歴史の執筆一覧

歴史修正主義を克服する 奥泉光・加藤陽子『この国の戦争:太平洋戦争をどう読むか』(朝日新聞出版)他

著者: 小川 洋

 安倍政権下では、明治以降の日本の歴史を全面的に肯定する歴史修正主義的な議論が目立ち、元首相自身も、東アジア諸国に対する日本の加害の歴史を否定する議論を好んだ。これに対して中国や韓国などばかりでなく、欧米諸国の政府やメデ

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「90年前の3月1日に何があったか」  「ごまめのはぎしり」でも「カマキリの斧」でも、モノ言わねばならぬ 

著者: 米田佐代子

 ロシアのウクライナ侵攻に抗議して、渋谷駅前でも2月27日にSNSの呼びかけに2000人もの人が集まったという報道がありました。在日ウクライナ人は勿論、日本人もそして在日ロシア人の方々も、だそうです。高齢のわたしでも、で

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ファシズムは死語になったのか(6) ―それは何色の服を着てくるのか―

著者: 半澤健市

関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式は、毎年9月1日に墨田区の都立横網町公園で行われる。小池百合子都知事は、今年からその式典への追悼文の送付をやめた(『東京新聞』、2017年8月24日)。 《歴史をゆがめるのはだれか》  石原慎

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陸軍にもあった海上特攻隊 - ベニヤ製の小型艇で敵艦に突っ込む -

著者: 岩垂 弘

 8月28日付毎日新聞夕刊社会面のトップ記事に目が止まった。「『真珠湾』最初の爆弾投下」「軍神 敗戦を予見」という見出しのついた記事。アジア・太平洋戦争の口火となった1941年の真珠湾攻撃で最初の爆弾を投下し、翌年、南洋

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中国大陸との国交正常化  ―あらためて考える「歴史問題」 4 (最終回)

著者: 田畑光永

 このシリーズの途中で8月14日に安倍首相の「終戦70周年談話」が出された。しかし、予想通り「歴史問題」にきっちりけじめをつけるような談話とはならず、15日の番外篇で指摘したように、適当に言葉をつぎはぎしながら、なるべく

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賢しさの限りを尽くした安倍談話 ―あらためて考える「歴史問題」番外

著者: 田畑光永

 敗戦70年の安倍談話が発表された。ひと言でいって、いかにもこの人らしい談話である。予想される批判に対して言いぬけ用の布石を配して、どうだ文句はないだろうと胸をはっているのだが、それがかえって本人の心底を浮き彫りにしてし

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戦後の激流に流された「掟破り」 ―あらためて考える「歴史問題」 3

著者: 田畑光永

 中国、朝鮮、日本の共存体制というアジアの掟を破った日本の20世紀前半の行動は、ポツダム宣言受諾からサンフランシスコ講和条約調印という国際外交の世界では、特にその非道義性を問題にされることはなく、一般的な戦争処理の形を踏

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連合国の対日処理と「掟破り」 ―あらためて考える「歴史問題」 2

著者: 田畑光永

 前回では日中韓の「歴史問題」が、なぜ戦後70年に至っても歴史に送り込まれずに、現実の政治課題であり続けるのかについて考えた。極東アジアでは古来、中国大陸、朝鮮半島、日本列島は中華を中心とする冊封朝貢関係・華夷秩序のもと

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根源は歴史の「掟破り」  ―あらためて考える「歴史問題」 1

著者: 田畑光永

 八月は歴史の季節である。太平洋戦争が終わったのがたまたま八月だったからであるが、国民が歴史を振り返る季節が毎年あるのは悪いことではない。ただ、それが歴史を振り返る結果、他国の今を批判するところまで行くと、歴史が今の問題

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後世に残したい歴史的建造物 -南三陸防災庁舎を保存へ-

著者: 岩垂 弘

 年が改まったが、明るいニュースが乏しいように思うのは私だけだろうか。そんな中で、私の気持ちを明るくさせたニュースがあった。1月8日付の朝日新聞に載った「南三陸防災庁舎、保存へ」という記事だ。「南三陸防災庁舎」とは、宮城

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今度は高校に「近現代史」―止むを知らない安倍内閣の挑発路線

著者: 田畑光永

暴論珍説メモ(132)  特定秘密保護法制定、集団的自衛権容認閣議決定、沖縄普天間基地の辺野古移転工事開始強行と矢継ぎ早に「戦時体制」整備に余念のない安倍政権が今度は教育に目をつけて、高校に「近現代史」科目の新設を検討し

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