ちきゅう座の初代運営委員長だった田中正司先生が新著を出された。 この新著には、わが国を代表するアダム・スミスとジョン・ロックの研究者である田中正司先生が更なる研鑽の上に、認識論レベルでの新しい問題意識を導出し、これまでの
本文を読むスタディルームの執筆一覧
『精神現象学』精神章B「自己から離反する精神 教養」(1) 「Ⅰ 自分から離反する精神の世界」を読む
著者: 滝口清栄一 概観、そしてEntfremdung概念の特異性 1 「精神」章の流れと、B「Ⅰ」の位置 「精神」章の展開には、古代ギリシア・ローマ、ついでアンシャン・レジームからフランス革命へいたるフランス、そしてドイツという歴史的
本文を読む「伝統的マルクス主義」批判基準としての「自己再帰性」とは如何なる事態か ― モイシェ・ポストン『時間・労働・支配』(筑摩書房、2012年)への論評 ―
著者: 内田 弘[1] 伝統的マルクス批判とその批判基準としての「自己再帰性」 本書『時間・労働・支配』(原著1993年)はなお支配的な「伝統的マルクス主義」を批判し、その批判基準としてマルクスの「自己再帰的理論」をあげている(訳14,
本文を読む3.9現代史研究会(出口王仁三郎と悪 ――「弱肉強食」の時代と初期大本教――)レジュメと案内
著者: 島薗 進第272回現代史研究会 日時:3月9日(土)5:00~9:00(時間がいつもと違いますのでご注意ください) 場所:明治大学駿河台・リバティタワー1114号(11階) テーマ:危機の時代に見る宗教―大本教問題、国家神道(仮
本文を読む「土に生きる」とは? その一応の答 ――『土に生きる』第11号を手にして(12)
著者: 野沢敏治「作って食べる会」は発足してから10年たった。それを祝って1983年11月12日、記念式典が三芳村稲都公民館で開かれる。本号はその特集号である。発行日は1984年5月17日。ここでも中村則子によるカットがたくさん入ってい
本文を読む2.23現代史研究会(報告者:矢吹晋、五味久壽、司会:矢沢国光)直前案内とレジュメ
著者: 矢吹晋第271回現代史研究会 日時:2月23日(土)1:00~5:00 場所:明治大学駿河台・リバティタワー1134号(13階) JR御茶ノ水駅から徒歩5分 テーマ:中国の新体制(習近平)の今後と日・中・米関係の動向(仮題)
本文を読む〈書評〉向井雅明著「考える足―「脳の時代」の精神分析」
著者: 河野一紀科学技術の進歩は、あらゆるものを可視化する。それは自然現象だけでなく人間をも見透かし、今では頭蓋に覆われた脳の状態や活動までが、まだまだ限定的にではあるが、イメージングによって把握されてしまう。そして、それらのデータをも
本文を読む露木裕喜夫 ・ 言葉とともに身体で分からせる――『土に生きる』第10号を手にして(11)
著者: 野沢敏治本号も筆耕者がいてガリ版刷りの印刷となる。1983年10月20日発行。 本号もカットが楽しい。10歳の子供のカットが混じっている。露木裕喜夫が三芳村共同館で撮られた写真があり、中牧弘子がその横に何かの野菜を持った「先生
本文を読む一度、原点に帰らねばならない ――『土に生きる』第9号を手にして(10)
著者: 野沢敏治発行日は1982年7月15日。奥付では1981年となっているが、誤植であろう。本号でも第6号と同じく三村瑶子によって草花のカットがたくさん添えられている。 消費者の女性の投稿は生産者に比べると筆まめであり、洗練さ
本文を読む配送なくして、食べることはできない――『土に生きる』第8号を手にして(9)
著者: 野沢敏治発行日は1981年5月31日。 1981年という年を年表で見ると――土光敏夫による第2次臨時行政調査会が始まり、俗にいう「小さな政府」路線が敷かれる。閣議で生産者米価が60キロ1万7756円と決定する。審議会の答申を受け
本文を読む2012.11.24現代史研での報告 岩田世界資本主義論をどう発展させるか
著者: 矢沢国光1 岩田世界資本主義論・原理論の意義 岩田氏の「資本主義は、特定の諸国の特定の資本主義的産業部門を基礎とし、種々雑多な諸生産を国内および国外に広汎に配置するような全体としての世界市場的過程として以外に実在せず、まさにその
本文を読む(現代史研究会用レジュメ)報告・純粋資本主義論と岩田氏の世界資本主義論
著者: 櫻井毅*これは研究会用のレジュメです。詳細な展開は研究会での報告の中で述べられることになりますので、その点ご承知下さい。(研究会事務局) (現代史研究会 2012.11.24.) 0、はじめに 1、問題の輪郭 岩田は宇野の純粋
本文を読む10.20現代史研究会レジュメ:ハーヴェイのサブプライム世界恐慌論とポストンの労働時間論
著者: 伊藤 誠ハーヴェイのサブプライム世界恐慌論とポストンの労働時間論 2012.10.20. 伊藤 誠 1 ハーヴェイのサブプライム世界恐慌論 デヴィッド・ハーヴェイは、一九三五年にイギリスのケント週に生まれ、ケンブリッジ大学で地
本文を読む費用便益分析で使われる社会的割引率はその存在自体が誤りである
著者: 藤﨑 清公的な事業における事業実施の適否や優先度の判断資料を提供できる手法として費用便益分析があるが、その現行算定法には基本的な誤りがある。このことは、当サイトの「スタディルーム」に掲載された小文「お金が支配する世の中」(201
本文を読むユーロ危機はどこへ行く―欧州統合のプラスとマイナス
著者: 阿部汎克世界経済を揺さぶり続ける欧州金融危機にどう対処するか、10月11日、先進7カ国(G7)が東京で開く会議で対策を協議する。 すでに日米欧は9月、相次いで異例の金融緩和を表明した。白川日銀総裁は同19日、10兆円の追加金融緩
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(8) ――山下俊一氏はリスコミをどう理解してきたのか?
