3、隠された反実仮想命題 ところで、この遮蔽想起としてのレ・シャルメットについて、さらに検討していきたいことがある。私が考えるに、この遮蔽想起は、もうひとつの反実仮想命題が隠れている。 先に、フロイトが遮蔽想起に、「
本文を読むスタディルームの執筆一覧
遮蔽想起としてのレ・シャルメット―ルソー『告白』を読む(前編)
著者: 野島直子機会があって、ジャン=ジャック・ルソー著『告白』を読んだ。ルソーは、言うまでもなく、社会思想、教育、文学など様々な分野に「近代」を用意した思想家、作家として知られ、日本においても、民権思想、近代告白文学(私小説)に大き
本文を読む■第二江戸思想史講義 1 第1章 朱子『中庸章句』と江戸思想 1
著者: 子安宣邦「天の命ずる之(これ)を性と謂う」 ー朱子による『中庸』首章解をめぐって 1 朱子と『中庸章句』 『中庸』はもともと『大学』とともに『礼記』中の一篇をなすものであったが、朱子はこれを『大学』とともに『礼記』
本文を読む海峡両岸論 第116号 2020.07.04発行 - 「新冷戦論」の落とし穴にはまるな コロナ後の世界の2潮流を読む -
著者: 岡田 充新型コロナ・パンデミックが続く中、二つの潮流が国際政治を覆っている。第1は米国のグローバル・リーダーからの退場。第2に弱体化した国家の復権である。いずれも以前からあった流れだが、コロナ禍がそれを加速させている。グローバ
本文を読む【直前案内】7月4日(土)世界資本主義フォーラム・北原徹「段階論と戦後アメリカ資本主義」
著者: 北原 徹●新金融資本主義とは? ・新金融資本主義の2本の柱:機関投資家・金融市場の圧力によるコーポレートガバナンスにおける株主価値経営と金融機関・金融市場の動きが実体経済を振り回すこと ・経営者資本主義→新金融資本主義: コーポ
本文を読む海峡両岸論 第115号 2020.6.11発行 - 主権防衛に「レッドライン」引く 国家安全法は「反分裂法」の香港版 -
著者: 岡田 充北京で開かれていた中国全国人民代表大会(全人代=国会)=写真 多維新聞=は28日、香港独立や政権転覆、外部勢力の介入を禁じる「国家安全法」(国安法)の制定を採択して閉幕した。貿易戦争、台湾、香港、新型コロナウイルスなど
本文を読む中国語版『漢字論』序・「不可避の他者」としての漢字
著者: 子安宣邦『漢字論』中文版序(2020.6.10.) 「致中国読者」 「不可避の他者」としての漢字 私の著書『漢字論』とは日本人の言語即ち日本語の欠くことのできない文字的要素として持ちながらも、なお「漢字」という呼び
本文を読む今後の日本においてインフレーションを惹起することは可能であろうか
著者: 岡本磐男現在の日本ではデフレ(物価下落)が進行している。30年前からの平成の時代から大体そうであった。それ故、現在の安倍内閣はアベノミクスなる経済戦略において、まず第1にデフレ脱却を指向したのである。デフレ下においては経済成長
本文を読むドクトル・ジバゴ、プレオブラジェンスキー教授、渋沢敬三大蔵大臣―岩田トリアーデ体系論の立場に立って論ず―
著者: 岩田昌征NHKBSプレミアム、5月5日13時、偶然に映画『ドクトル・ジバゴ』を観た。米伊合作映画のようだ。 党社会主義崩壊後のポーランドや旧ユーゴスラヴィアにおける革命前所有者に国有化された資産(不動産である土地・建物)を返還す
本文を読むコロナ死と自殺―岩田トリアーデ体系論の視点より―
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(5月9日)の「耕論」面に小林慶一郎東京財団政策研究所研究主幹が「人命も経済も第三の道を」なる提言をコロナ禍中経済について行っていた。コロナ起因死に対比させて、経済収縮起因死の自殺の重大性を警告している。そこ
本文を読む私有財産制下の大コロナ禍―岩田トリアーデ体系論の視点から―
