新藤榮一・木村朗編新刊『沖縄自立と東アジア共同体』(花伝社)が出ました。 出版社の広報より― “沖縄”に光をあてる! 琉球・沖縄からの視座 鳩山民主党政権以後に高まった、沖縄の自立・独立を求める動
本文を読む書評の執筆一覧
「CIAの秘密戦争」マーク・マゼッティー著
著者: 伊藤力司小谷賢監訳・池田美紀訳 早川書房 2200円+税 CIA(アメリカ中央情報局)と言えば、世界で最も予算の多い諜報機関であることは誰でも知っている。そのCIAが1991年のソ連邦解体で冷戦が終結した結果、予算はぶった切られ
本文を読むこの人を見よ 『行雲流水(こううんりゅうすい)』
著者: 小原 紘韓国通信NO488号 石山照明が父親喜八郎の生涯をまとめた評伝である。 明治44年(1911)生まれ、大本教信者だった喜八郎は本書では「奇人」と紹介されているが、私はそれに「怪人」ということばをつけたしたい。大本(教
本文を読む書評:小野一著『地方自治と脱原発―若狭湾の地域経済をめぐって』
著者: 山本富士夫Keywords:(評者のメモ) 地方自治、地域経済、政治学、原子力発電所(原発)、脱原発、反原発、若狭、敦賀原発、もんじゅ、美浜原発、大飯原発、高浜原発、伊方原発、原子力平和利用、原発集中立地、原発訴訟、原発避難、原子
本文を読む書評『若き日の日野啓三―昭和二十年代の文業』山内祥史・著 和泉書院・刊
著者: 阿部浪子どのような文学的プロセスを経て、作家・評論家は誕生するのだろうか。文芸評論家としてデビューし、のちに小説家として活躍した日野啓三について、著者、山内祥史氏は、その経過をたんねんに追跡している。本書では、日野啓三の昭和2
本文を読むナチの授権法を類推させる自民党改憲草案 『ヒトラーとナチ・ドイツ』を読んで
著者: 岩垂 弘石田勇治著『ヒトラーとナチ・ドイツ』を読んだ。2015年6月20日に発行された講談社現代新書である。たまたま、「日本の現状を考える上で参考になると思うよ」という友人の勧めで手にした本だったが、一読して、少なからぬ戦慄を
本文を読むお江戸舟遊び瓦版 419号 ホセ・ムヒカ「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」
著者: 中瀬勝義(画像右上隅をクリックすると全体がポップアップします。全2ページ) 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/ 〔culture0227:160411〕
本文を読む「私の「東日本大震災」体験」から五年 - 柳田邦男『終わらない原発事故と「日本病」』を読む -
著者: 半澤健市私は著者柳田邦男(1934~)の良い読者ではなかった。NHK出身の「事故の調査報告の専門家」というほどの認識であった。 《『アサヒグラフ』原爆特集が原点》 高校一年生の時に見た『アサヒグラフ』の原爆特集号、NHK入局
本文を読む恋はわりなき、はかなきもの ― 岸惠子の恋物語を読む
著者: 盛田常夫映画好きの母に連れられ、小学校就学前から良く映画館に通った。1950年代前半のことだ。その頃に見た映画の一つが、氏家真知子を演じる岸惠子主演の『君の名は』。佐田啓二が扮する後宮春樹と、何度もすれ違う綺麗な女優さんがいた
本文を読む戦時下の朝鮮人連行現場の実態が明らかに [書評]野添憲治編著『秋田県の朝鮮人強制連行――52カ所の現場・写真・地図――』
著者: 岩垂 弘[書評]野添憲治編著『秋田県の朝鮮人強制連行――52カ所の現場・写真・地図――』(秋田県朝鮮人強制連行真相調査団、¥600円+税) 秋田県に「秋田県朝鮮人強制連行真相調査団」という民間団体がある。労働現場で労働者が不足し
本文を読む書評『トラや』南木佳士・著 文藝春秋・刊
著者: 阿部浪子トラちゃんが死んだ。焼香におとずれた近所の人に、正座した息子たちは、涙をシャツのそででふきながらあいさつする。この場面に思わず、わたしはもらい泣きしていた。 猫のトラは、小学生の息子たちが成人するまで一家統合の要だっ
本文を読む書評『日の砦』黒井千次・著 講談社・刊
著者: 阿部浪子黒井千次氏の連作短編は、サラリーマンだった主人公の、定年退職後の日常が展開する。 近隣を歩いては、彼は街のイメージを発見する。こんな地域をバックに暮らしていたのか、驚きもある。また、家族との団らんが彼を満ち足りた気分
本文を読む書評『雨のオクターブ・サンデー』難波田節子・著 鳥影社・刊
著者: 阿部浪子難波田節子氏の描く小説集からは、心と心の触れ合いが浮上してくる。私たちは自分が、他人からうける影響は手につかめても、他人にあたえるそれはわかりにくいものだ。日本と異国を舞台にしながら、人と人との交流をとおして、6編のド
本文を読む『動かぬが勝』佐江衆一・著 新潮社・刊
著者: 阿部浪子江戸を舞台に展開する人生ドラマがおもしろい。著者佐江衆一氏の7つの短編は、読みながしては、そのすばらしさは味わえないだろう。 表題作「動かぬが勝」には、商人だった隠居が身をもって気づいていくプロセスが描かれる。60歳
本文を読む『愛と痛み 死刑をめぐって』辺見庸・著 毎日新聞社・刊
著者: 阿部浪子なぜ考えようとしないのか。著者、辺見庸氏は、個をなくし世間に埋没して生きる私たちの日常の怠惰を、激しくたたいてくる。個がないところに愛はありえないと言う。 著者は、脳障害で入院中に愛と痛みについて思いをめぐらし、無価
