運動の裾野広げ同時に現在の課題を鮮明にする闘いを
- 2012年 2月 13日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2012年2月13日 連帯・共同ニュース第226号
■ 例年になく寒い日も続くという会話をしていたのはつい先の事だが、やはり春の兆しを肌で感じるようになってきている。季節の変化は確実に感受できるが政治の変化はそうならない。政治動向は不透明で悪化して行くように思われる。そんな中で2月11日に東京・代々木公園では脱原発の集会が開かれた。1万2千人の人々が集まりデモを展開した。毎月「11」の付く日の前後には行われる脱原発の意志表示のその一つだ。これは「3・11」の前後に福島から福岡まで全国で行われる脱原発行動の前段であり、時による原発関心の風化で原発再稼働→原発保存を狙う政府や経産省。原子力ムラに対する意志表示である。僕らは脱原発運動の裾野の広げ、国民の意志を強固なものにして行く必要がある。週末毎に地域で行われる集会やデモは裾野広がりを実感させてくれるが、こうした行動は今後も意識的に展開されなければならない。2月11日の集会で注目すべきは「原発再稼働反対」の声が人々の声として明瞭になってきたことである。
再稼働反対というのは当たり前のように思われているが、これは脱原発運動の現在的課題《戦略的な集中点》がやっと鮮明になってきたことである。「さよなら原発」は脱原発の裾野を広げるイメージとしてはいいが、現在的課題を明瞭にするとは言い難い。その意味でこの集会で再稼働反対が語られるようになった意義は大きいと思う。これは具体的に迫ってきていることでもある。
■ 原発問題の現在的な課題は4月に全基が稼働を停止する原発再稼働問題である。政府や経産省、とりわけ原子力ムラは福島での原発震災の発生時から原発再稼働→原発保存の戦略を構想してきた。これについては改めて述べないがこの動きを彼らは加速させる。強引なストレステスト評価の意見聴聞会の進行もそうであるが、今、予測されているのは「3・11」の一周年後から原子力規制庁の発足前に原発再稼働させてしまおうという動きである。この突破口が大飯原発の3号機、4号機の再稼働である。この動きは政局で政府筋が身動きの取れない間に、官僚側でことを進め官僚いいなりの野田首相の承認を取り付けようという算段であると思われる。経産省のテント前で経産省の動きからも匂ってくるものである。一時は動きを見せなかった右翼の妨害活動が活発化してきているのもこれらと関係していると思える。テント広場の維持も含めて、再稼働阻止の具体的行動を構想し強めなければならない。再稼働が構想されている現地での闘い、具体的な形態も含めての闘いを生みだしていかなければならない。 (文責 三上治)
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