カルチャーの執筆一覧

こんなに様々な老いがある ―高齢時代への新たな視点― 書評 天野正子著『〈老いがい〉の時代―日本映画に読む』(岩波新書)

著者: 半澤健市

 高齢社会は「老い」が普遍化した社会である。その老いをどう受け入れるか。本書は、「その未知なるものを想像する〈老いがい〉を考える手がかりとして、第二次世界大戦後の日本映画を素材に、老いや老年、介護が伝えるメッセージを読み

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周回遅れの読書報告(その24) 古本を巡る因縁話(鈴弁事件のこと)

著者: 脇野町善造

 神保町の古書店街に行くたびに寄る古本屋がある。名前は知らない。本を買って、袋に入れて貰うこともあるが、その袋にも名前は入っていたことがない。数冊しか買わないときは、袋さえ貰わない。買うのは100円か200円の均一価格の

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書評:戦中世代への熱い共感。村永大和『玉城徹のうた百首』

著者: 阿部浪子

 「立ちあがり野ばらの花を去らむとき老いのいのちのたゆたふあはれ」。玉城徹は、野バラに感応しつつ何を語りかけているのだろう。  玉城徹の8つの歌集から、村永大和氏が、100首を抜すいし解読する。冒頭の歌は、初句と三句が強

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書評 「詩文集 生首」 辺見庸・著  毎日新聞社・刊

著者: 阿部浪子

 「まなかいをかすめて/青く吹きわたる風の/その根は/そちらにわたらないと/視えはしない」。このような詩句をふくむ、46編の詩文集からは、悲しみがそくそくと伝わってくる。それが過ぎると怒りの心情が。著者の「際限もなくあさ

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周回遅れの読書報告(その21) イングリッド・バーグマンの箴言

著者: 脇野町善造

「座右の銘などは持たない」のが「座右の銘」だ、とキザに言いたいところだが、実は一つだけある。「後悔とはしなかったことに対していうものであって、やったことに対していうものではない」というのがそれである。もともとは女優、イン

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周回遅れの読書報告(その20) クロンシュッタトの水兵と埴谷雄高

著者: 脇野町善造

 クロンシュタットの水兵の話を続ける。久野収と鶴見俊輔の対話集『思想の折り返し点で』で久野が埴谷雄高から貰った手紙を紹介している。久野の発言は次の通りである。 ベルリンの壁が落ちたときに、埴谷氏がぼくにくれた葉書に、「あ

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書評:加藤典洋・著 「太宰と井伏―ふたつの戦後」

著者: 阿部浪子

 なぜ、『人間失格』を書いたあと太宰治は心中しているのか。20代の自殺・心中未遂事件は、生活上の不如意が原因だった。だが1948年、家庭的にも作家的にも安定していたとき、家庭の幸福こそ諸悪のもとと主張し、心中している。そ

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石川啄木と平出修、秋瑾  ―内田弘『啄木と秋瑾 – 啄木歌誕生の真実』から

著者: 安宅夏夫

はじめに 適切な糸口の特徴は、一つに具体的、簡明的確なこと、その一方で潜在的な光力をもっていることである(エーリヒ・アウエルバッハ)。 石川啄木研究は、現在「国際啄木学会」ができていて、今やグローバル化しています。研究者

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3・11で止まった町「福島の姿」写真展のご案内

著者: 永野 勇

2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で発生した史上最悪の大事故も 発生から3年が経過し、この事故が忘れられようとしているとの指摘があります。 そこで私たちは、この福島の原発事故を風化させることなく、今後に活

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