著者: 島薗 進長瀧氏の指導の下、その「手足となって」働いた(下記資料 での本人の弁)山下俊一氏は、とにかく住民を「安心させる」ことを至上命題としてチェルノブイリでの検査・調査にあたった。「すぐに感謝されたのはセシウ ム137をホールボ
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(7) ――「不安をなくす」ために調べない知らせないという「医療倫理」?
著者: 島薗 進だが、重松委員長によるIAEAレポート(1991年)が出たこの時まで、長瀧氏はチェルノブイリでどれほどの診療経験、調査経験があったのだろうか。最初にチェルノブイリに赴いてから、どれほどの時間も経っていない。その間に現地に
本文を読む尖閣問題の交渉経緯の真相
著者: 矢吹晋以下の資料1.から分かるように、第三回首脳会談で田中が尖閣を提起し、周恩来が「今、これを話すのはよくない」と棚上げ案を返答しています。外務省会談記録は、その趣旨を次のように記録しています。 資料1. 外務省が公表した「
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(6) ――「不安をなくす」ことこそ長崎の医学者の任務という信念
著者: 島薗 進福島原発災害の放射線健康影響対策では長崎大で師弟関係にあった長瀧重信氏と山下俊一氏が多大な権限を得て対応してきている。政府と福島県が対策を取るに際して、それぞれ長瀧氏と山下氏が中心的な助言者となり、責任者にすえられてきた
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(5) ――「安心」こそ課題という立場が排除するもの
著者: 島薗 進福島原発事故以前に放射線の健康影響をめぐるリスクコミュニケーション(「リスコミ」と略す)の考え方は危ういものになっていた。多くの市民(日本人)がリスク評価の能力が劣っていると考える専門家が多いことはすでに述べた(2)。こ
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(4) ――安全・安心をめぐる混迷
著者: 島薗 進放射線健康影響のリスクについて、その方面の専門家が市民の「不安をなくし」「安心させる」企てに意図的に取り組んできたさまを見てきた。市民がリスクを適切に認識することができず、「安全なのに安心できない」ので、さまざまな手段を
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(3) ――「安全・安心」という言説
著者: 島薗 進放射性物質が福島県を初めとして東日本の広い範囲に飛散し、多くの住民が放射能の健康被害を懸念したとき、ひたすら「直ちに健康に影響はない」「安心しなさい」「不安をもってはいけない」と唱える専門家がいた。政府寄りの放射線専門家
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(2) ――「リスク認識が劣った日本人」という言説
著者: 島薗 進政府側に立つ放射線の健康影響の専門家は、年 100mSv以下では健康被害はほぼ無視してよいという発言を繰り返したが、他方、100mSv以下でも健康被害はあり、そのためにできるだけ被曝線量を避けるべきだという科学的知見も多
本文を読む放射線のリスク・コミュニケーションと合意形成はなぜうまくいかないのか?(1)――専門家側に責任はなかったのか?
著者: 島薗 進福島原発事故が1年半が経過しようとしている。放射線の健康影響について、この間に膨大な情報がやりとりされた。だが、未だにどこに真実があるのか、よく分からない。そう感じている人が多いだろう。今後、どれほどの健康被害がありうる
本文を読むフランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(15)
著者: 二本柳隆著(石塚正英編)6.結語 フィヒテの「フランス革命論」の展望 1800年代のフィヒテは、ナポレオン台頭のもとにプロイセンを地盤として、著しい愛国主義者(・・・・・)いとしてナショナリズムを展開していくことになるが、1793年のフィヒテ
本文を読む吉本隆明の対幻想批評―神仏虐待儀礼と母方オジ権を事例に(下)
著者: 石塚正英2 対幻想批評―その2― 吉本隆明『共同幻想論』の「母制論」(151~153頁)にこう記されている。 * * わたしのかんがえでは<母系>制の基盤はけっして原始集団婚にもとめられない
本文を読むフランス革命後のドイツ社会思想――フォルスター・ヘルダー・フィヒテ・カント・ノヴァーリス(14)
著者: 二本柳隆著(石塚正英編)5.国家体制の変更とその可能性 国家はやがて消失していくものだと説かれていたが、当時、フィヒテの視座では、これまでの国家制度はどう捉えられていたのだろうか。フィヒテはいう。「人は実際、今日の諸国家の体制とこれまでの歴史
本文を読む吉本隆明の対幻想批評―神仏虐待儀礼と母方オジ権を事例に(上)
著者: 石塚正英はじめに 吉本隆明『共同幻想論』(河出書房新社、1968年)の「巫女論」に次の文章が読まれる。「シャーマンでは、自己幻想が問題であるがゆえに、(中略)かれの自己幻想が、他の人間であっても、神であっても、狐や犬神であっ
本文を読む書評 : 小林敏明『<死の欲動>を読む』
著者: 宇波 彰ジャック・ラカンは1964年に行なった『セミネールXI 精神分析の四基本概念 』において、精神分析の四つの基本概念が「無意識・反復・転移・欲動」であると述べた。精神分析の概念としての「欲動」の重要性がラカンによって認識さ
本文を読むジブリの魅力の源泉は?――幼さの残る若い女の子の世界
著者: 木村洋平1. アメリカのお父さんは、ジブリに惹かれている。 ディズニーとジブリについて、こんな記事を読んだ。 「ディズニーと宮崎アニメ:ヒロインから見た文化論」[リンク:http://wired.jp/2012/08/16/di
本文を読む