著者: 岩田昌征かつて30年前までは、資本主義的市場経済と並んで、ソ連型の社会主義経済とユーゴスラヴィア型の社会主義経済が対抗的に存在していた。今日、ソ連もユーゴスラヴィアも国家として解体されて、もはや存在していない。 ソ連型は、国有財
本文を読むGDP信仰と成長崇拝が社会を壊す - 左右のポピュリズムは同根
著者: 盛田常夫蓮舫議員が「赤字国債は国民の借金」と発信したところ、ネット右翼は即座に反応して、「赤字国債は国民の借金ではなく、政府の借金だ」と蓮舫議員を批判した。政府がどれほど借金しても国民には関係ないのだから、「どんどん赤字国債を発
本文を読む海峡両岸論 第114号 2020.5.13発行 - 新型コロナめぐる情報操作の実態 支離滅裂なトランプの陰謀論 -
著者: 岡田 充トランプ米政権の新型コロナウイルスに対する言動は終始、一貫性を欠いてきた。コロナ禍をめぐる対中国姿勢を振り返れば、トランプ(写真「武漢起源に自信」と記者会見で協調=テレビ東京)と政権幹部がいかに支離滅裂で、デマに満ちた
本文を読む「ケアの共産主義と、何もしないことによる貢献 :何かが起きている(起きる)のだろうか?」 パトリス・マニグリエ(哲学者)Communisme de soin et inactivité contributive : se passe(ra)-t-il quelque chose ? Patrice Maniglier (philosophe)
著者: パトリス・マニグリエ(哲学者):翻訳・村上良太これは、マクロン大統領が語った言葉のタイトルに過ぎません。つまり、この新型コロナウイルスの出現で私たちに不可能と思われていた事態が起こりつつあるのです。そして、逆にまた、昔は常識だったことが、今後は常軌を逸したことに
本文を読む紀元前5世紀の大戦と疫病禍(≒コロナ禍)
著者: 岩田昌征マスメディアもミニメディアもコロナ=「コビト19人」の行状や行方から目を離せない。 19人のコビトよりもたちの悪いペストの記憶や1918年~1921年のスペイン風邪の記憶が語られる。「ちきゅう座」に一ヶ月前位か合澤清氏が
本文を読む右も左も一律現金給付要求の悲喜劇 「一億総サル化」現象
著者: 盛田常夫安倍首相も外野の声に動かされて、現金の一律給付に傾いているようだ。もともと社会的知性や哲学がある政治家ではないから、政権を維持できるなら何でもOKなのだろう。野党だけでなく、連立与党の公明党からも催促されているのを口実
本文を読む権力基盤の強化に利用される「非常事態」法
著者: 盛田常夫EUの異端児的な存在であるハンガリーのオルバン首相はなかなかの権謀術数に長けた政治家である。体制転換時に反体制運動家として頭角を現したオルバンは、共産党青年組織に代わるFIDESZ(通称フィデス、Alliance of
本文を読む『第二江戸思想史講義』の序章を書いた
著者: 子安宣邦『第二江戸思想史講義』の序章を書いた コロナで閉じこもりながら、最低の精神状態のなかで『第二江戸思想史講義』の序章をともかく書いた。その序章を次のような言葉をもって閉じた。 「私は江戸思想の読み直しを考えながら、朱子学の
本文を読む井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 10
著者: 大村泉新着情報 No. 10 2020年4月7日 日本金属学会(公益社団法人)は、井上明久東北大学元総長を筆頭著者とする、JIM99論文に与えられていた 『第48回論文賞の受賞記録の削除』 を公表しました。 このJIM9
本文を読む海峡両岸論 第113号 2020.4.3発行 - 強権政府待望する時代が始まった 五輪を全てに優先した安倍失政 -
著者: 岡田 充コロナ・パンデミックは、世界を1929年の世界大恐慌以来の不況に陥れた。ポスト・パンデミックの時代には、閉じられた国境が再開され、破断されたサプライチェーン(部品供給網)の再構築が始まる。だが、グローバル化によって弱体
