ある会合で某出版人と話をしていたら、「伝説の思想家」大池文雄のことになった。大池は旧制水戸高での梅本克己の弟子で、早い時期に日本共産党を批判して党から除名された「思想家」である。彼が思想的活動を止めてもう久しい。 私が大
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
グローバル、そして弱者の視座からの考察 -〔書評〕フィデル・カストロ著『カストロは語る』(青土社)-
著者: 岩垂 弘「カストロ節は今なお健在だ」。フィデル・カストロ著、越川芳明訳の『カストロは語る』(青土社)を読み終えての感想である。2008年に病気のためキューバの国家評議会議長を退任し、病気療養中と伝えられるフィデル・カストロ氏だ
本文を読む2.26板垣雄三講演会覚書(傍聴記)―ナイルの市民決起から始まった「新市民革命」
著者: 山川哲2月26日に現代史研究会とちきゅう座の共催で板垣雄三・東京大学名誉教授の講演会「中東は、そして世界は、どこへ行く?―ナイルの市民決起」があり、参加した。明治大学のリバティタワー1階のホールで行われたのであるが、広
本文を読む「持続可能な未来の探求」-法政大学サステイナビリティ研究教育機構 第1回国際シンポジウム-
著者: 河村哲二「持続可能な未来の探求」 ―グロ-バリゼーションによる社会経済システム・文化変容とシステム・サステイナビリティ- グローバリゼーションのダイナミズムは、金融危機・経済危機や環境問題の深刻化、国際紛争の激化などを伴いながら
本文を読む所得格差など懸案解決にどれだけの効果あげるか -中国で固定資産税と家屋購入の制限措置を導入-
著者: 丹藤佳紀定例国会に当たる全国人民代表大会の開催(3月5日)を前に、中国の4直轄市のうちの上海と重慶で1月末から「房産税」(固定資産税)が試験的に導入された。また、それと歩調を合わせ、北京・長春・成都など11都市で家屋購入制限
本文を読む知られざる歴史上の偉人 シーア派を再興した シャー・イスマイール
著者: 浅川 修史世界史に甚大な影響を与えたにもかかわらず、日本では知識人の間でもあまり知られていない偉人がいる。そのひとりとして、イランのサファヴィー朝(1501年から1736年)を建国したシャー・イスマイール・サファヴィー(1487
本文を読むTPPと福澤諭吉
著者: 岩田昌征TPPが国論を二分しているといわれる。第三の開国、つまりは完全開国は、農業のみに関わることではないにせよ、農業者の一憂一喜が一番強いようである。日本の全産業がほぼ完全に国際市場というより世界市場における自己競争力によって
本文を読む日の丸とエジプト国旗(2) -読者のコメントに触発されて-
著者: 半澤健市有り難いことに「日の丸とエジプト国旗」(2月18日)に対して読者から多くのコメントをいただいた。それに触発されて再考し確認したことを次に掲げる。おおむね繰り返しになった。 《国旗への感情移入は自然だろうか》 国旗に対
本文を読むテレビのことを気にかけながら一日中考えていたこと
著者: 三上 治テレビのことを気にかけながら一日中考えていたこと(一) ちょいとした外出でもテレビのことが気になる。むかしまだ熱烈な巨人ファンだったころは野球の結果が気になって
本文を読む労働搾取論私論
著者: 岩田昌征2月15日(火)、伊藤誠教授の「わが著書『現代のマルクス経済学』(2010年、社会評論社)を語る」アソシエ・セミナーに参加して、久しぶりに健在なマルクス経済学者の話を聞くことができた。伊藤教授はSteedmanのMarx
本文を読む周回遅れの読書報告(その17)
著者: 脇野町善造最近、5夜にわたって、総放送時間20時間という『銀河鉄道999』のTV放送があった。放送時間中に全部を見ることはとてもできなかったが、全編を録画し、折に触れて見ている。そのなかで、『銀河鉄道999』の原作者である松本零士
本文を読むサウジアラビアに危機感高まる -反体制デモの周辺諸国に包囲されて-
著者: 伊藤力司チュニジア、エジプトと長期独裁政権が民衆のデモで相次いで打倒されるというアラブの民衆革命の嵐はいつ収まるとも知れない。当面はチュニジアとエジプトに挟まれたリビア、ペルシャ湾の小島バーレーン、アラビア半島の最南端のイエメン
本文を読むヒロシマとナガサキの精神とは何か
著者: 岡本磐男米国大統領オバマによるプラハにおける核兵器廃絶へ向かうという演説が行われて2年近い年月がたつ。だがその後の経過をみると、決して核軍縮への明るい道筋は画かれていない。米国の国会議員の中には核兵器増強は必要だと主張する多く人
本文を読む底辺労働者が吐いた怒りの川柳 -句集『がつんと一句!――ワーキングプア川柳』-
著者: 岩垂 弘「子づくりの望みも失せる国づくり お橙柑さま」。『がつんと一句!――ワーキングプア川柳』と題する冊子が、レイバーネット日本・川柳班の編著で刊行された。ワーキングプアとは、賃金が安く生活の維持が困難な就労者層のこと(大辞
本文を読むエジプトより独裁体制の シリアで民衆デモが起きない理由
著者: 浅川 修史かつてアラブ連合共和国という国があった。1958年にエジプトとシリアが連合した国家である。アラブ連合共和国は1961年にシリアが脱退して、事実上消えるが、エジプトは1971年までこの国名を使用した。短期間だが、アラブ
