カルチャーの執筆一覧

『ねむらない樹』(侃侃房)?!に「阿部静枝」について書きました。

著者: 内野光子

 8月31日は、阿部静枝の命日であった。葬儀は、1974年9月10日、地元の池袋の祥雲寺で執り行われた。歌人、阿部静枝について知る人は、歌人でも少ないかもしれない。よく間違われた歌手「あべしずえ」すら知る人も少なくなった

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監視する現代社会は豊かであろうか ― 同質化するイギリス・中国・日本 ―

著者: 内田 弘

[オーウェル化するイギリス] 今から十数年前、イギリス西部イングランドの或る大学に短期留学しました。その滞在期間中、その大学が設置している外来研究者用の宿舎に泊っていました。月毎の寮費を寮の事務室に収めに行き、ついでに雑

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二十世紀文学の名作に触れる(10) 詩聖タゴールの横顔― ―インドの民衆を詩歌で鼓舞した愛国者

著者: 横田 喬

 タゴールは日本と縁が深く、生涯に五回も日本を訪問している。五十代半ばの頃の1916(大正5)年から六十代後半の1929(昭和4)年にかけてで、美術界のリーダー岡倉天心や仏教学者の河口慧海らとの親交が元だ。日本人の自然を

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二十世紀文学の名作に触れる(9) タゴールの『ギタンジャリ』――「詩聖」による「歌の捧げ物」

著者: 横田 喬

 1913年にアジア人初のノーベル賞作家となったインドの詩人タゴールは、よく「詩聖」と称えられる。アイルランド出身の高名な詩人イェイツ(1923年にノーベル文学賞受賞)は、タゴールの受賞作『ギタンジャリ』(「歌の捧げ物」

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江東屋上菜園瓦版173号/コ ロ ナ 禍 第 5 波 、オ リ パ ラ を 襲 う ! 市民科学講座「ゼロメートル地域に注目―東京大水害に備える」

著者: 中瀬勝義

「コ ロ ナ 禍 第 5 波 、オ リ パ ラ を 襲 う !」を紹介します。 なお、市民科学講座 8月9日(月)19:00~20:30にZOOMで話題提供します。 「ゼロメートル地域に注目―東京大水害に備える」 首都圏

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シェイクスピアの「弁証法」―『ヴェニスの商人』 

著者: 合澤 清

暑気払いにと本箱で埃をかぶっていた、筑摩書房版「シェイクスピア全集」全8巻の中の1「喜劇」の頁をめくってみた。 この本には次の6本の戯曲が入っていた。 「間違いの喜劇」「じゃじゃ馬ならし」「ヴェロナの二紳士」「恋の骨折損

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ささや句会  第69回  2021年 6月20日 日曜日

著者: 公子

落日を背負ひ老婆は大豆蒔く               新海泰子 庭涼し月の砂漠は隣から                 津島佳子 言の葉を一つ埋めたる木下闇               新海あすか ステテコの博士の膝に

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二十世紀文学の名作に触れる(8) 『大地』の著者パール・バック―ヒューマニズムの伝統を受け継ぐ物語作家

著者: 横田 喬

 パール・バック(1892~1973年)は小説『大地』を著した当時を回顧し、「私はあの頃、ひどく沢山のお金が必要だったんです」と言っている。個人的な贅沢のためではない。大金が必要だったのは、娘のためだった。彼女の長女は、

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二十世紀文学の名作に触れる(7) パール・バックの『大地』―中国の農夫の暮らしと家系を豊かに描く一大叙事詩

著者: 横田 喬

 米国の作家パール・バック(1892~1973年)は代表作『大地』の文学的価値が認められ、1938年にノーベル文学賞を受けている。同賞選考委員会は、その推薦文で「彼女の小説は、中国の農夫の生活を豊かに、真に叙事詩的に描き

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二十世紀文学の名作に触れる(6) 『怒りの葡萄』の著者スタインベック――「アメリカ文学の巨人」

著者: 横田 喬

 1962年にノーベル文学賞を受けた小説『怒りの葡萄』は39年の出版以来数十年にわたって売れ続け、世界の三十三カ国で千数百万部を完売。著者スタインベックは「アメリカ文学の巨人」視される。彼は六十八年の生涯で書籍二十七冊を

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世界の名作に触れる(4)『静かなドン』の作家ショーロホフ――革命戦を辺境からの視点で描く 

著者: 横田 喬

 ショーロホフはこの大河小説を仕上げるのに、なんと十五年の歳月を費やしている。弱冠二十歳の折の1925年から書き始め、三年後に第一巻(全四巻仕立て)を発表し、たちまち大反響を巻き起こす。作品の完成度から若い青年の作品とは

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二十世紀文学の名作に触れる(5) スタインベックの『怒りの葡萄』――離農を迫られた小作農民たちの憤り

著者: 横田 喬

 この作品をちゃんと理解するには、予備知識が要る。1930年代にアメリカ中西部を断続的に襲った大規模な砂嵐(ダストボウル:「黒い大吹雪」)の発生だ。かつては大草原だった一帯は、白人の入植によって百年ほどで大きく変貌する。

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ささや句会 第67回   2021年 4月20日 火曜日                   

著者: 公子

暴徒にもなれず巣籠もる五月かな             新海泰子 行く春や孤心鍛ふる日々となる              小宮桃林 ランドセル手足の見えて新入生              合沢舞祥 燕きて急須のお茶を溢れ

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