この文章の最初の部分で、私は毛沢東、鄧小平それぞれの治世の核とでもいうべき彼らの言葉として、毛の「階級闘争が要である」と、鄧の「発展こそが第一の道理」を挙げ、習近平については「2,3,4,5,」と書いた。ここでその理由
本文を読む中国の執筆一覧
習一強体制の苦境(5) 習一強体制の苦境(5)―「反腐」が「恐怖」に
著者: 田畑光永習近平は2012年11月の中国共産党第18回大会で中央政治局常務委員会の序列1位に選ばれ、党総書記、つまり中国のトップの座についた。その時の選考経過などは勿論、明らかにされていない。ただ何となく世情に伝えられているのは
本文を読む習一強体制の苦境(4) ―カネが渦巻く社会の出現
著者: 田畑光永前3回は4分の3世紀の歴史を歩んだ中華人民共和国のこれまでの最高指導者のうち、毛沢東、鄧小平の治世の骨格を現在の視点からふり返った。 まず建国初代の最高指導者、毛沢東は大衆に階級闘争の理念を説いて、そこから戦闘力を引
本文を読む習一強体制の苦境(3) ―毛沢東、鄧小平はどう中国と・・・そして習の中国は?
著者: 田畑光永これまで2回(1月5日、6日)、中国で「一強」のはずの習近平体制の、実際はとてもそうは見えない、なにかというと「だんまり」で逃げる癖を指摘してきた。一昨年秋の共産党大会、最終日の開会直前に胡錦涛前総書記が強制退場させら
本文を読む習一強体制の苦境(2)―恒例の重要会議開かず、さらに・・・
著者: 田畑光永昨日の(1)では「説明せずは唯一の逃げ道」というサブタイトルで、中國では昨年後半に外交部長、国防部長という就任まもない重要閣僚が公式の理由説明がないままに解任され、さらに年末には軍幹部で退職後に全人代、政協会議といった
本文を読む海峡両岸論 第158号 2024.01.03発行 - 米中台に驚きの「取引」を提言 パラダイムシフト受け米盲従転換を -
著者: 岡田 充過ぎた年は国際秩序をめぐるパラダイム(主要規範)転換が鮮明になった一年だった。まず、米一極支配を支えてきた「ワシントンコンセンサス」の終焉。(写真「THE WASHINGTON CONSENSUS」3rd Februar
本文を読む習一強体制の苦境(1)―「説明せず」は唯一の逃げ道
著者: 田畑光永中国の習近平国家主席(以下、敬称略)は昨年の大晦日の夜、国民向けのテレビ演説で「一部の企業が経営上の圧力を受けており、一部の大衆の就職、生活は困難に直面している。一部の地方は洪水、台風や地震などで被害を受けている。われ
本文を読む荒れる南シナ海――中・比対立激化
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(456)―― これまで 昨年フィリピン大統領が、ドゥテルテ氏からフェルディナンド・マルコス・ジュニア氏に代わってから、南シナ海の環礁領有をめぐる中国との摩擦が激化している。 ご存じの通り、中国は南
本文を読む動き始めたダライ・ラマ転生問題
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(454)―― かまえる中国 中国「環球時報」は、突然、12月7日「欧米では誤解が多いチベット仏教の輪廻転生」と題する論評を掲げた(2023・12・07)。 筆者の楊永純氏はチベット関連法実務の主任専
本文を読む中国が見た「パーティー券」スキャンダル
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(453)―― 自民党派閥の政治資金パーティー券を巡る疑惑で、安倍派と二階派の派閥事務所が12月19日、東京地検特捜部の強制捜査を受けた。安倍派の裏金は最近5年間で約5億円に上る可能性があり、二階派の
本文を読む海峡両岸論 第156号 2023.11.12発行 - 李克強急逝で見せたおろかな報道 政治大混乱に期待するメディア -
著者: 岡田 充「李克強氏死去、しぼむ中国『改革派』」[i]「第2の天安門事件となる懸念」[ii] 中国の李克強前首相が10月27日、心臓発作のため68歳で急逝(写真 李氏急逝を一面トップで報じる人民日報紙)した記事のタイトルだ。これに
本文を読む新疆の惨状はやはり事実である
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(448)―― はじめに 久しぶりに「馬戎」という名前を見た(環球時報2023・11・03)。馬氏は北京大学社会学系の教授で、中国民族学・社会学の権威費孝通亡きあとは、中国民族問題の第一人者である。彼
本文を読む中國・李克強前首相の死を惜しむ ―誰かさんに教えたい論理的思考法
著者: 田畑光永中国の李克強前首相が10月27日に亡くなった。68歳であった。惜しい、と思う。と言っても、もとよりその人となりに直接触れたことがあるわけではない。伝えられるニュースを見聞して、もっと活躍してほしいと思っていたからである
本文を読む中国、李国防相の解任ようやく公表 ― 習一強体制になにが起きているのか
著者: 田畑光永去る8月29日、北京での国際会議で発言して以来、ぱたっと姿を消し、国内メディアにも名前が登場しなくなってほぼ2か月、世界中が注目していた中国の李尚福国防相について、24日、習近平国家主席が「国防相と国務委員(副首相格)
本文を読む中南海は北京曇天?、いや嵐の前? ―国防相は何故、どこへ消えた?
