本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(83)
- 2015年 4月 2日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
政官業の癒着体
今回の「政治とカネ」の問題には、改めて驚かされたが、実際に、「安倍首相」のみならず、「岡田民主党総裁」にまで、同様の問題が起きたからである。そして、このことは、「政府が企業に補助金を出し、その企業が、政治家に献金を行う」という構図となっているようだが、「この時、誰が犠牲になるのか?」を考えると、結局は、「国民」であり、「血税」が無駄に使われていることを意味しているようである。
別の言葉では、「国民の知らないところで、いろいろな政官業の癒着が起きていた」という状況のことだが、この時の問題点は、「補助金の実態」が不明であり、「どのような資金の流れになっているのか?」が、国民に、ほとんど知らされていない点でもあるようだ。そのために、今回の事件については、より正確な報道が望まれるが、現時点では、「早期の幕引き」も想定されているようである。
そして、このままの状態では、「政治家への不信感」が、さらに増幅するものと思われるが、特に、「知らなかったら許される」というような、きわめて非常識な態度については、「国民の怒り」を誘発することも予想されるのである。別の言葉では、「国民の納税」については、「知らなくても、脱税に問われるケース」が、数多く存在するようだが、今回の問題については、「政治家が、自分に都合の良い法律を作ることにより、罪に問われない」という状況となっているのである。
このように、「法律を作る立法府」において、このような行為が継続するならば、「国民の不満」が高まるだけではなく、現在の「民主主義」そのものが、存続の危機に立たされることも想定されるようである。つまり、「政治家が行っているならば、国民にも同様の行為が許されるのではないか?」というような考えを持つ人が増えることも予想されるのである。そして、このことが、「日本人の堕落」の象徴的な意見とも言えるようだが、かつて、「井戸塀政治家」と呼ばれ、「政治家になると、残るものは、井戸と塀だけだ」と言われた時代からは、「隔世の感」があるようだ。。
つまり、日本人全体が、「お金の亡者」となり、「自分の利益のためなら、どのような事でも行う」という傾向が強くなったものと思われるが、この時に起きることは、「信なくば立たず」という言葉のとおりに、「社会全体が行き詰まりを見せる」ということである。そして、その時期は、たいへん近づいており、今年の末頃には、はっきりと理解されるものと考えている。(2015.3.6)
-------------------------------------------
ロシアの暗殺事件言
2月27日に、「ロシアの野党指導者であるネムツォフ元第1副首相が、撃たれて死亡する」という事件が起きた。そして、「誰が、この事件の黒幕なのか?」について、いろいろな推測記事が出ているが、興味深い点は、「日本と海外とで、大きな違いが存在する」という事実である。つまり、日本においては、「プーチン大統領によるものではないか?」という意見が多数を占めているようだが、海外では、驚いたことに、「CIAの陰謀説」を信じる人も、少なからず存在するのである。
そのために、「事件の真相」については、今後の報道を待つ必要性があるが、確かに、「国民から85%の支持を得ているプーチン大統領」にとって、「ネムツォフ氏の暗殺」は、「ロシア国内の安定」を妨げる効果が存在するようである。つまり、今回の事件は、プーチン大統領にとっては、望ましくない出来事だった可能性もあるようだが、「事実は小説よりも奇なり」という言葉のとおりに、「現在の世の中では、どのような事件が起きても不思議ではない状況」とも言えるようである。
また、「2月に起きた事件は、その年の象徴的な出来事になる」ということが「私の経験則」でもあるが、今年の場合には、「ロシアの暗殺事件」に加えて、「川崎の少年殺人事件」や「大塚家具の内紛劇」、そして、「西川大臣の辞任」など、実に、陰湿な出来事が頻発した。そして、このことが、今年の末頃に、より大きな事件となって表れてくるものと考えているが、実際には、「国民」と「国家」との関係性において、「何らかの事件」が起きるようにも感じられるのである。
具体的には、「国民が、政府に対する不満感や不信感を増幅させる恐れ」であり、その結果として、現在の「預金神話」が崩壊する可能性のことだが、この点については、現在の「日本国債の価格(金利)」が、大きな意味を持ってくるようだ。つまり、私が想定する「国債バブルの崩壊」が、「日本」のみならず、「全ての先進諸国」で起きた場合に、「どのような状況が発生するのか?」を考える必要性が存在するようだが、この時には、世界の「金融システム」や「通貨制度」が、崩壊する危機も存在するのである
しかし、この点については、前述の「ロシアの暗殺事件」と同様に、「日本」と「海外」とで、大きな「認識の違い」が存在するようだが、「時は全てを証明する」という言葉のとおりに、今年の年末ごろには、結果が判明するものと考えている。そして、その時には、「誰が、ネムツォフ氏を暗殺したのか?」も判明している可能性も存在するようだ。(2015.3.6)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5276:150402〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。