評論・紹介・意見の執筆一覧

書評  星紀市編「写真集 米軍基地を返還させた砂川闘争」

著者: 塩川喜信

「写真集 砂川闘争」(ヤマス文房発行、2,500円)が刊行された。編者の星紀市さんは島田清作さんなどと共に、「砂川を記録する会」で永年活動を続けられ、1996年に「写真集 砂川闘争の記録」(ケヤキ出版)、2002年にDV

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エジプト「革命」でイスラエルは四面楚歌へ フツペ(ごうまんさ)を見直すとき

著者: 浅川修史

中世、欧州のユダヤ人が使用した共通言語がイディッシュ語である。日本人にもおなじみのミュージカル&映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」のユダヤ人家族が使用していた言語、カール・マルクスの母親が家庭で使用していた言語ということ

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中国との付き合い方はこれでいいのか  ―チベット高原の一隅にて(100)― 

著者: 阿部治平

半年ぶりに中国から帰国して日本のメディアに現れた中国像が自分の予想以上に悪いものになっているのに驚いた。中国批判がやたらに多い。論説や解説というよりは悪口雑言に及ぶものがある。内閣府の世論調査によると、中国に親近感を「感

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旧ユーゴスラヴィアの経験と日本のアソシエーション論

著者: 岩田昌征

基礎経済科学研究所編『未来社会を展望する 甦るマルクス』(大月書店、2010年)の合評会に出席する機会があった。「よみがえる」という和語を使い、例えば「マルクスのルネサンス」のようなカタカナ語を用いていないところが気に入

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「失われた二〇年」に挑戦した力作 ―劇団民芸公演 『喜劇 ファッションショー』 を観る―

著者: 半澤健市

『喜劇 ファッションショー』の作者木庭久美子は、前作『選択 一ヶ瀬典子の場合』(註)で「安楽死」をシリアスに扱ったが、今回は「マネー」を喜劇として取り上げた。 《60年代のキャリアウーマン》 主役は75歳の独身女性。ビー

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権利と right -権利は「権理」としたほうがよい-

著者: 松野町夫

社会・個人・自由・平等・民主主義・権利・義務など思想の基本用語は現在、日本語として定着している。そして私たちの多くはそれを当然のものとみなし、何のてらいもなく使用する。あたかもごく普通の日本語であるかのように。しかしこう

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エッセイ:見よ君を屠る日は来ぬ…… 内田弘『啄木と秋瑾』を元日に読了す

著者: 津田道夫

直接お目にかかったことはないのだが、経済学者としてその名を知っていた内田弘の啄木論を読んで(10年12月29、30,31日)、正直驚いてしまった。専門外の細かい研究をしていた事実に驚いたのではない。この三八〇頁の大冊によ

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TPPで日本はどうなる? -日本生協連が組合員向けの討議資料作成へ-

著者: 岩垂 弘

 日本生活協同組合連合会(山下俊史会長、組合員・2200万人)は、3月上旬までに環太平洋経済連携協定(TPP)に関する討議資料を作成し、傘下の生協組合員に提示する。菅内閣がTPP参加の検討を積極的に進める方針を打ち出した

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三つの小沢一郎論 ―判官贔屓的なるもの―

著者: 半澤健市

11年1月22日の『朝日新聞』に興味ある小沢一郎論が三つ載った。 一つは「天声人語」、あとの二つは「オピニオン」欄の松本健一と保阪正康による小沢論である。これには「日本史に見る小沢流」というタイトルがついている。 《先輩

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「技術に完全はない」の捉え方 -原発推進派と反対派との対話から-

著者: 川弾降雄

   本サイトでは京大原子炉実験所の小出裕章氏の講演会案内を掲載しているが、その小出氏と原発推進派の杤山 修氏(前東北大、現原子力安全研究協会)を交えた原子力に関するオープンフォーラム(2007年と2008年の2回開催)

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自著紹介 『労使交渉と会計情報--日本航空における労働条件の不利益変更をめぐる経営と会計--』

著者: 醍醐 聡

 昨年12月31日付けで日本航空は運航乗務員81名、客室乗務員84名に対し整理解雇を通告した。これに対し、乗務員146名が1月19日、解雇の無効を訴えて、東京地裁に提訴した。今後は、この整理解雇が、原告の訴える整理解雇の

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『お能ごっこ』は透明に他界の舞となる。

著者: 岡村洋次郎

能楽師・観世栄夫氏に師事して <その一> 栄夫先生は2007年6月8日に大腸癌とそれの脳への転移等によって、逝去された。もう三年も経ってしまったかという思いである。当時、密葬ということで、私は葬儀にも参列できず、その「お

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乱射事件対応で明暗分けたオバマ氏とペイリン女史 -12年大統領選でペイリン候補の目は消えた?-

著者: 伊藤力司

サラ・ペイリンと言っても日本の一般国民には、ほとんど馴染みのない名前だろう。2008年米大統領選挙で民主党バラク・オバマ氏に敗れた共和党ジョン・マケイン候補が選んだ副大統領候補・前アラスカ州知事である。あれから2年余り、

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書評:内田弘の快著『啄木と秋瑾』の印象的評

著者: 岩田昌征

内田弘教授から『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年)を去年の末に贈られた。記して感謝する。副題に「啄木歌誕生の真実」とある。真に気になる題名である。私は短歌というより和歌が好きである。時にふれて詠歌することもある。拙著

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日本山妙法寺、平和運動への一層の精進を誓う -藤井日達山主の27回忌法要で-

著者: 岩垂 弘

 日本山妙法寺の藤井日達山主の27回忌法要が1月9日、千葉県鴨川市の同寺清澄山道場であった。同寺の僧侶、信徒をはじめ日蓮宗各宗派関係者、米国・英国など海外の団体代表ら山主を敬う約400人が参加したが、「国内外で平和が脅か

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中国の将来の変化と底流で密接につながる客家問題 〔書評〕矢吹晋・藤野彰著『客家と中国革命―「多元的国家」への視座』

著者: 雨宮由希夫

〔書評〕矢吹晋・藤野彰著『客家と中国革命―「多元的国家」への視座』  (東方書店、¥2400+税) 客家(はっか)なら誰でも、自らの祖先は中原から来たと「中原」の出自を強調するという。客家とは、中国古代のたび重なる戦乱や

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