本文を読む海峡両岸論 第112号 2020.3.18発行 - 安倍政権下では難しい日中改善 習訪日延期と腰定まらぬ対中政策 -
著者: 岡田 充新型コロナウイルス肺炎「COVID19」の感染はイタリア、イラン、米国に一気に広がり、世界保健機関(WHO)=写真 テドロスWHO事務局長=は3月11日、「パンデミック」宣言をした。トランプ米大統領は、英国を除く欧州各
本文を読む「悪夢」のアベノミクス
著者: 盛田常夫「黒田バズーカ砲」で始まった目先の景気浮揚を狙うアベノミクスは、コロナ災禍に遭遇して、元の木阿弥になりそうだ。自然災害であれ人災であれ、危機的状況の勃発時に、経済政策の正否が明々白々となる。アベノミクスの政策的正当性が
本文を読む『サル化する世界』の警句
著者: 盛田常夫春秋時代の宋にサルを飼う人がいた。朝夕四粒ずつのトチの実をサルたちに給餌していたが、手元不如意になって、コストカットを迫られた。そこでサルたちに「朝は三粒、夕に四粒ではどうか」(朝三暮四)と提案した。するとサルたちは激
本文を読む3月7日「21世紀型社会主義のために」伊藤誠報告予稿 世界資本主義フォーラムのご案内
著者: 伊藤誠3月7日の世界資本主義フォーラムは、予定通り実施します。会場の入り口に、消毒用のアルコールが置いてあります。入室・退室の際は、かならず、手を入念に消毒するよう、お願いします。 21世紀型社会主義のために 伊藤誠 1.『
本文を読む同時代史の中のヘーゲル国家論― 1817・18年法哲学講義と「立憲君主制」のライトモチーフ ―
著者: 滝口清栄はじめに 『法(権利)の哲学の要綱』(1820年、以下『法(権利)の哲学』と略記)は出版されてから今日にいたるまで、さまざまな論争を生み出してきた。この書はプロイセン体制追認の書と解釈されることもあれば、鋭い時代批判の書
本文を読む井上元東北大総長の研究不正疑惑の解消を要望する会 新着情報 No. 9
著者: 大村泉新着情報 No.9 2020年2月9日 東北大学元総長を筆頭著者とする論文の研究不正疑惑を告発した方々が、科学技術振興機構(JST)経由で受領していた2通の東北大学の回答に付された報告書に、新たな事実が確認された。その事
本文を読む米国の大統領選挙と候補者への支持者たち
著者: 岡本磐男私は今年秋に行われる米国の大統領選挙には重大な関心を持っている。それは多分、約2年先に行われるであろう日本の総選挙に対してよりも強い関心事である。日本人でありながら、日本の総選挙よりは、米国の大統領選の方が関心が高いと
本文を読むお江戸舟遊び瓦版729号/NHKスペシャル 日本人はるかな旅 第5巻― 「そして“日本人”が生まれた」戸澤冬樹
著者: 中瀬勝義NHKスペシャル 日本人はるかな旅 第5巻― 「そして“日本人”が生まれた」戸澤冬樹 02.1.30 を紹介します。 https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2020/02/764
本文を読む明治維新の近代・18 「天皇の本質的意義に変わりはない」―和辻哲郎『国民統合の象徴』を読む
著者: 子安宣邦「国民の全体意志に主権があり、そうしてその国民の統一を天皇が象徴するとすれば、主権を象徴するものもほかならぬ天皇ではなかろうか。国民の統一をほかにして国民の全体意志は存しないであろう。かく考えれば「日本国民なるものが統治
本文を読む『六四と一九八九』(石井知章・及川淳子編著)を論ず―天安門流血語るべし忘るべからず―
著者: 岩田昌征石井知章・及川淳子編著『六四と一九八九 習近平帝国とどう向き合うのか』(2020年、白水社)を一読した。令和元年・2019年6月1日に明治大学現代中国研究所が主催した国際シンポジウム「六四・天安門事件を考える」の報告集成
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