評論・紹介・意見の執筆一覧

ここまで落ちた国家主義  ―日韓「談話」反対論のお粗末―

著者: 田畑光永

 「日韓併合100年」にあたっての菅首相の談話が、10日に閣議決定され、発表された。事前に予想されたとおり1995年の村山首相(当時)の談話を踏襲する内容であって、しいて新味を探せば、在サハリン韓国人支援、朝鮮半島出身者

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「核なき世界」へ希望を持ち続けよう―広島・長崎平和宣言が訴えること

著者: 安原和雄

 広島、長崎ともに65回目の「原爆の日」を迎えた。悲願の「核なき世界」はいつ実現するのだろうか。今年の祈念式典には国連事務総長のほか、原爆投下国・米国の駐日大使などが初めて参加した。歓迎すべき変化といえる。広島平和宣言は

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世界に届いたヒロシマの声 -歴史的な日となるか、2010年の「8・6」-

著者: 岩垂 弘

 「原爆被爆から65年。核兵器廃絶を訴え続けてきた広島の声は、ようやく世界に届いた」。8月6日の広島原爆の日を中心に広島市で繰り広げられた多くの催しを見て回った印象を一言でいうならば、そういうことになろうか。そして、世界

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「異例な不確かさ」が続く世界経済の現状    EUのストレステストも不安払拭できず

著者: 早房長治

 「米国経済の見通しには異例な不確かさが残ることを認識している」――バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の21日の上院銀行委員会における証言は世界にショックを与えた。米経済が2008年9月のリーマン危機から依然と

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ノート・非ノート 12/22 『ハンマースホイ』

著者: 岡村洋次郎

 国立西洋美術館で<ヴィルヘルム・ハンマースホイ>を観た。19世紀末から20世紀初頭にかけてのデンマークの画家である。私にとって久しぶりの収穫ある展覧会であったように思う。   さてハンマースホイの作品には、窓からの静謐

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中産階層     北京では4割だが、全国ではまだ2割ちょっと   -こんな「言葉」が!(46) 中国で-

著者: 丹藤佳紀

 高度成長期の日本で、自分の生活の程度を「中の中」とみなす国民の中流意識は上昇を続けた。からかいと皮肉を込めて「一億総中流」といわれたものだ。バブルがはじけるとさすがにその意識は減退したようで、景気が上向かない昨今は、む

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「安保業者」森本 敏氏のセールストーク――新著『普天間の謎』のご都合主義を暴く

著者: 田畑光永

 オビに「著者渾身の緊急書下ろし巨編」とある。大著(551頁)ではある。昨秋の民主党・鳩山政権発足から今年6月の鳩山首相退陣まで、日本の政治を揺さぶり続けた「普天間問題」の解説書として、いかにも専門業者らしくそもそもから

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劇団阿彌『青いクレンザーの函』を観てラーゲリ抑留者の詩人石原吉郎のことを考える

著者: 若生のり子

 詩人石原吉郎は、敗戦後ソ連の捕虜となり、刑期25年の戦争犯罪人とされ、スターリン死後の特赦で開放される53年までの8年間極限状態のラーゲリに収容されていた。 フランクルの「夜と霧』と並び証される筆舌に尽くしがたい異常な

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日本は「原爆加害国」になったと断ず -占領史家・笹本征男さんを悼む-

著者: 岩垂 弘

 今年も「反核の夏」が近づいた。今夏も広島原爆の日の「8月6日」、長崎原爆の日の「8月9日」を中心に核兵器廃絶を目指す大会や集会、イベントが繰り広げられるだろう。そんな季節を前にして、私は一人の人間の問いかけを心の中で反

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犯意なき新聞と自覚なき読者―私のメディア論(4) 書評 東谷暁著『増補 日本経済新聞は信用できるか』

著者: 半澤健市

 ビジネスマンは一生に日本経済新聞を何回読むだろうか。 40年間、朝・夕刊を読むと29200回になる。朝・夕刊で一回とみても14600回である。新聞1日分の活字量は新書一冊分以上に相当するという。文化庁の読書量調査(注1

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「トークライブハウス」というものに行ってきました

著者: 海の大人

一、 昨日、「阿佐ヶ谷ロフト」と云う「トークライブハウス」に行って参りました。若い人が集まり、放談話を聞きながら、飲食と質疑を楽しむと謂う、近頃流行の風俗を覘きに行ったわけです。  およそ50人ほどの30歳代を中心とした

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2010.07.10 山雨欲来風満楼――北朝鮮で何かが起こる

著者: 田畑光永

 山雨、来タラント欲シテ、風、楼ニ満ツ・・・一昔も二昔も前、中国でまたなにか起りそうだぞという時に、よくこの一句が使われたものだった。5月に初めて北朝鮮の土を踏んで以来、その後なにかとあの国のことが気になるのだが、その後

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政治的ビジョンの重要性は選挙後により明瞭になる

著者: 三上 治

  もう大分前のことだが、吉本隆明さん宅に御伺していて選挙予想の話が出たことがある。新聞社の政治部長の一番大事な仕事は選挙予測がどれだけ正確であるかで、それが仕事の大半でもあるということだった。吉本さんがマスメディアの関

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真の争点なき参院選の無残―不平等条約と新自由主義への対峙は可能か―

著者: 半澤健市

《争点なき選挙ふたたび》  10年7月11日を投票日とする参院選の争点は何か。 昨夏の総選挙は「政権交代自体が争点」であった。ナンセンスである。 何のための政権交代かは決して論じられなかった。今度の参院選も真の争点は不明

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視聴者の声がNHKを動かした画期的決定~大相撲の中継中止の判断に思うこと~

著者: 醍醐 聡

視聴者の声を拠り所にしたNHKの良識に適った判断  NHKの福地茂雄会長ほか役員は今日の午後開いた記者会見で大相撲名古屋場所の中継を行わないことにしたと発表した。その理由として福地会長は、①多くの視聴者から意見が寄せられ

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明らかにされた朝鮮人強制連行の真実、息をのむその過酷な実態

著者: 岩垂 弘

 今年は、日本による韓国併合から100年。朝鮮半島に対する日本の植民地支配は1910年から1945年までの35年に及んだが、その間の植民地支配の一端を明らかにした写真記録が刊行された。ノンフィクション作家、林えいだいさん

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