リルケ(1875ー1926)の作風は、一見掴みづらいな、と思っていた。今回、ゆっくり読むことができて、少し明かりが差したと思う。(『リルケ詩集』富士川英郎訳、新潮文庫、1963年) 私が親しくし、兄弟のようにしている
本文を読むカルチャーの執筆一覧
おぞましい民族戦争の戦犯裁判
著者: 岡本健次郎ドうシコ・タディチ著 岩田昌征訳『ハーグ国際法廷のミステリー』(社会評論社2013)2000円+税 戦争は犯罪を引き起こす。戦争そのものが、国家による犯罪の転嫁であることは、今日、しだいに明らかになりつつある、とわたしは
本文を読む石川啄木と平出修、秋瑾 ―内田弘『啄木と秋瑾 – 啄木歌誕生の真実』から
著者: 安宅夏夫はじめに 適切な糸口の特徴は、一つに具体的、簡明的確なこと、その一方で潜在的な光力をもっていることである(エーリヒ・アウエルバッハ)。 石川啄木研究は、現在「国際啄木学会」ができていて、今やグローバル化しています。研究者
本文を読む【俳文】札幌便り(15)
著者: 木村洋平汽車に乗って旭川へ来た。大晦日の暮れた街にイルミネーションが灯っている。たしか去年まではクリスマスで消灯されていたことを思うと、なんとなく明るい気分になる。とはいえ、人影はなく商店街も閉めきった店ばかりだ。 除夜の鐘どこ
本文を読む3・11で止まった町「福島の姿」写真展のご案内
著者: 永野 勇2011年3月11日に東京電力福島第一原子力発電所で発生した史上最悪の大事故も 発生から3年が経過し、この事故が忘れられようとしているとの指摘があります。 そこで私たちは、この福島の原発事故を風化させることなく、今後に活
本文を読む大寒に負けず、猛暑にも負けず、愉しく英気の「養生」を ――林郁著『游日龍の道―台湾客家・游道士の養生訓―』を読む――
著者: 舟本恵美タクラマカン砂漠にある日龍堆という場所は風で毎日形をかえるが、いつも龍のように見えるという。タクラマカン砂漠の前には崑崙山脈がつらなる。崑崙派道教の聖地につながる「日龍」という名を本書の主人公は祖父から命名された。道教相
本文を読む尾崎宗吉―わたしの気になる人
著者: 阿部浪子戦没作曲家、尾崎宗吉(1915~1945)は、はじめて目にする名前であった。翻訳家の川上洸からメールで伝えられ、わたしは、同郷人、尾崎宗吉の存在を知るのだった。数日後に送られてきた著書『尾崎宗吉』(クリティーク80編著、
本文を読む【エッセイ】話す言葉 木村洋平
著者: 木村洋平話すというのはとくべつのことです。ふだん、わたしたちは「話す」というのを「AさんとBさんのあいだで内容のあるやりとりをする」「2本の矢印が行き交う」ことのように想像します。けれども…… ——もし、世界で初めて言葉を
本文を読む【新刊書評】 林 郁 著 『游日龍の道』 東洋書店刊
著者: 木村聖哉(エッセイスト)林郁さんの新刊「游日龍の道」のサブタイトルに「台湾客家・游道士の養生訓」とある。游日龍は台湾崑崙派道教の総師。いま91歳だが、女性や若者に大人気の老師で、法衣を着たことがなく、子どものような笑顔の人だという。 台湾「
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