本文を読む『陽子の一日』南木佳士・著 文藝春秋・刊
著者: 阿部浪子主人公の「陽子」は、信州の総合病院に勤めて30年になる。男をあてにせず未婚をとおして育てあげた男子は保健師になり、独立した。現在、陽子は独り暮らしだ。病院では外来と人間ドックの診療に専念する。還暦をむかえ自身の周りに築
本文を読む『深沢七郎外伝―淋しいって痛快なんだ』新海均・著 潮出版社・刊
著者: 阿部浪子「楢山節考」で作家デビューした深沢七郎といえば、嶋中事件を思いうかべる読者もいるだろう。1960年12月の「中央公論」に掲載された、深沢の「風流夢譚」が右翼を刺激し、発行元の社長宅が襲われお手伝いが殺されたのである。深沢
本文を読む『文学地図 大江と村上と二十年』加藤典洋・著 朝日選書
著者: 阿部浪子ここ20年の間に、日本の文芸がどんな動きを示し、著者加藤典洋氏がどんな観察を行なってきたか。諸作品と真摯に付きあいつつ書かれた時評と評論は、文学の面白さをたっぷり気づかせてくれる。とりわけ「関係の原的負荷」という、親殺
本文を読む戦後七〇年の哀しさ -書評 大沼保昭著 聞き手江川紹子『「歴史認識」とは何か―対立の構図を超えて』-
著者: 半澤健市《居酒屋の酔客の発言でも橋下徹の発言でもない》 ■韓国や中国は、われわれに要求することを自分たちにはできるのか。日本ばかり責めるけれど、韓国にも慰安婦はいたではないか。ベトナム戦争のときに派兵された韓国軍はベトナムで一
本文を読む書評 『戦時期日本の精神史』 鶴見俊輔著
著者: 宮内広利本記事は他紙への掲載のため、著者より削除依頼がありましたので、運営委員会で検討の結果、削除することと致しました。<2015年9月9日 ちきゅう座> 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza
本文を読む書評 『戦後日本の大衆文化史』 鶴見俊輔著
著者: 宮内広利本記事は他紙への掲載のため、著者より削除依頼がありましたので、運営委員会で検討の結果、削除することと致しました。<2015年9月9日 ちきゅう座> 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.c
本文を読む書評 1960年とくらべて
著者: 宮内広利3.11東日本大震災によって麻痺し壊されたもの、そしてその後の状況をとおしてはっきりわかったことは、現在のすべての言語思想(行為)は、「肉体」をとおしてしか表現できないことである。この場合、「肉体」というのは孤独な「私」
本文を読む宮里政充著『あれは何の足音だ?』を読む
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(150)―― ここに紹介する『あれは何の足音だ?』は、著者宮里政充の、本ブログ「リベラル21」・雑誌『全作家』・郷土誌『越地誌』に寄せたエッセイをまとめた「私家版」である。「まえがき」によれば、彼は安
本文を読む書評 戦前の「非合法」性
著者: 宮内広利仲正昌樹は、『日本とドイツの二つの戦後思想』という本の中で、第二次世界大戦に対する責任のとり方に言及して、ホロコーストなど大悪事を犯し、周りの国々から徹底的にその責任を追及されたため、戦後、ことの善悪を深くわきまえて、内
本文を読む書評 戦後意識の変兆
著者: 宮内広利≪いわば、丸山(丸山真男)や大塚(大塚久雄)が「近代」という言葉で述べていたものは、西欧の近代そのものではなかった。それは、悲惨な戦争体験の反動として夢見られた理想の人間像を、西欧思想の言葉を借りて表現する試みであった。
本文を読むかんたんには折れない気概 ―片桐幸雄『左遷を楽しむ』(社会評論社刊)を読んで
著者: 塩沢由典『スラッファの謎を楽しむ』の片桐幸雄がもう一冊の「楽しむ」本を出した。『左遷を楽しむ』というのだから、多くの人にとって穏やかならざる主題であるが、著者は、1年と半月におよぶ高松での「左遷」生活と、左遷前と左遷後(の形式的
本文を読む書評 戦後の気分と自由
著者: 宮内広利1960年代後半の日大闘争や東大闘争を頂点とする学生運動の根源に伏在していたのは、学生の非定型なエネルギーであった。その非定型な運動というのは、平和と民主主義を実現するための闘いでもなく、経済的理由その他もろもろの理由づ
本文を読む書評 日常性の現在
著者: 宮内広利ここ十数年の社会の変化は、日常生活意識の変兆にはじまって、家族、職域、地域、果ては政治状況まで、断面をどこで拡大しても、人々の意識、感性、生活様式の深奥にまで垂鉛をのばし、わたしたちを従来とは全く異質な社会的環境の土台に
本文を読む片山郷子―わたしの気になる人④
著者: 阿部浪子「パソコンはわたしにとって心をひらける友」というのは、作家の片山郷子である。60代で網膜色素変性症をわずらい、現在、視覚障害者用のパソコンを使って執筆している。口述筆記にたよらず、パソコンを駆使しつつ思いのうちを文章化す
本文を読む書評 3.11後の視線
著者: 宮内広利わたしは3.11の東日本大震災の前後で戦後史を塗り替える必要があるとおもう。ここにきて、ようやく、わが国の戦後が到達した世界像について、3.11の後からみればどう見えるかということが課題になったとおもえるからだ。そのよう
本文を読む