本文を読む2011年の選択ー「日米同盟」か、東アジア平和共同体か
著者: 伊藤成彦1.「日米同盟」にのめり込む菅政権 2011年、21世紀の11年目に入ったが、今年は新年早々からキナ臭い報道が多い。今日、1月7日の朝日新聞夕刊一面に、「米、核爆撃機新開発へ」という4段抜きの見出しがゴシック活字で立
本文を読む東北アジアの平和の危機を前に――迷走する菅政権
著者: 伊藤成彦1.軍拡に引きずられる菅政権 ・「民主調査会/武器禁輸緩和提言へ/欧州・韓豪も例外化」(11.17.東京) ・「防衛大綱」民主案/沖縄など南西海域重視/中国にらみ陸自増強」(11.17.東京夕) ・「民主提言案/陸自
本文を読む混乱を生みだしているのは民主党首脳陣である
著者: 三上 治混乱を生みだしているのは民主党首脳陣である 外からは見えにくいのが近親憎悪と呼ばれる動きだ。これは政治的な集団の中だけに見られる現象ではないが、僕らが身近で目撃した政治的現象としては連合赤軍事件や内ゲバと呼ばれる
本文を読む2.26板垣雄三講演会:「中東は、そして世界は、どこへ行く?―ナイルの市民決起」(第254回現代史研究会)
著者: 講演会準備委員会エジプトでの民衆の運動はムバラク政権倒壊後もまだまだ収まりそうもありません。またこの民衆運動の影響は、一気にアラブ世界全体へと波及していく可能性を秘めています。事態は一部のメディア報道に見られるような簡単な構図で割り切れ
本文を読むHuman Rightと人権
著者: 岩田昌征去年ある大学で国際研究集会があって、若い日本人研究者が近代的人権概念Human Rightが中世後期までさかのぼれると報告した。中国人学者も参加していたので、中国においてもHuman Rightの訳語が「人権」であること
本文を読む日の丸とエジプト国旗 ―「朝まで生テレビ」と「タハリール広場」の生中継―
著者: 半澤健市《東京高裁判決を論じた朝ナマ》 2011年2月5日(土)の「朝まで生テレビ」(テレビ朝日)のタイトルは「激論!日本は本当にダメな国家なのか?!」であった。参加者は司会の田原総一朗ら下記13名の「論客」である。 ・大塚耕平
本文を読む「日本国家主義」の克服を 尖閣諸島問題再論
著者: 伊藤成彦1.尖閣諸島領有を1885年に断念した経緯 尖閣諸島問題をめぐって、国会でもマスコミでも、中国敵視の「日本国家主義」が依然として燃え盛っている。おそらくこういう異様な光景は、1972年の日中国交正常化以来初めてのこ
本文を読む東アジア平和共同体をどのように創るか 尖閣諸島をめぐる紛争の経験から
著者: 伊藤成彦1.尖閣諸島紛争の発端 *「2010年 9月 7日午前10時15分頃 尖閣諸島久場島付近で海上保安庁の巡視船『よなくに』(1349トン) に中国のトロール船 (166トン) が接触、その漁船は40分後に巡視船『みずき
本文を読むエジプト民衆の行動が想起させる記憶と現在
著者: 三上 治あれは中学三年生の時だった。エジフトのナセル大統領のイギリスやフランスに対する戦争が伝えられた。また、ハンガリーではソ連軍の侵入に対する民衆の抵抗が報じられた。スエズ動乱とかハンガリー暴動というような言葉であったように
本文を読む「連帯」その後のトピックス
著者: 岩田昌征2月6日、突然ポーランド人の友人が一冊の本を送ってきた。それはリシャルド・ブガイの自伝『自分自身と他の人々について』(The Facto、ワルシャワ、2010年)であった。ブガイはワルシャワ大学経済学部出身で、1980年
本文を読むアラブ世界の構造について ① 世俗派とイスラーム復興
著者: 浅川 修史1 1967年にはナセルを支持した民衆、現在となにが違うのか 1967年の第3次中東戦争でエジプトはイスラエルに惨敗する。ナセル・エジプト大統領は責任をとって辞任を表明した。「ナセル辞めるな」。大規模な民衆デモがナ
本文を読む進藤大尉のこと
著者: 宇波彰2010年の12月に初めて鹿児島を訪れた。指宿温泉に泊まったが、旅館の砂風呂は海岸の砂浜での砂風呂ではなく、人工的なものであった。熱した砂を係のひとたちがかぶせてくれるのだが、熱しすぎた砂だったのでかかとのあたりが火傷に
本文を読む今、日本の政治に問われているものは何か(七)、(六)、・・・(壱)
著者: 三上 治今、日本の政治に問われているものは何か(七) 2月10日 『名古屋発どえりゃあ革命!』という本がある。河村たかしが選挙向けに緊急に出したものである。革命かどうか
本文を読む映画「ソーシャル・ネットワーク」とビルダーバーグ会議
著者: 中田安彦アルルの男・ヒロシです。ますますこのブログを更新しなくなった今日この頃ですがいかがお過ごしですか? 今日はハリウッド映画「ソーシャル・ネットワーク」を見た。この映画は世界権力者やパワーエリート研究の視点から見るときわめて
本文を読む恐帰族 帰るのよそうかな―変わる旧正月の帰省風景 こんな「言葉」が!(51) 中国で
著者: 丹藤佳紀今年は辛卯(かのとう)の年、2月3日が春節(旧正月)元日だった。中国では春節が一年で最大の祝祭で、今年はこの日を含めて1週間が公休となった。新聞やテレビでは、1月末~2月1、2日、列車で帰省する乗客の長蛇の列が例年とほぼ
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