著者: 田畑光永中国では先月末から今月初めにかけて、中秋節と国慶節(建国記念日)が連続することで、8日間という大型連休がスタートして、各地は大変な賑わいを見せているようである。昨年までは新型コロナの感染防止策の余波で人出もいま一つであ
本文を読む海峡両岸論 第155号 2023.10.1発行 - 軸足をBRICSに移す中国外交 グローバルサウスと経済協力強化 -
著者: 岡田 充中国の習近平政権は、国際秩序が多極化する中で2024年から加盟国が11カ国に拡大する「BRICS」に外交と経済協力の軸足を移しつつある。米一極支配が崩れ、主要先進7カ国(G7)の役割が減衰する一方、新興・途上国のグローバ
本文を読む大清帝国の再現を夢見る中国
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(442)―― 8月28日、中国自然資源部(省)が、今年の新標準地図を発表した。これは従来の中国の地図と同じである。これにインド・ベトナム・フィリピン・マレーシア、それに日本など関係諸国がこぞって抗議
本文を読む海峡両岸論 第154号 2023.9.16発行 - アイデンティティ危機進むニッポン アジア鏡の「大国」自画像が崩壊 -
著者: 岡田 充「失われた30年」に歯止めがかからない日本で政治、経済、社会のあらゆる領域で「大国」の指標が下落している。明治維新から155年、日本は中国、朝鮮半島など近隣諸国(人)を「写し鏡」に「脱亜入欧」と富国強兵による近代化建設を
本文を読む滅びゆく内モンゴルの民族産業 ―牧畜 自給から商品生産へ
著者: テスクバヤル中国内モンゴル自治区のフフホト市に住むわたしは今年7月、8年ぶりに故郷、内モンゴル東部の半農半牧地帯のアル・ホルチンに帰った。故郷は大興安嶺南部の広大な凹地にある。我々の祖先は、もともと北部のフルン・ブイルで遊牧してい
本文を読む『セブンイヤーズ・イン・チベット』の裏側で
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(438)―― 毎回楽しみにしている横田喬氏の「世界のノンフィクション秀作を読む」シリーズがハインリヒ・ハーラ―の『チベットの七年』を取り上げてくださったので、チベット人地域で暮したものとしては大いに
本文を読む中国経済は「日本化=失われた30年」に陥るか
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(437)―― 2022年、中国のGDPは約121兆元(2,300兆円余り)で日本の約4倍に達した。ところが、経済成長率は実質で対前年比3.0%増と前年(同8.4%増)を大幅に下回り、政府目標「5.5
本文を読む秦剛外相解任事件 ―いずれ元のさやに、という身もふたもない話か?
著者: 田畑光永私は先月27日の本欄に「秦剛外相の解任―中国外交に何が起こったのか?」という一文を掲載した。 その主旨は、今回の同外相の解任理由として女性問題あるいは健康問題が取りざたされているが、じつは昨秋、権力の集中度を強めて3
本文を読む秦剛外相の解任 ―中国外交になにが起こったのか?
著者: 田畑光永中国の国会にあたるとされる全国人民代表大会の常務委員会が7月25日、ここ一か月ほど動静が途絶えていた秦剛外相の解任を決定した。同外相については動静途絶の原因として女性問題や健康問題(コロナ感染説)が取りざたされたが、普
本文を読むSJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】538 アルジェリア大統領が中国公式訪問
著者: 平田伊都子習近平中国主席から公式招待されたアブデルマジド・テブン・アルジェリア大統領は、2023年7月17日から20日まで中国を訪問しました。 7月18日、習主席とアルジェリア大統領は共同コミュニケで、「政治協議の強化、安全保
本文を読む日本のNATOへの「準加盟」は危険な道ではないか
著者: 阿部治平―八ヶ岳山麓から(434)― 日本とNATOの急接近については、6月13日拙稿「八ヶ岳山麓から(429)」で書いたが、岸田首相は7月11,12日、リトアニアのビリニュスで開催されたNATO首脳会議に出席して、NATOと
本文を読むしなやかにそしてしたたかに 玉城・沖縄県知事の中国訪問
著者: 宮里政充玉城知事の動向 沖縄タイムスは7月6日の一面トップで、中国訪問中の玉城デニー・沖縄県知事の動向について次のように伝えた。 「 日本国際貿易促進協会(国貿促、会長・河野洋平元衆議院議長)の訪中団の一員として北京を訪問し
本文を読む海峡両岸論 第152号 2023.7.8発行 - 中国がウラジオストク港を「奪還」 弱体化するロシアの権益に浸食 -
著者: 岡田 充ロシア民間軍事組織「ワグネル」の反乱劇(2023年6月23~24日)は1日で終わった。この騒ぎをみて思い出すのは1991年8月、ソチで避暑中のゴルバチョフ大統領を監禁した「8人組」によるクーデター。クーデタ
本文を読む中国から見たインドのデジタル戦略
著者: 阿部治平‐―八ヶ岳山麓から(433)‐― 5月20日広島市で開かれたG7サミットで、インドのモディ首相はウクライナのゼレンスキー大統領と会談したが、中立的な姿勢を崩さなかった。ゼレンスキー氏が地雷の除去や移動式病院など支援の必
本文を読む海洋国家中国は日本の上に立つ
著者: 阿部治平ーー八ヶ岳山麓から(432)ーー 6月21日、人民日報国際版の環球時報は、「日本は『海での中国封じ込め』を実行すれば苦汁を飲むだろう」という論説を掲載しました。内容は今年4月末に岸田内閣が決定した「第4期 海洋基本計画
本文を読む「6・4」は遠くなりにけり・・・では簡単すぎる ―歴史はどこで折れたのか? (下)
著者: 田畑光永さて本稿もそろそろゴールを目指さなければならない。ここまで「6・4」の後の中国社会の変化を見てきた。「6・4」は強烈な印象を残しはしたが、中国社会はそれとは別に、あるいはそれを薄めることをも目的とした鄧小平の大胆な外資
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