り 村上重良は『国家神道』(岩波新書、1970)を激しい怒りをもって書いた。その怒りとは、日本(台湾・朝鮮をも含んだ)国民の肉体とともに精神を支配し、抑圧した〈戦争する日本国家〉の原理であり、装置である
本文を読む蔵書について
著者: 水田 洋蔵書を売って奨学金を作りたいと、以前本誌に書いたような気がする。もちろん一部はさらに本を買うための資金になるはずだった。そのときはこの不況下では蔵書を売るのは無理なことと思っていたのだが、昨年末から急に名古屋大学がそ
本文を読む危機から「コミュニズム」へ 第3回
著者: 高橋順一贈与と返礼の連環は別段特別なものではありませんし理想化されるべきものでもありません。それはときには暴力の応酬というかたちを取ることさえあります。しかしそこには国家の発生以降の政治的・社会的暴力のあり方とは決定的な違いがあ
本文を読む「地の果て」で感じたこと【補筆】
著者: 宇波 彰去る2010年の1月下旬に「ここは地の果てアルジェリア」という歌謡曲の文句にもあるアルジェリアを訪れた。いまは「地の果て」という感じはない。映画「望郷」で描かれているアルジェのカスバにもいってみたが、映画のイメージとはま
本文を読む自由な計画的民主主義の概念を提唱する (その2)/(その1)
著者: 岡本磐男自由な計画的民主主義の概念を提唱する (その2) まえがき 本年9月の民主党代表選挙の結果、菅氏が小沢氏に勝利し、菅政権が発足した。だがこの政権は、言語を絶する程の難題をかかえている。菅氏自身、その点はある程度自
本文を読む東京都が担うべき基礎的自治体間の財政調整の役割
著者: 醍醐 聡「都政改革の新ビジョン」シンポジウム このブログでもお知らせした新東京政策研究会主催の「都政改革の新ビジョン」シンポジウムが昨日、上智大学で開かれた。私は「東京都の財政状況と新たな財政政策に向けた提言」というタイトル
本文を読む連載・やさしい仏教経済学-(16)21世紀の仏教経済思想を提唱する /(15)井上信一著『地球を救う経済学』(下)
著者: 安原和雄21世紀の仏教経済思想を提唱する -連載・やさしい仏教経済学(16)- 今回から私(安原)が構想する仏教経済思想(仏教経済学)の骨格を提示したい。もちろんこれまで紹介してきた内外の先達による先駆的な思想や提言に
本文を読む「地の果て」で感じたこと
著者: 宇波 彰去る2010年の1月下旬に「ここは地の果てアルジェリア」という歌謡曲の文句にもあるアルジェリアを訪れた。「地の果て」というのはどういう意味であろうか。映画「望郷」で描かれているアルジェのカスバにもいってみたが、映画のイメ
本文を読む危機から「コミュニズム」へ 第2回
著者: 高橋順一今人類の生存基盤である社会が、近代世界システムの作り上げた「社会」もろとも解体・崩壊しかねない危機的状況にある中で、その危機からの脱却の道として「コミュニズム」が求められていることについて第1回で言及しました。ではここで
本文を読む現代史研究会(9/11)での山本耕一氏の「スラヴォイ・ジジェク論」に関連して
著者: 岩田昌征9月11日(土)の現代史研究会で山本耕一氏によるジジェク論を聴講した。特にパララックス・ヴューに関する論点が参考になった。 「パララックスな見方は、そもそも総合や媒介が不可能な二つのポイントの間を移動して、絶えず視点を変
本文を読むClimategate、IPCC-Gate後の世界
著者: H.M博士-気候変動に関する国際会議 今年の 5月、シカゴで『第 4回気候変動に関する国際会議( ICCC)』が開かれました [1]。国連 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)と名前こそ似ていますが、 ICCCは人為的 CO
本文を読む連載・やさしい仏教経済学-(14)井上信一著『地球を救う経済学』(上)/(13)日本における仏教経済研究の特質
著者: 安原和雄井上信一著『地球を救う経済学』(上)-連載・やさしい仏教経済学(14) 仏教経済思想(学)は、混迷を深める今日の日本経済社会の変革にどこまで貢献できるのか。さらにアジアや世界の平和(=非暴力)、安心安全、幸せにどう寄与
本文を読むちきゅう座会員の新著紹介:岩田昌征著『二〇世紀崩壊とユーゴスラヴィア戦争』(御茶ノ水書房刊)
著者: 合澤 清ちきゅう座会員で、顧問でもあります岩田昌征先生(千葉大学名誉教授)がこの度新著を上梓されました。岩田先生といえば、日本のバルカン問題の研究者として第一級の方であり、この書の「あとがき」にもありますように、1991年のクロ
本文を読む危機から「コミュニズム」へ
著者: 高橋順一1. 3月26日にドイツへやってきてから早くも半年がたとうとしています。もっと早く原稿をお送りするつもりだったのですが、当地ライプツィヒでの一人暮らしは細々した用事やら雑用が思いのほか多くいつのまにか時間が過ぎてしまいま
本文を読む何よりも先に廃絶したい核=原子力 (再掲載版)
