経済の執筆一覧

「貯蓄から投資へ」とは、いったいどんなことなのか。

著者: 澤藤統一郎

(2022年6月13日)  いまや流行り言葉になってしまった「貯蓄から投資へ」。岸田内閣の大真面目な経済政策なのだが、これは、一昔前からの悪徳業者のセールストークなのだ。「リスクを取らねば損をする」「何もしないのも実はリ

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劣等生政治家と高級官僚の「ごっつあん」仕事が日本を滅ぼす

著者: 盛田常夫

貯蓄を吐き出せば価格上昇は感じないか?!  それにしても驚いた。黒田日銀総裁は「家計には強制貯蓄が溜まっているから、価格上昇に耐えられる」と発言したという。  この人は自分の主張が意味することを分かっているのだろうか。確

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参院選直前に吹いてきた、「物価高」という与党への逆風。

著者: 澤藤統一郎

(2022年6月8日)  来週の水曜日、6月15日に通常国会が閉幕する。そして、参院選公示となり、7月10日投開票となる。  有権者の関心事は、けっして憲法改正にはない。そしてコロナでもなくなった。主要な論争点の一つは、

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日本の財政は破綻しているのか、いないのか(下)

著者: 盛田常夫

国際比較の要件  社会経済比較を行う場合、国の規模や経済発展水準が類似していることが比較の条件になる。また、北欧の福祉国家のような経済社会を目指す場合には、その諸制度と実態を詳しく分析することが必要である。たまたま都合の

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消費を増やせばGDPが増える? - 政府の累積債務は将来世代の税の前借り -

著者: 盛田常夫

 日本経済だけでなく、先進国経済は長期の経済停滞過程にある。それはたんに「物価が上がる、下がる」という経済現象をはるかに超える、先進経済が抱える構造的な問題である。しかし、現代経済学は経済社会の構造的問題を十分に捉えるこ

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金子みすゞは獲られた鯨の子を想い、アベ晋三は鯨をエサに票を獲る。

著者: 澤藤統一郎

「金子みすゞ」。何という清澄な響き。その名を耳にすれば、心が洗われる。 「安倍晋三」。何という汚濁にまみれた響き。その名を聞くだに心がきしむ。 みすゞと晋三。およそかけ離れた、対照的な存在。住む世界が根本的に異なるのだ。

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昔「首斬り浅右衛門」、今「首斬りゴーン」

著者: 澤藤統一郎

江戸時代に、代々山田浅右衛門を名乗った首切り役人の家系があった。ご存知、時代劇の(アンチ)ヒーロー「首斬り浅右衛門」である。歴代のうち一人だけが山田朝右衛門を名乗っているが、その本職は斬首の執行ではなく、試し切りだったと

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長期の一強体制は、必ず堕落し腐敗する。今のうちに終止符を。

著者: 澤藤統一郎

いやあ、驚いた。表は立派に見えても、裏では汚いことに手を染めていた。この落差にはびっくりだ。  そうかい。それほどびっくりするほどのことではない。次第に、本性が明らかになってきているじゃないか。 一強の長期君臨は、必ず腐

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徴用工も技能実習生も、人権保障を欠いた国外労働力の導入である。

著者: 澤藤統一郎

今大きな話題となっている二つの問題。入管法改正の前提にある技能実習生制度と、韓国徴用工判決。両事案の本質が酷似していることに驚かざるをえない。両者とも、企業が要求する劣悪な条件での「外国人」労働者雇用の問題。資本の利潤追

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東北沿岸漁民緊急フォーラムのご案内 ― 『漁業法改定』は沿岸漁業に何をもたらすか

著者: 澤藤統一郎

国会で審議入りした漁業法等の改正案。漁民対企業の対決法案となっている。これは、けっして革新対保守の対決ではない。「浜の生活」派と「新自由主義」派との争いなのだ。かつては、地元の保守政治家が漁民の生活の守り手だった。いま、

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「漁民のための漁業法」から、「資本のための漁業法」に ― アベ政権の水産改革批判(その2)

著者: 澤藤統一郎

経済という言葉の語源は、「世経済民」《世を經(おさ)め民を濟(すく)う》なのだという。むべなるかな。経済政策は、常に民の生活の安定を第一義とするものでなければならない。 しかし、いま世は資本主義の時代である。この社会の主

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「漁民のための漁業法」から、「資本のための漁業法」に ― アベ政権の水産改革批判(その1)

著者: 澤藤統一郎

11月6日、政府は「漁業法等の一部を改正する等の法律案」を閣議決定するとともに、国会に上程した。 次のように「改正の趣旨」が説明されている。 「漁業は、国民に対し水産物を供給する使命を有しているが、水産資源の減少等により

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競争原理ではなく、協同・連帯の精神をこそ ― 開業医共済協同組合祝賀会で

著者: 澤藤統一郎

開業医共済協同組合の「加入者2000名達成祝賀会」に祝辞を申しあげます。 私は、縁あって貴協同組合の顧問を務めておりますが、意気に感じて積極的にその任をお引き受けしたつもりです。その気持ちの一端をお話しすることが、加入者

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イエス・ワコール、ノー・DHC

著者: 澤藤統一郎

「『実習生の人権侵害ないか』ワコール、委託先に異例調査」「人権軽視は経営リスク…実習生制度に批判、企業も危機感」という本日(10月15日)の朝日デジタル記事。これは立派なものだ。まずは、ワコールに敬意と賞讃の意を示したい

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「資本の論理」を野放しにさせない「憲法の人間性」

著者: 澤藤統一郎

資本主義というものは合理的な経済システムである。個別資本が、それぞれに最大限利潤を追求するための合理的判断を重ねていくプロセスでもある。資本の合理的判断は本質的に冷酷なものであって、ヒューマニズムとは無縁というべきである

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かくも長き不況 ― 30年のゼロ成長を認識しよう ―

著者: 半澤健市

 中国には抜かれたが、日本は今も世界第三位の経済大国であり、「アベノミクス」は道半ばだが、まだ期待は持てる。これが2017年々初の「大本営」の認識であり、それに概ね追随する大手メディアの論調である。世論調査によれば、内閣

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全敗した日経安値予想 ― 相場は誰にも分からないのである ―

著者: 半澤健市

日経新聞新年恒例の企業経営者20名による株価予想は、年初早々に全員が誤ったことを証明した。「誤った」のは安値の予想に関してである。20名の日経平均の高値予想の平均は23000円、安値予想の平均は18000円であった(『日

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本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(59)

著者: 本間宗究

ガラパゴス化した経済理論 現在では、「ガラ携」という言葉が日常用語となり、「スマホ」を持っていないと恥ずかしい雰囲気にもなっているようである。そして、この点からも、人々の「好奇心」や「羞恥心」などが、「新商品」の販売に関

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地獄への道は善意で敷き詰められている ―レトリックを操る政治は破滅への道―

著者: 盛田常夫

 いったい経済学は科学かそれともイデオロギーか。これは古くて新しい問題。一昔前、マルクス経済学はイデオロギーで、「近代経済学」は科学と断言する学者が多かったが、何のことはない、マルクス経済学が姿を消したら、「近代経済学」

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