カルチャーの執筆一覧

「共犯者」とならないために―「独ソ戦争」での大量犠牲者をすかして政府のコロナ対策を考える! 

著者: 合澤 清

書評:『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』 大木 毅著(岩波新書2020) 「独ソ戦」について書かれたものはこれまで数冊通読したことがあった。 それらの本からつくられたイメージでは、軍事力で圧倒的に優越しているナチス・ドイツが「独

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「グローバル世界」と言われて久しい中、皮肉にも新型感染ウイルスはそれを一瞬で証明

著者: 藤田泉

2020年の2月はじめに、オーロラを観に行こうとノルウェーのトロムソを訪ねました。残念ながら鮮明で完璧なオーロラは望めませんでしたが、北限の教会「北極教会」を訪れ、感動し、作品にしてみました。世界がパンデミックに陥るほん

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私が出会った忘れ得ぬ人々(42) 北杜夫さん――僕の仕事は親父の歌一首に及びません

著者: 横田 喬

 作家の北杜夫さんは不惑にさしかかる年頃の一九六六(昭和四一)年春、躁病をいきなり発症した、という。  ――躁が来る時は、自分でもわかる。口数が多くなって、陽気になる。仕事をなんでも引き受け、ふだんは嫌いなテレビ出演なん

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私が出会った忘れ得ぬ人々(41) 「斎藤一族の人々」――超個性的な面々がずらり

著者: 横田 喬

 私は『朝日新聞』記者の振り出しが仙台在勤だった。今から六十年ほど前の一九六〇年代初めのこと、夏場の休日に東北の霊山・蔵王山へ日帰り登山を試みた。気が立っていたせいか、最高峰・熊野岳(一八四一㍍)に思いのほか容易に登頂で

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私が出会った忘れ得ぬ人々(40) 赤瀬川原平さん――青春時代の辛い体験が創作活動の肥やしに

著者: 横田 喬

 前衛美術家にして芥川賞作家でもあった赤瀬川さんは、実に面白い人柄の方だった。対面はたった一度きりだったが、最高に楽しい時間を過ごし、記者冥利に尽きる思いを味わった。三十年近く前の一九九二(平成四)年に、当時『朝日新聞』

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私が出会った忘れ得ぬ人々(39) 草野比佐男さん――村の女は眠れない

著者: 横田 喬

 三年前に放映されたNHKテレビ朝の連続ドラマ『ひよっこ』を見入るうち、その昔取材で知り合った農民作家・草野比佐男さんの面目を懐かしく思い起した。ドラマの舞台設定は高度経済成長が始まり、東京オリンピック開幕の迫る一九六四

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私が会った忘れ得ぬ人々(38)  南方文枝さん――「父(熊楠)は集中力が強かった」

著者: 横田 喬

 紀伊半島の中ほど、田辺湾の美しい岬・天神崎は日本初のナショナル・トラスト(市民による自然環境の買い取り~保存)運動の成功例として知られる。深い緑の海岸林を背に、黒々と広がる岩礁の磯を黒潮がゆったり洗う。海と森がうまくか

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革命の嵐の中で生き抜いた少年の記録 ナクツァン・ヌロ著『ナクツァン―あるチベット少年の真実の物語』

著者: 宮里政充

はじめに  この『ナクツァン―あるチベット少年の真実の物語』は、1950年代末に起こったいわゆる「チベット叛乱」を舞台としている。阿部治平氏は「解説―チベットと中国革命」の書き出しで、「本書は、中国革命に翻弄される時代に

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私が出会った忘れ得ぬ人々(37) 高野悦子さん――作品の良し悪しは心で感じる

著者: 横田 喬

 東京・神田にある映像文化の殿堂「岩波ホール」の切り回し役を長らく務めた女性だ。若くしてパリの高等映画学院へ留学。映画制作のノウハウや作品の良否を見極める眼を培う。第三世界の国々などに埋もれていた名作を数々輸入~上映し、

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