著者: 小出裕章「チェルノブイリの教訓」集会 2010年9月4日(土) Ⅰ.人類の歴史とエネルギー 人の価値 偉い人とはどんな人を言うのでしょうか? もちろん、この問への答えは、それぞれの人で千差万別でしょう。「末は博
本文を読む内村鑑三 : 日本の基督者になる――先人の営みから――(4)
著者: 野沢敏治札幌に観光スポットの時計台がある。今では周りのビルに埋もれそうになっている。その2階に明治の北海道開拓時代を伝える展示室がある。そこをちょっと注意してみていると、「イエスを信ずる者の誓約」という文書を見ることができる。
本文を読む部落文化論(四回) 生活の危機管理―江戸時代の警察
著者: 川元祥一人々を支えた部落文化 (四回) 現代、私たちが普通の生活において安全や安心を感じ、それを守るのは主に警察であり、その現場で働く巡査だ。江戸時代にこの巡査と同じ仕事をしていたのがキヨメ役、身分的に穢多・非人と呼ばれた人だっ
本文を読む連載・やさしい仏教経済学―(12)「国民総幸福」をめざす国・ブータン/(11)ネパール仏教と世界平和への貢献
著者: 安原和雄「国民総幸福」をめざす国・ブータン―連載・やさしい仏教経済学(12) 東洋の一角に「最小不幸社会」を国造りの政治理念として掲げている経済大国(?)があると聞く。よほど不幸が社会に蔓延(まんえん)しているのだろう。そうで
本文を読む連載・やさしい仏教経済学―(10)米国人にみる「簡素と知足」の精神/(9)仏教理解者・ナッシュの『自然の権利』
著者: 安原和雄米国人にみる「簡素と知足」の精神―連載・やさしい仏教経済学(10) キリスト教徒でありながら、仏教思想に大きな関心を示し、それを日常生活の中で実践している米国人が増えつつある。その典型の一人は、米国兵器メーカーの核ミサイ
本文を読む消費税の増税は雇用の増加・景気の回復につながるのか? ~小野善康氏の見解への批判と対案~
著者: 醍醐 聡増税と経済成長の両立を説く小野善康氏の見解 7月16日の『朝日新聞』に「増税の知恵袋、首相に苦言」と題して次のような記事が掲載された。 「菅直人首相の「知恵袋」とされる小野善康大阪大教授は15日、日本記者クラブで講演
本文を読む連載・やさしい仏教経済学ー(8)シューマッハーの脱「経済成長」論/(7)人間は農業が滅びたら生きられない
著者: 安原和雄シューマッハーの脱「経済成長」論―連載・やさしい仏教経済学(8) 昨今、「経済」といえば、「成長」が合い言葉になっているような印象がある。「経済成長のために増税を」という珍説まで登場する始末である。経済成長こそが大目標
本文を読む山路愛山 : 時勢の変化に応じた考えを――先人の営みから――(3)
著者: 野沢敏治歴史の効用について 過去のことを知ると、今ではどうなんだろうと気になる。そうなれば歴史研究は一つの現代研究となるだろう。言うまでもないが、歴史がじかに現在の問題に答えてくれることはない。幕末から明治維新のころは、日本が
本文を読む連載―(6)やさしい仏教経済学原子力発電は「人類の生存に脅威」/(5)シューマッハーの「小さいことは素敵」
著者: 安原和雄(6)やさしい仏教経済学原子力発電は「人類の生存に脅威」 仏教経済学は原子力発電にはどういう姿勢なのか。仏教経済学の提唱者、シューマッハーは著作『スモール イズ ビューティフル』で「原子力 ― 救いか呪いか」と題する一
本文を読む入不二基義『相対主義の極北』を読んで
著者: 醍醐 聡司馬史観を支える歴史相対主義 司馬遼太郎の『坂の上の雲』に示された日清・日露戦争の歴史認識とそれを肯定する論者の思考回路を見ていくと、根底に歴史相対主義が共有されていることに気がつく。司馬史観をより根源から評価する
本文を読む資料:60年安保関連日誌
著者: 鈴木顕介*60年安保闘争から既に50年がたち、今の若い方の間には「60年安保」やその時代状況が一体何だったのか判りかねるという方々が増えていることと思われる。それ故、この特集を読み、理解していただくための一助として、以下の年表を
本文を読むベンヤミンのメッセージ ―― 希望の倫理へ
著者: 高橋順一今年三月、社会評論社から『ヴァルター・ベンヤミン解読』を上梓しました。一九八四年から二〇〇七年にわたって折に触れて書いてきたベンヤミンに関わる文章を集めて作った本です、ぼくのベンヤミンの読み方はかなり偏った問題意識に基づ
本文を読む「醍醐聰の会計時評」ブログ開設のお知らせ
著者: 醍醐 聡東京大学在職中、駒場キャンパスで2年生向けに開講された「会計」と、本郷キャンパスで開講された「財務会計」の講義用に開設していた「講義用ブログ」を今日から、「醍醐聰の会計時評」と改めて再スタートさせることにした。ブログのU
本文を読む田口卯吉:「日本のスミス」はどこにいるか――先人の営みから――(2)
著者: 野沢敏治田口卯吉、この名は高校の日本史の授業で聞いたことがあるだろう。田口は明治の文明開化期にあって自由貿易を説いた人である。自由貿易と言えば、アダム・スミス。だから彼は「日本のスミス」と称された。私も最初はそんなものかと受け
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